「愛能う限り娘を愛しなさい。」母性 こけさんの映画レビュー(感想・評価)
愛能う限り娘を愛しなさい。
物語は、母親視点、娘視点の二つの視点から描かれる。
「母性」とはなんだろうか?ある辞書には「本能的に女性に備わっているものではなく,一つの文化的・社会的特性。」と記述があり、もう一方の辞書には「女性に備わっている、子供を生み育てる資質。」と記述があった。私自身も母親からは無条件に愛を注がれ、それが当たり前の様に育った。辞書からも異なる記述があるように、この異なった記述こそが母親と娘の食い違いを加速させていく。
ルミ子は母親から無条件の愛を最大限に注がれ育った。しかし、その無条件の愛こそがルミ子が娘よりも母親に依存してしまう原因を作ってしまった。娘を愛せない母親、母親に愛されたい娘、この言葉を書くだけでも悲しくなってくる。
映画は見る人によって感想が変わるが、この映画はそれが顕著に現れると感じた。私は娘を愛さない母親に心底憎しみを感じた。劇中の最後で娘を愛する感情、「母性」が目覚めたような雰囲気になっていたがいつもの様な単調で淡白な言い方で私にはまだ母親の依存から解かれていないと感じた。
「母性」を感じることで子供は自分の存在価値を見出すと心理学論文に記述があった。劇中の女子高生自殺、娘の自殺未遂は自分の存在価値を母親から認識して欲しかったのだろう。
母親視点の感情、娘視点の感情、この二つの気持ちに一つずつ寄り添ってもう一回観賞したいと思った。
コメントする