アキラとあきらのレビュー・感想・評価
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最後まで胸アツな人間ドラマ!
原作は「陸王」「半沢直樹」「下町ロケット」「ノーサイド・ゲーム」などなど、名作ドラマを世に送り出してきた池井戸潤。WOWOWが一度ドラマ化しており、そちらの主演は向井理と斎藤工でした。映画では竹内涼真と横浜流星。個人的にはこちらの方が役柄は合っていたんじゃないかと思います。銀行へと同時入社した同じ名前を持つ2人の男。それぞれ全く違う思いを抱え、ぶつかり合いながらも協力することになる。アツいですね。単なるお仕事映画じゃないです。魂と魂がぶつかって一つになったような物語でした。
多くの人が感じたことがあると思うんですが、主人公の子どものころや過去の回想があると、物語のテンポがグダつきがちなんですよね。今作もそれに当てはまらなかったわけではないですが、決していらないものでもありませんでした。山崎は子どものときに父親の会社が倒産するという苦悩。階堂は子どものときから親族同士のいがみ合いに遭うという苦悩。全く違うように見える2人ですが、そういった意味では同じような境遇にいたのでしょう。山崎も階堂もあの過去があったから大人になってこうして生きているんだなとしみじみ感じました。そして、2人の銀行員としての情熱は、決して消えない炎のようでした。対立する。でも協力する。社会では、こういったことも生きるためには必要です。世の中、自分と似たような考えの人ばかりではありません。だからこそ、お互いに認め合い一緒に戦わなければなりません。ただ興味本位で気軽に見た映画が、ここまで胸を熱くしてくれるとは、アベンジャーズのようなアクション映画とはまた違った興奮や観劇が味わえました。
そして監督は「ぼくは明日、昨日の君とデートする」「思い、思われ、振り、振られ」「アオハライド」などを手掛ける恋愛・青春映画の名手、三木孝浩監督。恋愛でもないテーマの映画でもここまで仕上げてくれたことに感銘を受けました。
しかも主題歌はわれらが群馬県が誇る大スター、back numberです。「ベルベットの詩」めちゃめちゃ心に刺さる応援歌なのでぜひ聴いてほしいです。
視覚的にも存在的にも主演二人の胸板が薄い
2022年劇場鑑賞59本目 良作 62点
池井戸潤原作の映画化3作目
当方七つの会議は凄く好きで、1クールに1回くらいは見直す程好きなのですが、今作は正直世間の高評価ほどの印象は受けませんでした。
池井戸潤は会社やお金の流れについての社会派がテーマな作品が多い中、今作はその要素の厚みが薄いというか
主演の2人を若手にしてウケを良くしたんだろうけど、やっぱりこの方の作品は中年の方の方がどっしりしてるし、説得力ある気がする。(ドラマ版の方がよかった)
横浜流星は相変わらずで、声が良い
多分今の若手で1番声の通りというか、声の演技が上手い
竹内涼真は嫌いなんで割愛
高橋海斗は推されてるけど、ジャニーズの演技派のハードルが年々下がっててこれで吐出してる現場がやばい
江口洋介ももうお偉い役増えてきたけど、まだ少し薄いかな〜
経済モノへの入門編
2人のあきらの好演
池井戸潤の原作なら 誰が演じてもそこそこのいい作品ができると思うのだが竹内涼真の演技は良かった。これは彼の代表作になると思う。
動画配信で映画「アキラとあきら」を見た。
劇場公開日:2022年8月26日
2022年製作/128分/G/日本
配給:東宝
竹内涼真
横浜流星
髙橋海人
上白石萌歌
児嶋一哉
満島真之介
塚地武雅
宇野祥平
奥田瑛二
石丸幹二
ユースケ・サンタマリア
江口洋介
戸田菜穂
野間口徹
杉本哲太
酒井美紀
山寺宏一
津田寛治
徳重聡
動画配信のサイトでは人気がある作品だとは知っていた。
横浜流星という役者を知らないので敬遠していた。
が、原作が池井戸潤と判ったので見ることにした。
竹内涼真の父(杉本哲太)の経営する町工場が倒産した。
銀行の融資が得られなかったせいもある。
竹内涼真は後に銀行マンとなった。
横浜流星は巨大企業の経営者の父(石丸幹二 )を持つ。
家族間のしがらみを避けたいと父の会社には入らないで銀行マンとなった。
その巨大企業の経営が傾いていた。
原因としては経営手腕の乏しさ、
親族間の嫉妬や妬みや恨みもあった。
横浜流星は銀行マンを辞め、
父の残した会社を立て直そうと決意する。
竹内涼真は同期の横浜流星の会社をなんとか支えようと奮闘する。
しかしそこには多くのハードルが待ち受けていた。
塚地武雅の
「人生はいろいろある。
たくさんの困難が待ち受けている。」
というセリフが終盤でジーンと来る。
池井戸潤の原作なら
誰が演じてもそこそこのいい作品ができると思うのだが、
竹内涼真の演技は良かった。
これは彼の代表作になると思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
王道の池井戸映画
宿命に挑むふたり
FODで鑑賞(レンタル)。
原作は未読、連ドラ版は未見。
生まれも境遇もまるで違う同じ名前のふたりが運命的な出会いを果たし、別々の道を歩むも宿命に結びつけられ、力を合わせて大逆転に挑む姿を描いた痛快エンターテインメント。
「神は乗り越えられる試練しか与えない」。信念を貫き、困難に力を合わせて挑戦し、組織や家族のしがらみに立ち向かうふたりの姿がカッコ良く、その絆がアツすぎました。
ふたりの想いが組織を動かし、家族の不和を溶かし、未来への希望が溢れたクライマックスが素晴らしかったです。
[余談]
三木孝浩監督と言えば、少女マンガの実写版などの青春モノを得意とする印象があって、池井戸潤原作の映画を撮ると知った時は監督にとって新しい挑戦だなと思いました。
アキラとあきらの関係性には青春要素みたいな部分が含まれているので、なるほど監督の安定感のある演出が光っていましたが、全体的には没個性の様な印象を抱きました。
監督には、硬派な作風よりも、監督が本来得意としている、淡い光が画面を彩るラブストーリーや青春映画を撮って欲しいな、と…。それがいちばん合っていると思いました。
※修正(2024/05/16)
ドラマ>原作>映画かな、、、
がむしゃらに仕事をした方はハマると思う!
最初は主題歌のbacknumberの「ベルベッドの詩」にどはまりし、
歌詞に魅了され、
この歌はきっと映画によせて作ったんだろうなと思い鑑賞。
大号泣しました。
「晴れの日には傘をわたし、雨の日には傘をとりあげると思われているかもしれない。でも土砂降りのなかを一緒に走りたいと思う銀行員もいるんだ」
というシーン。
理想を掲げて走ってもうまくいかない現実との葛藤。
江口さん演じる不動さんも意地悪そうでとーーーっても実は大事なことを小さな想いの集合体のことをちゃんとわかっている人で感動。
そして最後、階堂家の兄弟と甥の和解のシーン。
特にユースケさん演じる兄が泣くところは、アマプラで何度も見ては、泣きました。
「青臭いなんて青臭い
綺麗事だって言われても
いいんだ
夢見る空は青い方がいい」
ベルベットの詩より
確実性か?温情か?
原作の見せ場を全て潰した作品
やはりWOWOW films ドラマあっての映画
長年のWOWOWドラマのファンであり
「アキラとあきら」も何度も繰り返し視聴
池井戸作品だけでなく、証券、建設、銀行などなど
骨太な、地上波では描けないであろう内容を
映画のような映像で見せてくれる所が本当に好きだ
地上波なら12話で、余計なエピソードも入る
ところを、5話程度で濃厚に作り込んでいる
ドラマのアキラとあきらは、向井理と斎藤工を
W主演とし、周囲の人間関係や家族との関わり
互いの繋がりを描き、心情も掘り下げている
それを何度も見た上での、映画視聴
2時間余りで、どう繋げるのかと半信半疑で
主演2人を眺める映画になるのではと訝っていたが
階堂彬をビジネスライクなキャラとして
山崎瑛を真逆のキャラとして、対立の位置を
作る事で映画としての成立を目指したのだろう
が、彬の非情さは面に出さず、彬が誠実さで
コツコツと積み上げるキャリアを全面に押し出す
事で爽やかに仕上がっていた
けれど、ドラマを見ていたから面白かったと
言える部分は大きい
キャストいいっすね
ドラマのキャストと比べながら見てた
けど、やっぱドラマの勝ち(笑)
向井理の、優しいのにビジネスに対して
決意を持って社長として方針をシフトする辺りは
身震いする
内容が凝縮されてる分、映画の方が泣けたけど
是非ともドラマも見て頂きたい
情と育ちと宿命と
熱血企業小説の名手、池井戸潤作品の映画化。
『半沢直樹』『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』…TVドラマ化/映画化されたこれまでの作品が面白かったので、今回も当初は劇場に観に行こうと思ってたのだが…、
これまでの作品は中堅どころの実力派や演技巧者がメインキャストだったが、竹内涼真と横浜流星のイケメン若手2人。
監督は青春ものやラブストーリーに手腕を振るう三木孝浩。この手のジャンルは初。
勿論各々のこれまでの活躍や実績は評価に値するし、公開後の上々の評判も聞いていたが、どうしてもそれらがネックになって劇場に一歩足が向かなかった。
毎度毎度の事だが、先入観や偏見は良くない。
金融や企業の内幕劇で最初は取っ付き難い。
が、どんどん話の展開の面白さに引き込まれていく。
さすが抜群のエンタメ性の池井戸作品。いつもながら。
当初不安だった二つの要素、監督の特色である瑞々しさ、主演二人の若々しさ、それらが見事に昇華していた。
日本有数のメガバンク“産業中央銀行”。
新人研修で伝説を残した二人の“ホープ”がいた。
一方が粉飾決算を作り、もう一方がそれを見破った。
山崎瑛と階堂彬。
“アキラ”と“あきら”。
同期入行。同じ名前。ライバルとされたが、その後明暗分かれる…。
人を救うバンカーを目指す瑛。理想的で青臭くとも、こだわる理由は過去に。
父親はちっぽけな町工場を経営していたが、倒産。辛い幼少期を過ごす。
銀行そのものを憎んでいたが、ある時力になってくれたバンカーがいた。
そのバンカーや父や働いていた従業員。過去の体験や言葉…。
それらがバンカーになった瑛を決めた。
経営難と娘の手術費に苦しむ担当取引先の為に、奔走。
取引先は潰れるも、瑛の機転で手術は受けられる事に。が、会社の意に反した瑛は左遷させられてしまう…。
老舗海運会社“東海郵船”の御曹司である彬。
現社長の父親から時期社長を期待されるも、ある理由からそれを断り、バンカーに。
情に左右されないクールな性格で実績を上げ、エリートコースまっしぐら。
だが、父親が病に倒れた事から…。
二人の叔父はそれぞれグループの会社を持ち、さらなる事業拡大としてリゾートホテル業に手を伸ばそうとしていたが、兄が病に伏す前から反対されていた。それに抗ってまでホテル業を始めるも、大負債を抱える。その連帯保証に選んだのは…
東海郵船。新社長となった彬の弟、龍馬を騙して。
彬が家業から離れた理由。親族経営の争い、しがらみ。
それらが嫌だった。逃げ出した。
東海郵船は存続の大危機を迎える…。
弟が倒れた事により、彬は銀行を辞め、家業の新社長に就く。
入院していた父も遂に死去。祖父、そして父が守ってきた会社を救う決心をする。
折しも左遷先で結果を出した瑛は、再び本社へ。
出世間違いナシの案件を断り、瑛は東海郵船の案件を担当する。
性格も生まれも正反対。かつてしのぎを削るかと思われたが、別々の道を行ったライバル同士が、数奇な事からタッグを組む。
超難題案件。“ミッション:インポッシブル”。
絶対的ピンチを救えるのか…?
いざ展開が進むと、THE池井戸作品の王道!
粉飾されたリゾートホテルの財務データ。本物の財務データを見ると、膨れに膨れ上がった大赤字。
今すぐこれを何とかしないと東海郵船は沈没。
銀行からの融資など得られる筈が無い。リゾートホテルの売却を考えるが、大負債を抱えた失敗ビジネスなど何処も買う訳も無い。
そこで、東海グループの子会社で優れた特許のある東海商会とセット販売を、大手ビール会社に打診するが…、連帯保証が障害になる。
あの手この手の策を考える。突破口を見つけたと思いきや、再びその道は閉ざされる。
その数々の難局をどうクリアしていくか…?
自身の進退や関わる全員の命運を掛けた大奇策を思い付くが…。
話の面白さは安定。池井戸作品が好きなら今回も見応えあり。熱いエンタメ好きも見て損はナシ。
他の映像化された池井戸作品と違って、若々しさがものを言ったと思う。
竹内涼真と横浜流星の熱演。恋愛ものなんかでイケメンやるより、本作の信念貫く若き男たちの方がずっとずっとカッコいい。
ライバルとして意識し合い、それぞれの苦悩、挑む姿。信頼し、強く確かに育まれていく絆。
中堅どころでも男たちの熱いドラマになるが、若い二人が演じた事で、熱くもフレッシュなドラマになった。
二人の関係はある意味、青春劇のような味あり。
三木監督の起用はこの為だったのかと思えるくらい上手くいった。
本当に竹内と横浜のフレッシュさ、青春もので培われた三木監督の手腕が、池井戸作品に新風を差し込んだ。
そういや竹内も横浜も三木監督と以前組んだ事あり。作品の良し悪しは別として、才能や相性の良さもあったのかもしれない。
若手、ベテラン、実力派、お笑い芸人、声優までものキャスト陣。
上白石萌歌は『七つの会議』の朝倉あき的ポジションのサポート。
ユースケ・サンタマリア&アンジャッシュ児嶋の嫌みな役所。
キャストで特に印象残ったのは、江口洋介。演じたのは瑛の上司役で、いつもの熱血キャラを封印し、“確実性”を重視する冷徹さで、瑛の前に立ち塞がる。憎々しい敵対役に留まらず、確実性を重視する冷徹な理由は、会社の為に尽くしてきた行員たちの積み重ねを守る為。確実性ナシの融資に失敗したら、彼らの血の滲むような努力が無駄になる。この人にもこの人なりの信念がある。池井戸作品常連のアノ人とはまた違う存在感。確実性を納得させ、この上司から承認を得られるかも終盤の見所。
巨額の金が動く金融界。
大企業の運営。
熾烈なビジネス・バトルに於いて、情は弱点なのか…?
弱点になる。が、強みにもなる。
結局ビジネスを動かすのは、人だ。会社に金を貸すのではなく、人に金を貸す。
そこに情があり、人がいるからだ。
だからこそ人は、助け合う。信じ合う。共に闘う。
序盤、瑛の情を重んじる姿勢に苦言を呈していた彬。が、
家業から遠ざかっていたのも、情。戻ったのも、情。終盤叔父二人に土下座したのも、情。
家族を助けたい。親族をまた一つに。
情を信じるのが瑛なら、最も情に厚かったのは彬だったかもしれない。
そんな彬が瑛に言う。
「お前は育ちがいいな」
家柄だったら、普通彬。でもこの場合の意味は、
育ち、経験してきた環境。歩んできたこれまでの人生そのものとも言えるだろう。
彬の情、瑛の育ち、それらがこの苦境を救った。
それは偶然だったのか…?
実は幼少時、一度会っていた二人。その時のキーアイテムがラストで再び。
性格も生まれも正反対。同じ会社に入り、ライバルとして意識し合い…。
いったん別々の道を行くが、奇妙な巡り合わせで再び出会い、共に闘う。絆を深め合う。
ちとベタで出来過ぎでもあるが、ここまでくれば感動がある。
人はそれを、“宿命”と呼ぶ。
やはり面白かった池井戸作品。
次の『シャイロックの子供たち』も楽しみになってきた。
仕事は"人"なのだなと
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