ベルファストのレビュー・感想・評価
全237件中、81~100件目を表示
少年を取り巻く激動の変遷
巨匠ケネスブラナーが道端でサッカー、決闘ごっこで遊び回る少年バディの無邪気目を通して思想、暴力による生まれ育ったベルファストの分断を描いた本作。
なんと言ってもバディの見ていて笑顔になれるような無邪気さに自然と心を動かされた。
バディをはじめとする子供たちの遊びや恋模様に一喜一憂する様子を微笑ましく思うと同時に理不尽に襲う大人達の争いこの対比はあってはならないが無くならないもので現在の世界中の課題にも通じ、考えさせられた。
ケネスブラナーが自身の体験をもとに完成させた本作は今の不安定な世の中にあるからこそ刺さるものがあると感じた。
ケネス・ブラナーのベルファスト讃歌‼︎
ケネス・ブラナー、ベルファスト、そしてヴァン・モリソン‼︎
現在のベルファストのカラー映像にヴァン・モリソンの音楽が重なるオープニング。いきなりのヴァンの音に不意をつかれ落涙。
何と今作は『ヴァン・モリソンの音楽が全編を飾るベルファスト讃歌』だった。全然知らなかった。
ベルファスト出身のケネスとヴァン。世界に羽ばたいた二人だが、幾度となくベルファストに立ち返った。彼らのベルファスト愛が溢れて滴り落ちた。
1969年、激動のベルファストはモノクロ映像。おじいちゃん、おばあちゃん、父さん、母さん、そして兄さんと9歳の少年バディがいた。いい家族だった。ご近所はみな顔なじみだった。
そこを去る者、そこに残る者、彼らは皆ベルファストを愛していた。
思えばケネスと自分は同じ1960年生まれ。『チキ・チキ・バン・バン』を家族揃って映画館で観た世代だ。そんな我々にとってヴァン・モリソンは憧憬だった。同郷のケネスにとっては誇りそのものだろう。
そう、ベルファスト讃歌にヴァンの音楽は欠かせない。
エンドロールの”MUSIC BY VAN MORRISON”というシンプルなクレジットに落涙。今作の選曲は実に王道で真っ当だった。素直に感動した。
㊗️アカデミー賞脚本賞‼︎
2回チャレンジしたけど……
【2022.3.28✩⃛初回観賞】 評価:3.0
【2022.4.4✩⃛2度目観賞】 評価:3.0➡︎3.2
行きました。
アカデミー賞を観たその日に。
予告から気になってて、なにかと話題で、少年バディがめっちゃ可愛くて。
でも疲れてたのかな。結構寝ちゃった💦
評価高いし、寝ちゃったのは勿体ないし、98分ならサクッと再挑戦!と思って翌週リベンジ💪
でもダメだった……
2度目は寝てません。でも良さがわからなかった。
良かったのは会ったことのないアイルランド人のあたしのひいお爺ちゃんの国がどんななのか映像で見られてイメージできたこと✨(モノクロだから余計にぽかった)
それとアイルランド英語はKIWIが使う言葉がちょいちょい出てきたことに驚いた😁
サンダーバード、宇宙大作戦、チキ・チキ・バン・バン
ケネス・ブラナーの4つ下の私、作品内で触れられた上の3つやラクウェル・ウェルチ、アストン・マーチンには少し遅れてだが触れている。そういう意味で個人的には60年代はカラフルな記憶であり、ほぼ全てをモノクロで描くことに違和感。内戦を描くためのモノクロかもしれないが、内容が現代にも通じてしまう部分もあり、モノクロ=過去というイメージに矮小化されるリスクも。関係ないですかね。
舞台の殆どは家から学校の狭い範囲、子供にとっての世界の広さ=生活圏となっているがゆえに尚更(個人的に理解に苦しむ)宗教をベースとした、またそのリーダーが父の出来の悪い同級生であるなど、内戦の理不尽さが際立つ。
母の気持ちも変わらざるを得ない事態が続きロンドンへの移住が決まる。デンチは交換せず。
ちなみにいくら懐柔目的といえどあのクリスマスプレゼントは豪華過ぎ。国際救助隊のユニフォームなんて羨ましすぎる。
父母はかなりの美男美女なれど問題がないわけではなく、暖かくユーモラスな祖父母の存在が家庭内をゆるりと包んでいる。
追記、ベルファストというとタイタニック号の他にはカイとミハルが思い出されます。
ベルファストへの愛
ベルファストへのノスタルジーをしみじみ感じる映画。
アイルランド紛争はカトリックとプロテスタントの宗教戦争,
領土問題だと理解していたが,
当の住民は
宗派は違ってももともと仲良く暮らしていた人も多く
仲良く暮らしていきたいと思っていた人も多かったのだと知った。
政治的経済的な問題にごろつきやギャングが絡み
長い紛争で傷つけたり傷つけられたりしていく中で
複雑な感情を抱く人もいただろうし
故郷を出て行かなければならなかった人もいただろう。
おじいちゃん,おばあちゃんの会話や眼差しがとても良かった。
後で分かったが,おばあちゃんが元Mだったとは・・・。
エンディング曲がアイリッシュミュージックっぽくて
良かった。
東日本大震災の被災者を追体験できる
いやーとても面白かった。東日本大震災の被災者を追体験する映画。
故郷を出るか出ないかを迫られる家族の物語。
例えば、主人公の家族は故郷ベルファストに住み続けようとする。
「私はこの町に住んでいたい。新しい土地で庭付きの家が何だって?ここなら皆が知り合いなのよ。庭よりもっと広くサッカーができるわ」
顔をグシャグシャにしながら熱弁する母親。
他方で、外の圧力と身の危険に耐えかねて引っ越していく隣人たち。そして家族間のトラブル。住み慣れた故郷がだんだん変わっていく・・・。
この映画を観て感じた。
故郷とは「土地」。そして故郷とは「人」である。人が居なくなった故郷は、住み慣れた場所であっても住みやすい場所ではない。隣人が散ってしまえば、もし町並みが元通りになっても以前の町は戻らない。
突然に住み慣れた故郷が一転してしまう。そんな人々の辛さを私はニュースや言葉で分かったつもりだった。この物語を通して自分が理解してなかったことを痛感した。
最高
素晴らしい。素晴らしい。
素晴らしい。素晴らしい。
愛に溢れてた。
途中で、ジュディデンチだと気づいたけど、あんなおばあちゃんも演じられるのか、すごい。
監督の映画愛もすごいね。
ケネスブラナーのファンでいて良かった。
絶対、性格良いだろうし。
セクハラとかするわけがない。
あんな映画作れるし、
あんな幼少期を過ごしているなら。
観終わってから調べたけど、俳優陣がベルファスト出身が多いのにびっくり。
そこにはいつもカルチャーが。
プロテスタントとカトリックの内紛で突如平和だったベルファストが一変。英で働く父に家族全員でついて行くかとどまるかの選択を迫られる一家の話。
全編ほとんど白黒で内紛の混乱や家族内での父と母のギスギスした雰囲気など不穏な空気はあるものの、劇中流れる音楽がケネス・ブラナーのアイルランド(ベルファスト)への愛情や自分の幼い頃の郷愁を感じてめちゃくちゃ温かい気持ちになる。
音楽に加えて、何度か見に行く映画や常に流れるテレビやラジオがこの映画を彩るように、劇中での映画や音楽などの立ち位置が、有事には下に見られがちなカルチャーの重要さを教えてくれる。コロナ禍でもそうであったようにカルチャーは生きていくために必要ないという風潮もあるけど、バティ見ててそんなこと言えるのか?
そして、愛する故郷を離れざるを得なかった人達の話で、これが今のウクライナの人達と被る。本当に移民の人って来たくて来てるわけじゃないのは分かってたけど、ベルファストを出ると伝えた時のバディの行きたくないという叫び、お母さんの切実なベルファストへの思いを聞くとより実感する。今後日本にもウクライナから逃げてきた人が徐々に入ってくるだろうけど、これを忘れないようにしないとな。
あとは、白黒だし終盤家族が抱き合う様子がめちゃくちゃ『ローマ』と被るなと思って撮影監督とか調べたけど全然違う人だった(笑)
眠かった。。。
上映時間よりかなり長く感じた。ハマらなかった。眠かった。
なぜだろう?主題がはっきりわからないまま進んだので何を見せられているのか?という気分になった。必ずしもベルファストでなくてもいい内容だが、ベルファストだから起こった物語を期待していたのかも知れない。
面白かった点としては、カラーと白黒の使い分け。なぜ使い分けたのか?よくわからないとこはあるが手法としては面白かった。
あと、歌がたくさん使われたのはその雰囲気を上手く表す表現として効果があったと思った。葬儀のあとのパーティーって良い文化だな。
本筋以外で面白い点はあったが、本筋がハマらないのではどうにも。。。
母は強し!
アカデミー賞きっかけで観たけど、歴史ものはちょっと苦手で事前にみなさんのレビューで予習して臨みましたwww。
でも、いい意味でイメージと違ってたなぁ。
1969年て、別にそこまで昔じゃなくて、ノスタルジーに浸れる距離感だけど、あんな風に暴れん坊がちょいちょい街を破壊しちゃうのが、当時のベルファストなんだね。
日本では宗教の対立とか言葉が通じない差別とかなかったし、街で暴動が起きるようなこともなかったからやっぱり平和だったんだな。
でも、家族の暖かさとか、子どもたちのあどけなさは万国共通で、そこにホッコリできた。いやぁ、バディくん、めっちゃ可愛かったなぁ。子役特有のあざとさやわざとらしさのかけらもなくw、本当の家族のようだった。
で、美男美女の夫婦がしっかり子供に正しいことを伝えている、という当たり前が、いかに尊く美しいものだということを教えてくれる作品でした。
個人的には通っていた高校が仏教系、最初の大学がカトリックだったので、宗教の授業がちゃんとあったw。でも、宗教なんて言いたいことはざっくり一緒だったりするwww
なんで宗教信じてるのに、赦せないことがあるんだろう?私は何教を信じているわけじゃないけど、表面的でも宗教を学んだからこそ、ストレスを吐き出すことができている。どんなにシンドイ環境でも鬱にならずに済んでいるのは、やっぱり何か大きな力に守られているご加護を信じてるからだろうなと思ってる。
息子たちを守るために必死の形相で叫び、走る母の姿にも、神々しい力が宿っていたなぁ。神様はどこにでもいますよ。
あんなふうに自分も守られてきたんだなぁと、両親に心から感謝できた、美しい作品でした。
予告の雰囲気に引き込まれて
小さな地区の休日で音楽やダンスを楽しむシーンやEverlasting loveが印象深いダンスホールシーン、それだけでこの夫婦の深い深い繋がりと愛の信用性を感じた。
北アイルランド問題を詳しく知っていたらもっと前のめりになれたかもしれないが、いずれにしても、侵略と宗教問題を知らないではいられないと思う今日この頃に観るべき作品だった。
コミュニティと正義
うん良かった。「ナイル〜」は今ひとつ乗り切れなかったので多少の不安はあったが、丁寧に思い出を探るような作品でした。「北アイルランド問題」は色々な事が絡み合ってるので、コレはあくまでも一つの側面として捉えた方が良いですが、導入としてはとても入りやすいと思います。
そんな世界の中での「おじいちゃん」が最高に好きでした。父ちゃんが昭和のクソ親父に墜落しなかったのはこの遺伝子のお陰かなぁ、なんて感じましたね(笑)。
環境に優しい作品?
全体的にはモノクロ作品なのに、現代のベルファストや映画がカラーになっている珍しさ。ウキウキしている少年バディの目の輝きはカラーフィルムからの反射を受け、楽しそうな心が反映されているかのようでした。
その映画が『恐竜100万年』や『チキ・チキ・バン・バン』。なんということか、自分も幼い頃に映画館で観た作品。思わず懐かしくて涙が出そうになった。ラクエル・ウェルチのエロティックボディは教育的にもいいんだよね。それにスタートレックのテーマ曲が流れるし、マイティーソーのコミックやアガサ・クリスティの小説が出てきたりで、ブラナーが監督として撮っている映画まで・・・クスクスと笑ってしまいましたよ。それより、「環境に優しいから」という台詞には爆笑モノでしたが・・・
突如襲ってきたプロテスタントの武装集団。カトリック教徒を追い出そうという目的だったようですが、実はバディ君の一家はプロテスタント。これがカトリック側だともっと悲惨な作品になりかねませんでしたが、違う意味で父親の苦悩、それに暴徒に加わらないよう教育するママが困っていた様子が描かれます。
興味深いのは名前によってプロテスタントかカトリックか分かるといった会話。ショーンやパトリックはカトリック、ビリーはプロテスタントといった感じで、トマスだけが宙ぶらりん。まぁ、ともかく宗派の違いだけでここまで争いが起こるなんて、無宗教の私には理解が及びません。算数の答えの曖昧さテクニックだけは理解できましたけど。
人間そのものを愛したりすれば、たとえ宗教が違っても和解できる。世界中がそうした分断に愛を持って応えればいいんだね・・・などと軽く言ってしまえばそれまでですが、ロシアとウクライナの関係をみると、そんな単純なものじゃないと愕然としてしまいます。本来なら、イギリスそのものだって労働者階級などと階級差別が根底にあるし、完全なヒエラルキーが存在している国だ。医療制度だけは素晴らしいものの失業率は高水準で推移しているし、暴動やテロがいつ起こってもおかしくない、住みたくない国の一つ。
そんな紛争の中心に暮らしていたケネス・ブラナーが少年時代を回顧して、素晴らしい作品を創った。今後の彼の作品もこれを踏まえて鑑賞すると今までにない評価が出来そうです。
「BELFAST」「ベルファスト」かつて、イングランドに侵略され植...
「BELFAST」「ベルファスト」かつて、イングランドに侵略され植民地化された、英国を構成する4つの国の一つ、北アイルランド。プロテスタントの支配者イングランドと、カソリックでケルトなアイルランド人が混雑して生活している、北アイルランドの都市「ベルファスト」を舞台にした家族の物語。
北アイルランドのカソリックとプロテシタントの血を血で洗う抗争・・。
かつて、IRAなんていう過激な集団がメディアを賑わした時もありましたが・・。そんな時代、その真っ只中で少年時代を過ごしたケネス・ブラナーのお話。
カソリックでケルト民族のアイルランド人と、プロテスタントでアングロサクソンなイングランド人との間の、長い対立の歴史を踏まえてないとすんなりと物語に入れないかもね・・。
ちなみに、スコットランドはグラスゴーがホームの2つのサッカーチーム、俊輔のセルティックスはケルトでカソリックのサポーターが多く、もう一方のレンジャーズはプロテスタントが多かったりする。だから、このダービーは盛り上がる。
劇中、多分、ケネス・ブラナーが映画の世界への目指すきっかけになったと思われる懐かしの映画が映し出されるのですが、ジョン・フォード監督の「リバティーバランスを射った男」フレッド・ジンネマン監督の「真昼の決闘 (ハイヌーン)」、「チキチキ・バンバン」♪
個人的には、フレッド。ジンネマンの「真昼の決闘」は大好きな映画で、初々しい、グレース・ケリーが出てるのです。
フレッド・ジンネマンはオーストリアのユダヤ人で、ナチの侵攻によって周囲の親しかったはずの人達が簡単に手のひらを返し、迫害された辛い経験をしていて、その時の経験が「真昼の決闘」を創らせました。リアルな時間の流れをそのまま映画の時間にしていて、名作です。音楽も。
脱線しました。
カソリックの初恋の相手と将来結婚できるかと心配する、少年ケネス・ブラナー、プロテスタントのバディ君に、お父さんが「できるさ、相手が、パプチストでも、ブゥドゥーでも○○○でも、フェアで優しくお互いに尊敬し会えるなら」 少なくても 北アイルランドの今は、フェアで優しく尊敬しあえる社会を築いたようです。世界が全てそうなればいいなぁ♪
家族で描く北アイルランド紛争
名優ケネス・ブラナー自身の幼少期の体験を自身と家族の視点でみずみずしく描いた心に沁みる作品、全編に流れるバン・モリソンの音楽も素晴らしかった
北アイルランド紛争は単なる宗派対立でないことはアイルランドの歴史を少しでも調べれば見えてくる、凄まじい痛みと悲しみに塗れた歴史なのは周知のことです
その根は数世紀にまたがる植民地時代、英国統治時代に遡り数多くの文学や映画で様々な角度から描かれてきました
私はCWニコルさんの何冊かの著作を愛読したことをきっかけにその歴史に触れることになりました
この作品の優れた点を一つあげよと問われたら、そうした歴史的説明を一切省き、敢えて多くを語らなかったことに尽きると思います
素晴らしいホームドラマ
素晴らしいホームドラマ。夫婦とか家族って尊いなあ。デートというより夫婦向き。この映画一緒に観たら最初からやり直せそう俺はもう遅いけど。結婚相手選びは本当に大切。
ただ、さまざまなトーンのモノクロ画面が美しい映画ではあるんだけど、映画の中の街並みはお洒落で楽しそうだしママもパパもモデルみたく綺麗すぎて、貧乏だったり寂れた感じがあまりしないのは映画としてどうなのよと疑問に思ったりはした。
全237件中、81~100件目を表示