永遠の1分。のレビュー・感想・評価
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3.11を題材に喜劇? 難題に挑む姿勢は買う
東日本大震災に限らず、大勢が犠牲になったり人生に深刻な影響を受けたりする震災や事故や事件について、当事者以外が論じる、語る、作品化することは“はばかられて当然”のような空気が、確かにこの国にはある。曽根剛監督も、被災者でもない自分が3.11を描くことに後ろめたい気持ちがあったと語っている。
3.11を題材に劇映画を作ることだけでも並の創作に比べハードルが高いのに、さらに笑いの要素を入れてポジティブなエンターテイメントを作ろうというのだから、相当な覚悟をもって臨んだはずだ。脚本は、「カメラを止めるな!」の監督・上田慎一郎が担当した。
曽根監督と同様、「自分は3.11の部外者という感覚」があった上田は、自分たちの立場を反映させて「3.11の部外者である人間が、3.11を題材にしたコメディ映画を創ろうとする」話を書いた。映画の作り手を震災後に来日したアメリカ人に設定することで、“部外者”としての立ち位置を強調するだけでなく、カルチャーギャップから生まれる笑いも加えている。
ただまあ、頭が禿げている人にハゲの自虐ネタを言わせたりするなど、笑いが軽いというか、比較的あたりさわりのない笑いにとどまっているので、コメディとしては中途半端かもしれない。
また、津波の被災者しか取り上げておらず、原発事故で土地を追われたり生業を失ったりした人たちについての言及がほとんどないのも、より難しい題材を避けたように感じられた。しいて挙げるなら、ロサンゼルスに移り住んだ日本人シンガーの麗子が、職場で「放射能がうつる」と言われる場面があったくらいか。麗子を演じたラッパーのAwichによる歌唱はとてもよかった。アカペラから歌い始めるシーン、バックトラックが入るタイミングをもう少し遅らせ、ワンコーラス分を伴奏無しで聴かせてもよかったのでは。
不謹慎?でも、忘れるより遥かにいい
Awichさんが俳優で劇中歌も歌う作品と聞き映画館へ
流石圧巻の歌唱力
3.11を題材にしたコメディ映画を撮るという不謹慎に見える題材は、実は『忘れるより遥かにいい』という意図を持っていたのかと
ところで私が観に行った日は中村優一氏のトークがありましたが、個別の質問は受け付けておらず
彼には、某仮装場面での死んだ目をしてる子役の子についてのコメントを聞きたかった
「忘れてしまうんだと思います」
作中でガイドの女性が、何度も津波被害に襲われている地区に人が戻って来てしまう理由を問われた際のこの一言が印象的だった。
人間って、愚かなんだと思う。
先人がいくら教訓を残してくれたところで、後世の人々がそれをしっかり受け止めなければ何の意味も無いもん。
千年に一度の災禍と言われる東日本大震災。
忘れないため、風化させないために人の目に触れるように伝え続けていくことが大事だと思う。
たとえそれがコメディであろうが、ゴシップ記事であろうが・・・
そういう意味でこういう映画もアリだと思う。
震災ネタをメシのタネにするのは決して悪い事ではないと思う。
主要女性キャスト3人(Awitch、片山萌美、ルナ)も三者三様の魅力が出ていて印象的だった。
それにしても、自社(系列)の作品なのにイオンシネマの上映館が少ないのは何故なんだ?
これで良い
感動しました。
コメディでは無いです。
コメディを撮ろうとする映画でもない、「悲劇の真ん中でも笑顔になろうとした人達やその瞬間があったはずだと願い、それが許されないわけがないと願う作品」を創り上げるヒューマンドラマだと感じました。
災禍の内側では目が覚めてから眠りに落ちるまで全ての瞬間を悲しみ苦しんでいなければいけないのか、災禍の外側では当事者の状況や想いを「悲痛で重く暗いもの」としてしか捉えることも慮ることも描き語り伝えることも許されないのか、それは誰が決め、誰に正解や不正解の答えを出す権利があると言うのか…
しかし特にこの国では当事者から離れれば離れるほど勝手に「こうあるべきだ」と決めつけ、気遣いの顔で無関心を誤魔化し、逆に踏み込んでいく人を無遠慮で不謹慎だと抑えつけようとする社会気質がある気します。
そこに染まっていない外国人なら凝り固まった道徳観念にトライできるかもしれない…主人公をアメリカから来た監督にしたのはそういう事ではないかと思います。
ただし、決して無粋に土足で踏み荒らしていく不快な描写があるわけではなく、むしろ彼が取材をしていくシーンからは私達の喉元を過ぎてしまったものを改めて思い出させてくれる部分がしっかりとあり、多くを考えさせられもしました。
構成は上田さんの流石の才能を感じました。
主人公はハッキリしていながら若干の群像劇でもあり、そしてスポットライトは二本あります。
飛び込んでいく者と離れていく者、隔たりを越えて届こうとする想い、それを繋ぐ少しの奇跡… “仕掛け”には彼らしいなと感じつつも、題材を慮って過剰に弄びはしなかったという個人的印象です。
それと、作中で歌われる曲が素晴らしかったです。歌詞、メロディー、歌声、もちろん音楽の好みは十人十色ですが私はとても胸を打たれました。
それにしても惜しむらくは、公開する映画館があまりにも少なく一日の上映本数も少なく、パンフレットまで作られていない様子であることでしょうか。
映画内で描かれた障害が映画外で現れてしまったかのような、物創りの勇気をリスク回避の企業性が上回ってしまったかのように思えるのは邪推かどうか…
でもそれも覚悟して制作スタッフは臨んだのかもしれませんし、なればこそこの作品はこれで良かったのだろうとより賛辞を送りたく思います。
一緒に観劇した私の妻は被災者遺族です。
当時被災者だからと「可哀想な人」と断じられるのは複雑だったそうです。
この映画を観て良かったと、少なくとも彼女は言いました。
願わくばもっと多くの人に届いてほしい、そんな映画でした。
スマイルボール
上田監督脚本という事で鑑賞。
3.11を茶化すわけではなく、当事者たちが苦しい環境下の中で希望を掴むために明るく振る舞った事例をコメディにするというとても真面目で誠実な映画でした。
自分は東日本大震災の現場にいた訳では無く、テレビで津波の映像を見て大変なことになっているなーと他人事のように思っていましたが、5年前に現場に訪れた時に復興はまだまだ進んでおらず、その現場の厳しさを目の当たりにしました。
作中の作り手達はとにかく真面目で、取材を徹底し、非難されながらも決して挫ける事なく進んでいく姿はとてもかっこよかったです。ちゃんと笑いどころもしっかりしていました(スマイルボールのあのデカさにはほくそ笑んでしまいました)。わさびやハゲだったり、よく見るお笑いも映画の中の一部になっていてもしっかり機能しているなーと思いました。Awichの歌がとにかく凄かったです。
東日本大震災の映画というよりかは福島第一原発に焦点を当てた「Fukushima 50」とは描き方の異なる、しかしどの視点も否定しない優しい作品です。上映館が少ないのが残念…。
鑑賞日 3/9
鑑賞時間 14:10〜15:55
座席 F-6
素人映画
いや、そこら辺のYouTuberの方が遥かに上手く撮れると思う。
内容も取ってつけたような物で、何の一貫性もない。
演技も良くこんなのでOKを出したなぁ〜って感じだし、B級映画以下です。
「カメ止め」がヒットしたから調子に乗っちゃったんでしょうね。
題材の難しさを前提にして作った意欲は理解できると思います。
今年59本目(合計332本目/今月(2022年3月度)1本目)。
他の方も書かれている通り、東日本大震災をテーマにしたドキュメンタリーというか、コメディ映画というか、分類が難しいところです。
確かに震災も含めて自然災害をテーマにした映画は評価が荒れることが多く、作られるのも少ないように思えます。その点も考えれば多少の傷はあっても「挑戦したということそれ自体」にかなりの評価点はあるのでは…と思います。
なお、多くの日本人の方が行かれる限りあまり問題はないと思いますが、話題は
東日本大震災 80%
阪神・淡路大震災 10%
コロナ事情 10% ※ 映画内では「最近流行りの感染症」という扱い。2020年3月という初期のころの話であるため。
…です。
この映画、日本人どうしの会話には英語字幕が、外国人の発言には日本語字幕がつき、最後のエンディングクレジットにも東日本大震災に関係した都道府県(岩手、福島など)が日本語・英語の同時表記で流れます。趣旨的に、日本以外の国で放映されることを想定して作ったのだろうと思います。
そのため、日本人同士の会話の英語の字幕が明らかに妙だったり(英文法的におかしい等)するものの、趣旨がそうであろうと推知できる範囲では、減点幅をどこに持っていくのかも微妙です。
また、他の方も書かれていた通り、東日本大震災が起きたこと、それ自体は事実ですが、この映画ではどこまでが事実でどこからがフィクションなのかがわからず(かつ、地方行政も応援しているのに、パンフレットひとつない)、この点もかなり厳しいです(日本ならまた、何かしら調べる方法はあっても、外国で公開される時にそれを調べろというのも無理がありすぎる)。
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(減点0.3) この映画、上記にも書いた通り、海外進出を前提にしているように思えます。日本人同士の会話に英語字幕が入ったり(本来不要)するところがあるからです。
ただ、字幕のつけかたがかなり雑というより、字幕を追うとわかりにくいです。
(例/日本語や英語の助詞・冠詞など、通常禁則処理されるものが2行目先頭に来る)
▼ 日本語字幕の例。2行目先頭に助詞が来る
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これは映画
のレビューです。
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▼ 英語字幕の例。2行目先頭に冠詞が来る
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This is
a test.
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(減点0.2) 上記にも書いた通り、8割は東日本大震災ですが、1割ほど、阪神・淡路大震災の話も出てきますが、出るだけです。日本では、この間が16年とスパンがあったため、東日本大震災の時に問題がなかった兵庫・大阪の消防・医療などが現地に赴きましたが(助け合いの精神の一つですね)、映画内ではこの話の繋がりが1行しかなく、「なぜ「放射能で危険と外国人に噂される」(映画内より)ところに行く必要があったのか」がわかりにくいです(日本では常識扱いできても、外国ではそうとは限らない)。
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とはいえ、最初にも書いたとおり、「自然災害をドキュメンタリーとしてではなく、コメディ要素も込めて描く」ということ、そのチャレンジ精神それ自体に意義があると思いますので、他では減点要素なしにしています。
※ 今週(3/4)の週は「余命10年」という、似たようなタイトルの映画もあるので購入時には注意しましょう(私は3/5、明日見に行く予定です)。
で、ニンジャの脚本あるの?
アメリカ人映画監督による3.11の取材と、そこで出会った人との思いの話。
アメリカのコメディ映画監督と相棒が3.11のドキュメンタリーを撮るという口実でニンジャ映画を製作しようと来日し、3.11のドキュメンタリーは今更だったという口実づくりの取材の中で、3.11に纏わるコメディをつくろうとなっていくストーリー。
ポンコツコンビの安っぽいドラマや演出に始まって、取材部分はドキュメント少々を使用しつつというなんだか学生の卒業製作か自主製作作品の様な仕上がりの中、不謹慎とはなりつつも、コメディをつくろうと奮闘する感じは良かったけれど…。
なんですかこのそれまでの話と脈絡もない茶番な展開は。
タクシーから後の話がメインですよね?せっかくの良いお話しが取って付けた様になってしまっていて残念過ぎた。
「不謹慎、自粛」に投じる娯楽という一石
戦争をテーマにしたコメディは無数にある一方、自然災害がテーマのそれはちょっと思いつかない。戦争は人災の愚かさに置き換えて笑いにできるが、天災だと難しい。その難しさにあえて挑戦したスタッフの意義を買いたい。
正直ツッコミどころは多い。とにかく物語が良くも悪くも性急に進んでいくため、「世界仰天ニュース」の再現VTRを観ている感覚に陥ってしまう。主人公スティーブが3.11のコメディ映画制作を決意する真意や、震災が原因で別離した夫婦といった各人物のエピソードも弱い。何よりも映画内映画の面白さがイマイチ伝わってこなかったのが辛いところ。
でも繰り返すが、「不謹慎、自粛」という固定観念に、“娯楽”という一石を投じる姿勢を評価したい。楽しむ事だって人間には生きていく糧となるのだから。
これが映画じゃなく連続ドラマだったら、もっと人物像の描き込みができたかもしれない。でもこのテーマをドラマ化してくれるテレビ局が、はたしてあるのか…
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