百花のレビュー・感想・評価
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ファーザーにはなれず
2022年劇場鑑賞205本目。
アルツハイマー病を患った母親と息子の物語。アルツハイマー病の患者が見える世界も描かれていて、不思議な感覚を味わえるところがアンソニー・ホプキンス主演の傑作「ファーザー」を彷彿とさせるのですが、あの映画の持つパワーと比べるとどうも薄ぼんやりした感は否めません。恐らく忘れていく母親が無抵抗にそれを受け入れているのが大きいのでしょうか。受け側の菅田将暉演じる息子も、設定的に素直に悲しめないので、こちらも分かってはいるけどカタルシスがないままあっ、映画終わっちゃったという感じでした。
若いメイクの原田美枝子は美人でした。
誰でも直面するかもしれない
母親が認知症になり、それを受け入れたくない息子。家族が認知症になると大変だろう。息子(菅田将暉)は、よくやっている。「半分の花火」を見たいという母親。それが何かわからない息子。これが認知症を患う人がいる家族の姿だと思う。
母親は恋愛体質で性に奔放な人でそれを原田美枝子さんが演じることでものすごくオブラートに包まれてる。家族がある男性(永瀬正敏)と深い仲になり転勤先に息子を置いてついていってしまう。まさかそんな過去があるとは思えない人。何故、小学生の息子を一人、置いて出ていったのか?自分の母親に預けても良かったのではないか?と疑問が残る。
若い時代も同じ人が演じてるが、これはどうかな?永野芽郁さんとか吉岡里帆さんとかが演ったら良かったのに。あのメイクは特殊メイクか?
緩やかに急激に忘れていく母親。忘れない息子。そんな映画。
一輪挿し
過去の母親の行動から溝のある親子とアルツハイマーの話。
大晦日の夜、母親が一人で暮らす実家に帰ると誰もおらず不穏な空気、外に捜しに出ると公園のブランコでたたずむ母親が…と始まって行くストーリー。
違和感を覚えつつも「溝」のせいもあり気付なかった感じから、母親視点のお買い物が切っ掛けとなってアルツハイマーが発覚するけれど、手帳の件をみるに本人は自覚があったということですね。
その後過去の母親の行動と息子の境遇がみせられていくけれど、いや~キツいな。
しかしながら幼い頃のわだかまりと、再び忘れられる息子の心境を描いているのはわかるけれど、戻ってから現在までの関係がみえないからね…そこの部分はかなり大切だと思うのだけれど。
AIシンガーにしても赤ん坊にしても、中途半端でストーリーの補足説明みたいな感じだし。
自分と母親との関係がこの主人公よりもっと遠いものだからというのもあるかも知れないけれど、すっぽりと抜け落ちた長い時間のせいでか、何か取って付けたような印象を受けてしまった。
それでも終盤の悲痛に浸る感じはなかなか良かった。
認知症初期のイメージビデオ?
どうした元気❗️
がんばれ元気‼️
本当に余計なお世話だと思うのですが、そう言いたくなりませんか⁉️
これだけ実績のある川村元気さんなので、奥深さが感じられないのは自分の頭の悪さなのかな(分かる人には分かるのかもしれません)、と思いつつも作品に対してあまり深みが感じられませんでした。
あのCGのバーチャル歌手は、まるで若い頃の原田美枝子さんも実はそれで描いたのですよ、と言ってるみたいで、私には意味不明でした(忘れることについてのなんらかの示唆はあるにしても)。それにせっかく起用していただいた河合優実さんや北村有起哉さんの演技力や魅力も生かされてないのもとても残念でした😤
正直言って監督本人の原作小説についても、あまり面白くも深くもないという個人的な印象があったので、映画でそれを挽回してくれるのかな、と期待していたのですが、
ほとんど同じ印象でした。
夫婦でも親子でも、同じ場所にいたはずの思い出の印象がまったく違うということはいくらでもあるし(もしかして、アレがプロポーズだったの?と夫婦で見解が相違することだってありますよね🤗)、この映画のクライマックスと思われるシーンの菅田将暉さんのセリフももそれほど刺さってきませんでした。
認知症初期の方にとって、世界はこう見えている、という啓発のためのイメージビデオのようでした。
気持ちが悪い
認知症を映像でみせる演出とシーン
お互いがすれ違って
伝えたい時に伝わらない想い
忘れること思い出せないことのつらさと
忘れることが出来ない皮肉
母親に2度忘れられた息子。
個人的には地震のシーンがいやだった
舞台と年代で嫌な予感はしたが
地震はもうみたくない。
人によって感じ方評価は変わるとおもうが
これは良いとか悪いとかそういう作品ではない
みんなぜひみてねって作品でもないし
個人的にもう二度と観ない
けれど
心になにか灯してくれる作品だとはおもう
川村元気監督が
わざわざこの自分の"百花"で初監督したのは
自分でしかこの世界を具現化できないとわかってたんだろうなと……
寂しかったの
間の世代だからか、観た後とてつもなく寂しくなった。母と息子どちらにも共感というよりも感情移入。寂しいけれどこれが現実。映画ほど綺麗で詩的では無いが現実はこういう一部分を感じていくんだろう。
おもちゃ箱をひっくり返したような映画
母のイエローと息子のパープルの服の濃淡で時間の流れを表すという演出、原田美枝子の特殊メイクの質の良さ、菅田将暉の涙の演技は素晴らしい
なのに何故?おもちゃ箱をひっくり返したようななんとも消化不良、中途半端な映画
子供を捨てて男に走った母、息子のことを全く思い出さない
母ではなく女になったのに、阪神大震災のシーンで、急に息子の元に戻る?
阪神大震災のエピソードを入れるなら、不倫して新生活を送る2人が神戸の美しい街並みをデートするシーンを伏線として取り入れて欲しかった
作家が書いた脚本だからか、説明セリフが多かった 映画なんだから映像で表現したら良かっただろうに残念
なかなかの問題作
自らが犯した衝撃的な過去の記憶に生き、さまよい、そして忘れていく母と、その過去に囚われ、戸惑い、そして無意識にも自分を守るために断片化する記憶を通して母を見る息子の物語。
シンプルな手法ながら、過去にあまり累をみない見せ方で「進行するアルツハイマー型認知症を表現」していて、とても初監督作品とは思えないけど、そこはやはり立場こそ違えど、多くの作品に携わり手がけてきた実績、そして自らが原作し、さらに脚色を手掛けた正に「川村元気の作品」だからこその仕上がりと感じます。
そして、主演の二人。まずは、出演作が多いこともあり最近は必ずしも良作とは思えない作品でガッカリすることも儘ある菅田将暉さんですが、今作では「これぞ真骨頂」と思わせる会心の演技で感心させられます。
さらに輪をかけた「凄み」の演技で圧倒する原田美枝子さん。映画が進むにつれ、正直、「直視できなくなるような気持ち」をも感じさせるほどの居た堪れなさで、自分の「親に対する全て」について身につまされる思いでした。
万人、特に若い人にはちょっと解らないと感じる作品かもしれませんが、それを踏まえてこそ「なかなかの問題作(褒めてます)」である気がします。あっぱれ。
うーん
暗くて地味でした。主人公にいまいち共感できず、愛着が湧かないからかあんまり響かない。リアルといえばリアルですが演出もやや間延び気味で個人的には苦手でした。
演技は良かったですよ。豪華すぎてちょっともったいないくらい。
言葉足らずですが…
昔しまい込んだ過去を思い出し
…あの時、親に辛い思いさせられた。
フラッシュバックしてみたり?
親になった自分に
自分自身は忘れてしまったけど、子供に辛い思いをさせてしまった事があるんだろうな。など…
言葉が足りず上手く表現できていません、色々自問自答しました。
観た感想は不完全燃焼というのが本音です。
演技も映像も綺麗で懐かしい役者さんもいましたし…見応えはありました。
本心…涙活で観に行きました。^ ^
泣けませんでした。
共感できませんでした。
残念です。
自分自身が、子供を置いて出ていく生活の経験がないため共感が乏しく菅田さん役の泉が、子供の頃に受けた傷、母との関係を修復したところの説明も不足に思え
それが、修復してないままの本編なんかな?
合ってるかな?
大人になった泉が幸せだから、母を愛せたのかな?
親が1年後?自分の元に帰って来たからと言って、子供は何事もなく母と平和に生活できるものなのかな?
私は許せないな、反抗したい。
しっくりこない。
感動した方申し訳ない。
言葉足らずです。
いま元気な人に、見てほしい
忘れる恐怖と、忘れられないこと
1月に同じ感じで母を、亡くしているので涙は出なかったが、親をかかえているか人は覚悟が必要だとわかる
親も普通の人だと
静かな展開だからこそ、俳優の力量が試される映画
静かで、光量の少ない映画です。ですが、ポイントでぐっとくるものもある映画です。暗さの中に、はっとするシーンがあります。最後のクライマックスは記憶というあやふやなものの本質をついているような感じもあります。
健康な人間はしっかり物事を記憶していると思っているけれど、記憶というのは自分の置かれた状況によって意味合いが様々に変わり、読み替えられていく。認知症を患った母親と、許せない記憶にすがる息子の対比で、記憶に生きるひとの在り様を描いているんだなって思いました。
こういうアクションの少ないカット、カメラワークの静かなカットは、まさに俳優の演技が映画の出来不出来に直結すると思います。その意味では、原田美枝子ってすばらしい女優だなって思いました。最後の施設でピアノを弾いた後に見せる表情。あれは難しい。誰に向かってはっきりどのような感情を出しているのかさえ、わからないというシチュエーションを演じた見事な表情です。
菅田将暉も、涙のシーンはほんとうに感情移入できるし、最後のシーンはさすがにここぞという締めのシーンを演じ切ってます。この二人の俳優の力を感じる映画でした。尚、長澤まさみの妊婦姿みれるのもレアです。
#66 私には良さがわからなかった
母と息子の記憶と互いに対する想いの違いを描いているんだろうけど、私には良さが全然わからなかった。
子供よりも恋を選んだ母を延々と恨んでる息子も、ひたすら誰かに頼って生きてる母親も全然共感できない。
唯一共感できたのは、人は忘れるから生きていけるってこと。
良いことも悪いことも全部覚えてたら頭がパンパンになって新しいことを覚えられないし、何より嫌なこともずーっと覚えてたら気分悪いもんね。
そういう意味じゃAIに生まれなくて良かった。
「記憶」を巡るせっかくの仕掛けが機能していない
劇中、記憶を詰め込みすぎたAIの歌手の失敗によって、「忘れることは人間らしさでもある」ということが語られるが、確かに、人というのは、自分にとってインパクトのあること以外は忘れてしまうものなのだろう。
その点、認知症になった母親が、最後までこだわった「半分の花火」と「一輪挿し」が、彼女にとって最も大切な記憶であったということはよく理解できるし、息子がその理由を知って、自分に対する母の愛に気付くという物語の構造にも納得できる。
しかしながら、そこに持っていくまでの物語の流れには、違和感や不自然さを感じざるを得なかった。
例えば、母の日記から、母が愛人と駆け落ちした状況が明かになるが、そこでは、母の心情が語られないし、一人残してきた息子を心配する気配もない。さらに、阪神大震災が起きなければ、母が息子の元に戻ったかどうかすら分からないのである。そんな神戸のエピソードには、本当に必要だったのかという疑問が残る。
物語の核心とも言うべき「半分の花火」にしても、息子が覚えていなかった(忘れていたのを思い出した)というのは不自然だし、「一輪挿し」に至っては、息子が思い出したのかどうかすら明かでない。
こうした語り口から、母が大切な記憶以外を忘れていく一方で、息子が大切な記憶を思い出していくという仕掛けが、十分に機能しているとは思えなかったのは残念だった。
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