「特に潤わなかった」渇水 ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
特に潤わなかった
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正しい正しくないなのは分かっている。
でも私は潤わなかったし、主人公の乾いた心が潤ったようにも思えなかった、公園のシーン。
万引きはちゃんと店長さんに咎められた方が良い。
その上でネグレクトが公になった方が良い。
全て流して水を流しても、何にもならないよ。
と言うかお母さんが帰宅してないと知った時点で通報してよ大人で、父親なんだからさ…
でも、水は雨を呼ぶ。
あのシーンくらいの水で雨は降らないだろうけど、無意味と言い切ることもできない。
久しぶりの雨は、乾いた大地や皆に等しく降り注いで、あの瞬間の水は、まさに0円。
そして、辛く険しい表情のお姉ちゃんの顔が雨と涙に濡れつつ和らいでいくのを見ると、しょぼいテロにも意味があったのかなと。
妹のために背伸びして無理して無理していたお姉ちゃん、転んだ瞬間「あ、限界きたな」と。
大人にもああいう瞬間ってあって、誤魔化しきれなくなる些細なキッカケで爆発するけど結局何も変わらなくて、また引っ込めて耐えるみたいな。
あのシーンが一番胸にきました。
しかし、せっかく奥さんに会いに行ったのにロクなことも言えずに終わったあのシーンの後、海に行きたいに至るのは何でだ。
色々思うことはあったけど、特に潤わなかったと言いながら、なんやかんや響いている、そんな作品でした。
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