「前提知識(北アイルランドの問題)がないとわかりづらいかな…。」ベルファスト yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
前提知識(北アイルランドの問題)がないとわかりづらいかな…。
今年78本目(合計351本目/今月(2022年3月度)20本目)。
場所を移動してこちらに。tohoシネマズ梅田でのみ先行上映されていたようです(ほか、試写会で当たった方なのかな?)
お話「それ自体」はケネス・ブラナー氏の「自伝的内容」になるので、どこまで取るかは難しいです。ただ、趣旨として、ベルファストがあった北アイルランドで起きた色々な問題点(イギリスとの対立、暴動など)が起きたのはこれもまた事実です。よって「実話にほぼ沿う、実話ものベース」という扱いになるのでしょう。
実際、事前に調べていかないとわかりづらい点がかなり多いです。17世紀ごろの戦争は実際に「プロテスタントかカトリックか」でモメた戦争もありましたが(三十年戦争/映画「シラノ」はこちら)、20世紀、それも今から60~70年くらい前で、まさか「カトリックかプロテスタントか」でモメる地域があるのか…というとあります。ここ(北アイルランド)です。この問題はそもそも「北アイルランド地方の歴史」から触れなければならず、それを書くと優に5000文字超えるので書きようがない状況です。「北アイルランド 歴史」で調べて見に行くだけでもだいぶ違う印象です。
映画そのものが、試写会以外では私が見られたように一部の映画館が先行上映しているだけのようで、あれこれ書くとネタバレになってしまうので、ばっさり切ります。
ただ、下記の点は気になりました。
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(減点0.1) この映画は、他の試写会で見られた方も書かれていますが、大半モノクロ映画です(あえてそういう描写にすることで、「自伝的内容」ということを明確にしたかった)。このため、そのモノクロと、字幕とが重なって、事実上字幕が見えないところがいくつかあります(字幕自体が見えないケースや、字幕にふられたルビなどが見えないケース等)。
また、アイルランド英語は理解がそこそこ難しいので(無理ではないが…というレベル)、字幕なしだと英語力が試されますが(それ以前に、イギリス英語→アイルランド英語という流れはあるので、イギリス英語を理解しているのが前提で、その方言としてアイルランド英語があります)、この聞き取りは結構きついです。上記のように、プロテスタントとカトリックの対立ということを扱った映画であるため、出る語彙がマニアなら話し方のアクセント・ピッチもかなり独特なので、聞き取りがかなり苦労します(英検準1で7割は聞き取れますが、本映画だと5割くらいに落ちる)。
この「字幕が見にくいのでは」という点はどうしてもあげざるを得ないと思います。
※ ほか、映画のストーリー的には余り関係しない「今週の競馬で何とかの馬の単複を買った」という「単複を買う」も、この字幕の読みづらさも入って「なぜ突如、競馬(ギャンブルのほう)をするんだろう…」という部分など、「わかりにくさを増幅させる要素」が強いです。
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