「監督さんと自分の相性が悪かったのだと思っておこう」母性 BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)
監督さんと自分の相性が悪かったのだと思っておこう
原作既読です。原作の二代にわたる母と娘の関係性の気持ち悪さが、役者さんと構成力の不調和という気持ち悪さに昇華されており、何ともいえない気持ちのまま途中でリタイアしてしまいました。
映画を観て気持ち悪くなった経験は過去初めてのことでしたので、何がいけなかったのかをこれから分析したいと思います。
①キャスト
まず戸田恵梨香氏ですね。なぜ彼女にしたのか。
原作の『母』はどちらかと言えば一見して内向的な人物で、ただし気持ち悪いくらい自分の母親への執着心が強いという、見た目は普通だが中身は狂気な人と思っておりました。
この時点で申し訳ございませんが、戸田氏のイメージとは合わなかった。あくまで個人観ですが。
もちろん戸田さんが嫌いというわけではないです。この作品の狂気を引き立たせる役柄としては、もっと他の方で適任の方がいたのでは、という観点です。
なお、戸田さんも含めてですが、唯一高畑淳子さんを除いて正直学芸会並みの演技です。恐らくわざとそうしたのでしょうが、ちょっと見ていられないレベルでした。
②構成
原作も母→娘→母と推移することで、この2人の観点のズレがうまく表現されています。
これは仕方のないことかもですが、文章で読むとその対比がよくわかるんですよね。『母』にとっては認識していないちょっとした行動が、実は『娘』を深く傷付けることだった、というように。
それが映像化されることによって、かなり対比がわかりにくくなっていました。この作品のキモはこの対比にあると思うので、その対比をうまく表現出来てないところで原作の面白さが半減しているかと。
③出てくるご飯がまずそう
と言うかその料理にそれは合わんだろ。
④日本の農村の風景とヨーロピアンな家屋
まあこれもわざとでしょうが…不調和にも程がある…。
ダメな点を挙げれば本当にキリがないです。
そして終わった後で気付いたのですが、この作品の監督。私が今年度ワーストだと思っていたノイズと同じ監督さんでした。
なので分析結果、導き出された回答は一つしかありませんでした。
廣木監督と自分はとことん相性が悪いらしい。