劇場公開日 2022年11月23日

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「誰かの娘で居続けたい母親に共感できるかどうかで映画の見方も変わってくる」母性 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0誰かの娘で居続けたい母親に共感できるかどうかで映画の見方も変わってくる

2022年11月23日
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事件の真相を巡る証言が食い違う「羅生門」のような話なのかと思っていたら、そのようなシーンは2か所だけ。
しかも、それは、裁判等での証言ではなく、母と娘のそれぞれの回想として描かれていて、その食い違いを知ることができるのは、観客だけということになる。
ただし、母と娘の考え方や感じ方の違いは、それ以外のエピソードでも散々説明されているので、そのような「主観の食い違い」を示すようなシーンを、あえて用意する必要はなかったのではないかとも思われる。
そもそも、話そのものが、事件の真相を解明するようなミステリーにはなっておらず、決してつまらなくはないのだが、かといって引き込まれるような展開もない。
いずれにしても、この映画に共感できるかどうかは、「母性はもって生まれたものではなく、学習によって育まれる」とか、「自分が母親になっても、誰かの娘で居続けたいと願う女性がいる」といった考え方に同意できるかどうかにかかっているだろう。
その点、自分としては、そういった考え方がまったく腑に落ちず、したがって、映画を楽しむこともできなかった。

tomato