「「母性」だけの問題ではない気も。」母性 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
「母性」だけの問題ではない気も。
今年340本目(合計615本目/今月(2022年11月度)27本目)。
映画の予告編などからで展開が読めるのは3割くらいで7割はどうやっても展開がわからないというところに飛びます。ただ、ジャンルだましという筋ではないので大丈夫です。
結局、映画の中では「母親の子(=娘。映画内では女性しかでないため)にこめた思い」ということばかりが意識されますが、何らの利害関係のない人どうしであっても、「あの人、ああしてもらえるとうれしいな…」というときって感じたことありませんか?それも「超広義」にとれば母性だとも言えます(きわめて広範囲にとった話)。
この映画に出てくる登場人物はみんながみんな(映画のタイトル名の関係から、大半女性です)何かを抱え込んでいて…そしてそれを救っていって…というように成り立っています。つまり、タイトルは「母性」ではあるものの、「人を思いやる気持ちそれ自体」というより普遍的なことが当然上位に来ます。
この「人を思いやる気持ち」はあっても、「相手立場ではそんなものはいらないし、実はこっちの色のほうがよかった」とかと言われるかもしれません。コミュニケーションって「修正による連続の繰り返し」です。何らの言い争いも発生しないコミュニケーションのほうがむしろいやな気がします。
採点に関しては、法律的な観点からどうかな…と思った点はあるものの(あのような状況なら、通常は要支援・介護認定がどうとかという話になる)、この映画は「家族の中」だけでものを収めたいようで、それは趣旨上理解できる以上、そこは減点なしにしました。
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(参考:ストーリーの理解について)
・ 結婚しても離婚しても、その(元)祖母の家に住まなきゃいけないという民法上のルールは存在しません(住みたいなら住んでもいい、程度の扱い)。特にこの映画「言っていることがそれぞれちょっとずつ変」な面があり、この家さっさと出てどこか探したほうがよかった気が…とはいえ、それすると映画が成り立ちませんし。
・ 「大きな文字で書いてもらうために(お寺に)300万円くらい寄付する」
→ これ自体は自由な行為(寄付行為)ですが、民法上の詐害行為取消権を満たす場合、取り消すことも可能です(条件あり)。寄付行為は「財産権を目的とした行為」だからです。
ただ、詐害行為取消権は裁判上行使する必要がある(対して、債権者代位権は必ずしも裁判上行使することを要しない)上、「財産権を目的とした行為」であるとはいえ、「寄付行為」という宗教性の強いものについて詐害行為取消権で争うのは、ちょっと今の民事訴訟が想定する範囲を超えているかな、と思います。
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