「アクション作品って思わない方が良いです」ドント・ストップ バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
アクション作品って思わない方が良いです
原題は「the shift」
「shift」って位置や方向を変える、別のものに換えるって意味(でいいのかな?)。だとすれば、邦題の何倍もしっくりきますね。ナイスな題名。邦題のドント・ストップは作中の雰囲気を言っているにすぎません。しかし、本作のテーマはそこではなく人間の「SHIFTっぷり」なのですね。
作品として面白いです。僕は、残念ながらヒューマントラスト渋谷さんの「未体験ゾーン〜」企画で良い思い出がないのでそこそこ心配だったのですが、本作は見て正解でした。本作は反テロリズ作品ではありますが、少年の心を弄ぶかのように都合よく利用する大人たちを痛烈に批判する作品であると思います。少年たちがどうSHIFTしていったのか?そして、再び「少年」にSHIFTしていった要因は何だったのか?狂信的な思想を救えるのは・・・なかなかよい結末です。ラストシーンは印象深いものでした。
アクション部分のハラハラドキドキはそこそこテロの悲しい現実を背景とした心情のドラマであり、救急の現場(と言ってもテロが日常にある異常な社会の救急現場)への感謝が描かれています。人を殺めるのは人、人を救うのも人。人間って愚かで素晴らしいよなぁ。
心理描写をも少し丁寧やったり人物の背景を掘り下げたら、もっと重厚で良い作品になるんじゃないかなー?お金かけてリメイクしたら社会派アクション物の良い作品になりそう。面白かった!
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