凪の島のレビュー・感想・評価
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【父のアルコール依存で心が傷ついた少女が瀬戸内の小さな島で見た様々な家族の姿と、少女の心の再生を描く”スール・キートス“制作映画らしい優しさに満ちた作品。】
ー 久方ぶりの”スール・キートス“制作映画である。フライヤーだけ持っていたが、公開当時上映館が少なく、あっと言う間に公開が終了してしまったために、見逃していた作品である。-
■両親が離婚し、母・真央(加藤ローサ)の故郷である山口県の瀬戸内にある小さな島で母と祖母・佳子(木野花)と島の診療所で暮らすことになった小学4年生の凪(新津ちせ)。
いつもは明るく振る舞う凪だが、都会で暮らしていた時に母へ暴力を振るうアルコール依存症の父(徳井義実)の姿が目に焼きつき、その光景を想起させる光景を見ると過呼吸になってしまう。
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
1.学校の用務員のオジサン、笑らじい(嶋田久作)が笑わなくなった理由。
2.凪と凪の同級生の雷太が雷太のお爺さん(室積光)に会う事を禁じられているお母さんに会いに行くシーン。そして、お母さんが夫が浮気していた事で、解離性健忘に罹っていて、小さな雷太に暴力を振るっていた事。
3.学校の瑞樹先生(島崎遥香)と、吃音の漁師浩平(結木滉星)との恋と結婚。
4.アルコール依存から脱却しようとする父(徳井義実)との再会と、和解。
などのエピソードが淡々と綴られる。
<だが、凪はそんな中、優しい島の人達や、美しい海や島の風景に癒されて、徐々に心の痛みを癒して行くのである。
物語の展開は、やや一本調子だが”スール・キートス“制作映画らしい、優しさに満ちた作品である。>
全年齢向けの楽しいエンタメムービー
明るく色とりどりの映像が綺麗で、ヒーリングミュージックのようなBGMやエンディングソングも美しくて、爽やかな作品でした。
山口県の方言が好きだし、ぱるること島崎遥香さんが演じた先生も素敵だし、主人公の凪役他、子役たちの演技も良かったです。
今作は、全年齢向けの楽しくて感動できるエンターテイメントに徹した映画です。
ツッコミどころ多めでしたが、フィクションなんじゃけえ、これでええんじゃ。
現代の日本では少なくなったかも
主人公は小学4年の女の子、両親が離婚、母の故郷である瀬戸内の島に引っ越してくる。
島ではみんなが知り合いで、何でも知られているのはしょうがない。
生徒が数人しかいない小学校で、友だちは二人の男の子で楽しくしているようだったが・・・。
海の中のほうが好き、っていうのは・・・。
ティーンズに向けたメッセージ
この作品はティーンズに向けたメッセージ
わかりやすさがあるし、いじめや虐待などの要素がない。
また、教育的視点ではなく、誰もが持つ「心の傷」に焦点を当て、寄り添う作品となっている。
小さな島
小さな世界
逃げ場所
海以外何もない場所
母と主人公原田凪が都会から移り住んだ場所
夫のアルコール依存症と暴力
凪にとって日課のようになっている早朝海に潜ることは、彼女にとっての瞑想
自分自身を整えるために必要な所作
今日一日を恐怖に支配されることなく過ごす手段
登場人物の多くが「心に傷」を持ちながら生きている。
コウヘイの吃音は過去の出来事の傷跡
吃音がある劣等感はあっても、自分の心に正直に生きている。
コウヘイを好きなったミズキ先生も、教師故に心が傷つくということを良く知っているのだろう。
ライタはなぜ入院している母と会えないのか、何度も祖父に尋ねるが、いつも返事は「母ちゃんのことは忘れろ」と言われる。
ライタの母の病院は精神病院で、病名は解離性健忘症
辛い過去を思い出したくないという強い思考によって過去を封印することで10年間分の記憶がない。
幼いライタの大きな「心の傷」に、胸が締め付けられる。
凪も、コウヘイも、山村もそして凪の父もまた、深い「心の傷」を抱えながら生きている。
世の中の多くの人もまた、「心の傷」を抱えながら生きている。
笑わないジジイ 通称笑ジイは、娘を病気で亡くした過去がある。
それ以来笑うことがなくなった。
笑ジイを面白がる子供たちに悪気はない。ただ笑わせたい。
しかしどうしたらそうなるのか? 笑ジイの誕生日に多くの人が集まって誕生パーティを開く。笑ジイが泣き崩れ、笑った。
小さな島
小さな世界の住人たちのお互いに思いやる心
この作品の中に「いじめや敵役」は存在しない。
問題のすべてが誰かの「心の傷」にある。
自分自身に向き合えないことが、苦しみの原因だと。
笑ジイは30年かけてようやく自分自身に向き合うことができるようになった。
過去の出来事は、人を何十年も苦しませ続ける。
ライタの祖父はいつもライタに「勉強しろ」とうるさい。
ほとんどのティーンズも親からそう言われ続けてきただろう。
でもライタは母と会い、母のことを知り、祖父からその意味を教えられたとき、境遇に対する不満が生きる原動力に変わったのだろう。
凪という名前も波風と正反対の言葉だ。
不安や恐れや過去の出来事のことで心を揺さぶられてはならない。
凪の父の謝罪と母の赦し。
すべての問題は、「私の心の中」で起きている。
それに向き合うことが解決の糸口。
この作品はそう言いたいのだろう。
なかなかうまくまとめられていて面白かった。
荒海もいずれ凪るのですね、瀬戸は日暮れて~♪、夕波、小波~♪
子供が主人公で瀬戸内海の孤島のお話だろう、子供が辛そうな目にあったら嫌だなと半ば警戒心を持ちながら観始めました。最初のあたりは不気味な嶋田久作さんが出てくるし凪はDVの父親のトラウマを抱えて過呼吸症、やっぱりかと思いましたが、出てくる人はそれなりに悩みを抱えているものの基本、善人ばかりなので段々馴染んでいけました。
負うた子に教わるではありませんが、凪の父が医者のくせに優柔不断、凪は見事に背中を押していましたね、おばあちゃんは島で唯一のお医者さん、まさにドクター・コトーですね、結婚式で花嫁の学校の先生が「瀬戸の花嫁」を歌いだしたのには爆笑、ここまでべたな仕掛けが出来る長澤雅彦監督に脱帽です。
長澤監督は秋田出身ですが映画製作の傍ら2010年から山口の徳山大学(現・周南公立大学)経済学部教授に着任と二刀流、監督は舞台になった笠戸島で廃校になった学校のグランドを借りて野外映画祭を開いたそうで、その時になにかスピリチュアルなものを感じ、いつか島の映画を撮りたいなと思ったそうです。その後、東京の上映会に来られていた山口のケーブルテレビKビジョンの社長から25周年記念映画製作の依頼があって快諾、奮起したそうです。
長澤さんは以前、岩井俊二監督と仕事をし影響をうけたようですね、そういえばどこか岩井さん風の撮り方、映像美を感じました。風光明媚な舞台といい、子役を含め役者さんたちの演技、演出も素晴らしい、べたとは言いながらハッピーエンドのストーリー、まさにご当地映画のお手本のような感動作でした。ただ、トム・クルーズじゃあるまいにスタントなしで子供を海に飛び込ませるシーンは必要だったのでしょうかね・・・。
『子役って性格がちょっと』ってよく言いますよね。 まぁ、本当のパパ...
『子役って性格がちょっと』ってよく言いますよね。
まぁ、本当のパパはアルコホール依存症じゃない偉大な作家だからね。その実の娘さんゆえ鼻が高いことでしょう。だから、さぞや!と想像が付きますね。
忖度しているなぁって分かるようなお話でした。
しかし、日本はなぜ閉鎖社会へ戻ろうとするんでしょうかね。本当は代々木の廃墟ビルに戻るくせにね。
最後の歌聴いて、あの同じ瀬戸内海を舞台にした『この世界の片隅に』を思い出し、凪と言う名前から『桜の国 夕凪の街』を思い出しました。
どこかにウケ狙いあるね。
瀬戸内海じゃなくて、新しい海で表現しないと『ちせつ』ダネ。
お後がよろしいようで。
美しすぎる島
島というのは日本という島国の縮図のようにも思えます。島だから海があって、海を舞台にした子供たちの交流というと、昔読んだ灰谷健次郎さんの小説「海に涙はいらない」を思い出します。このすばらしい児童文学にも都会からきた少女と地元の男子との交流が描かれていて、強烈に感動した記憶があります。それは鎖国をしていた日本に外国の黒船がやってきて、いざこざが起きながら新しい未来が拓けていくという誰もが知っている史実を無意識に想起するせいかもしれません。大人の都合に巻き込まれる子供という設定がドラマチックではありますが、ちょっと定型的な印象ではありました。とにかく島の風景が美しかったですね!
プレバトに映画部門があるなら間違いなく凡人
初鑑賞
監督は『13階段』『夜のピクニック』の長澤雅彦
今回は脚本も
ロケ地は笠戸島
離島のヒューマンドラマ
のんびりとした平和な日常
冒頭からのほのぼのとした雰囲気でこのまま映画作品として2時間近くはしんどそうな感じはしたことは事実
雷太が凪と一緒に入院している母親に会いに柳井まで行くところから話は動き出す
瑞樹と釣りデートの最中に2人のセッティングをしてもらった雷太に頼まれ本土まで送っていくことに
教師として心配で2人を尾行する瑞樹と同行する浩平
結局毒にも薬にもならない凡作
なぜか浩平と瑞樹は島に帰ってきたら急速に惹かれ合う仲に
ついには島で30年ぶりの結婚
これも所謂吊り橋効果の一種だろうか
ただしイケメンに限るという意見もあるが『幸福の黄色いハンカチ』の武田鉄矢はイケメンじゃないからそこんところはよくわからない
結婚式では用務員がクリスチャンでもないのに神父役をかってでる
2人のキスシーンあり
脚本はいまいちでテンポは悪く眠くなりそう
エキストラのおばちゃんたちは下手でも仕方がないが子供同士のやり取りが空々しく感じてしまうのは演出が悪いから
時折入ってくるBGMは韓国の連ドラみたいで安っぽく邪魔くさい
子役が主演なのだから脇を固める大人の俳優はもっと実力のある人を起用してほしかった
ローサにぱるるに徳井って特に悪くはないけど良くもない
その点でいうと木野花はやっぱりうまい
元AKBだが踊りが苦手という設定
本当は踊れる人が演技で下手に踊りそれを自然にやるっていうのはとても大変なことらしい
日本舞踊の先生でもあった東千代之介も生前証言していたのだからそうなのだろう
だからその点はおおめに見てほしい
歌は元々あんなもんだろう
浩平は吃音だがその設定は必要だったかな
雷太の母の入院理由もなんというかねちょっと微妙
あと新津ちせって若干しゃくれていることに今回気づいた
まっほんのちょっとだし全然悪くはないけどそれも彼女の味
なぜ最後の方で海に飛び込んだのか知らないけど色々な意味で暑かったのかもしれない
配役
東京から山口県下松市の小さな島に転校してきた小学四年生の原田凪に新津ちせ
凪が通う小学校の担任の河野瑞樹に島崎遥香
吃音の島の漁師の守屋浩平に結木滉星
離婚後娘を連れて故郷の島に戻り本土で看護師をしている凪の母親の原田真央に加藤ローサ
凪の父親の島尾純也に徳井義実
島の漁師で雷太の祖父の岩本岩男に室積光
島の漁師で礼服でもタオルで鉢巻欠かせない武居幸司に元木行哉
凪の学校の同級生で小太りの岩本雷太に佐藤蒼希
凪の学校の同級生でメガネの山内健吾に角忠聖
心の病で入院中の雷太の母に太田知咲
雷太の母が入院している病院の院長先生に翁華栄
凪が通う小学校の用務員の山村徳男に嶋田久作
凪の祖母で真央の母にあたる島の医師の原田佳子に木野花
意外なキャスティング
ちせちゃんがメインの映画なんでしょう、とても良かったです。
わたくし、地方が舞台で、ストーリー性が強くなくて、嫌な奴が出て来ない映画が大好きなんです。これで主人公が適齢の女優さんなら言うことなしだったんですけど。
ちせちゃんを囲むみなさんの配役が、何かちょっとひねってあって楽しかったです。ぱるるさん、加藤ローサさん、徳井さん、そして木野花さん。メジャー作品とか拡大公開とか、そんなキーワードが絡めばまたいつものお馴染み様みたいな方々になったんではないでしょうか?
楽しめました。
特別な人々?
市井のありがちな人々の設定ではなく、ある種、特別な生活手段が補償されている主人公一家の物語で、生活にも悲壮感がなく、まあ、島の人々にちやほやされるよね…と感じてしまい、共感はなかったかなぁ…。
ちやほやされる一家が最後に全て手に入れてしまう話もなんだかなぁ…とも思った。
一方で、夕日のきれいさや、島ならではの人間関係は、そうして特別ではない人々に対しても、癒やしをもたらすのかも知れないと思った。
正直、悪くはなかったけど、取り立てて…って感じ?
瀬戸の花嫁は海にダイブする。
山口県下松市の笠戸島、その最深部の深浦地区、そこへは往復約30kmなので、かれこれ80回以上はロードバイクで駆けている。島、特有のアップダウンがあり、瀬戸内海国立公園は何度脚を運んでも飽きない素晴らしいロードだ。途中には造船所があり、夕日岬のはなぐり門が彩りを添える。
この映画はある種のふるさとPRムービー、実際には笠戸大橋が掛り、 ※映画にも橋が映ってますよ、 船はもう通勤通学には使われてないし、ロケで使われた学校は閉校になって何年にもなる。でもそれらは瀬戸の花嫁と同様に、昭和的ノスタルジーを醸すのに欠かせない仕掛けだ。
時代は昭和から平成、そして令和となり、世の中はコロナとロシアで前提としてきた既存の価値がかなり危うくなって来たが、それでも人々の基本的な生活の営み、誕生と死、結婚と別れ、食べること、愛すること、冒険すること、それは普遍だ。
この映画は見てる人が、物語たりはこうなるだろうな、こうなれば良いなと、臨む方向で進んでいき、予定調和的だ。誰も不幸にならないし、色々あつたし、あるけどハッピーエンド的に進行していく。
私は、冒頭で凪が海中にダイブするシーン、あれに全て収斂する様な構成とメッセージが込められていると思った。つまりいつの時代もあの凪の様に思い切って飛び込んで見ないとその先は分からないし、飛び込めば危険はつきまとうけど、助けてくれる人が必ずいる。そもそも海は人類の母として優しく包み込んでくれる。だから一歩前に勇気を振り絞って広大で深淵な海に飛び込んでみろと。
余談だが、キャストの一人、世話好きの近所のオバちゃん役の方は私の知り合いです。普段通りの、正に映画の中の人そのもので、世話好き、お人好し、パワフル母さんですね。
癒された
暗い映画なのかと思いきや、瀬戸内海の海や島の住民との会話が心を癒してくれた。主人公凪が島民の抱えている問題に一生懸命に応援する姿に、映画版初めてのお使いを見ているようでハラハラしました。
わきを固める大人の役者さんも一流をそろえた演者さんで、特に凪の祖母佳子を演じる木野花さんの白衣姿は似合いすぎてとても印象に残りました。
ずいぶん時間がたちましたが、できればもう一回観たい映画でした。
地元贔屓。
たぶん、地元が舞台でなかったら見なかったかもしれない。
時間がちょっと空き、その時間に上映されてて、その中でも見たいもの、という消去法的なかんじで鑑賞。
下松の島が舞台。祖母も母も離婚し、孫(凪)の女3人で暮らす。
同級は凪いれても3人という小学校で、笑わない用務員、ピチピチ20代の女性教師、吃音の漁師、みんな親戚付き合いのような関係で暮らしている。
夫婦喧嘩を間近で聞き、パニック障害を持っている凪。母親が心の病気で何年も入院している雷太は凪とともに母親に会いに下松→柳井まで行くのはちょっとした冒険でほっこり。
撮影した地元の映画館で見てて「MOVIX周南でドラえもん見てくる」というフレーズはかなりピクっとなった。これをそのMOVIX周南で見ているということが重なり、だんだん入り込んでいく。
アル依存症の父親のやり直したいということに応じる母と子。
20代同士の教師と漁師の結婚。
結論が見えても温かい気持ちで席を立つことができた。
ぱるるの出番、想像以上に多し!?何と、キスシーンまで・・・!?
「48G」マニアとして勿論、「島崎遥香」目当てでの鑑賞!地元周辺では公開されていないので・・・!?劇場公演当選を機に毎回上京していて、都合よくファーストデイで料金が安いので足を運んだ。
見渡すばかりの海と島民の優しさに抱かれ、少女は己の、そして周囲の人々の痛みに向き合う現代版"世界名作劇場"
前半はとにかく、まるで『サザエさん』のような事件性に乏しいホームドラマ調ののんびりした展開に若干不安を覚えましたが、登場人物に肩入れする中で徐々にそれぞれの抱える問題も描かれ、全体としての柔らかなトーンを保ったままハッピーエンドを提供してくれました。
父親のアルコール依存症が原因で両親の離婚と自身のパニック障害という心の傷を負った少女が東京から母の故郷である山口県下松市の小さな島に移り住み、そこで出会った級友や大人と触れ合い、彼らの真心や苦悩を目の当たりにする中で人間として成長し、家族を再生させていく物語。
あらためてあらすじを文字にすると本当に連続テレビ小説のような非常にピュアなストーリーですが、監督デビュー以来ほぼ一貫してピュアな作品を手掛けている長澤雅彦監督の作品。
自分だけでは生きている甲斐が無いから人を助け人に助けてもらい、そのことで自分の至らない点と他人の新たな魅力に気付き、心の空白を埋めていく・・・島での生活の知恵がそのまま人生哲学に昇華されていくかのような展開はまさしく心が洗われるようでした。
凪の映画
とても好みの映画で、久しぶりの星5個です。
おおげさな演出はなく、子どもたちも大人たちの演技も、セリフも、映像も、どこまでも自然体なのが心地よい。。
ジワリと泣けてクスッと笑えて、まさに凪のように心が穏やかに優しくなれる作品でした。
もっと上映館があればいいのに。
何度もグッとくるシーン、そして最後に涙が止まりませんでした
凪ちゃんがすっごく可愛くて、心に傷を抱えながらも普段は明るく振る舞っていて、それがとても切なくて愛おしかった。ラストシーンの凪ちゃんの表情に音楽が重なった時に、突然涙が溢れてきて止まらなくなりました。感動の名作だと思います。
瀬戸内の島で育つ娘と島の人びとの交流とを描いたハートフルなお話です。この島でなら暮らしてみるのもいいかも、そんな気持ちになりました。
最近、瀬戸内海が舞台の作品に触れる機会が
多い気がしています。 (映画だけではありませんが)
この作品も山口県の島を舞台にしたお話という事で鑑賞です。
両親の離婚をきっかけに母の故郷・瀬戸内の島に
やってきた女の子(原田凪=新津ちせ)が主人公。
小学4年生の凪は、母親・祖母と暮らしている。
母親(本土の病院で看護師) (=加藤ローサ)
祖母(島の診療所の医師) (=木野花)
クラスメイトが2名。 ぽっちゃり君とメガネ君。
凪との関係は良好のようだ。
ぽっちゃり君は母親が不在。訳ありらしい。
メガネ君は島育ちなのに泳げない。
学校には他に6年生が1人と1年生が1人。
全校5名で一クラスです。
先生は若い女性 (=島崎遥香)
一人の先生が全員をみているようです。
島の外(埼玉?)からわざわざやってきたらしい。
用務員が一人。 (=嶋田久作)
子供たちの間でも「笑わない」事で通っています。
この人も過去に訳あり。
ある時から用務員の仕事をしています。
凪には、過呼吸症候群の持病がある。
アル中の父親が母親に暴力をふるうのを何度も目にし
発作を起こすようになった。
両親が分かれた理由もアル中の父親らしい。
発作を起こすと、凪は海に飛び込む。 どぼ~ん
それが発作を静めるのに良いらしい。
※劇中、3回は海に飛び込んでいました。
NGがあったかもしれません。
そうするといったい何回飛び込んだのやら。
そんな人たちの中で、伸び伸びと暮らす凪。
そんな折、凪のアル中の父 (=徳井義実)から
凪にLineで連絡が。
・「学会のため山口に行く」
・「会いたい」
母親に伝えようとするも、しそびれる凪。
そして母親の不在時に、父帰る。 …暗雲?
凪の生活はどうなってしまうのか? どきどき
と
凪の周囲のたくさんの人たちの
過去のエピソードを明らかにしながら
話が進むのですが
お話の組み立てがとても細やかで無理が無く
見ていて優しい気分になれました。
ここまでハートフルなドラマとは
思っていませんでした。
ハートフル好きな方、ぜひ観てみてください。
私は満足しました。
◇ 印象的な場面
「アル中の父親が母親の不在を見計らって娘に会いにくる」
う~ん。 …この時点では
サスペンスドラマ的な展開がアタマに浮かんだのですが
それが一変する場面がありました。
両親の言い争いを目にして発作が起きた凪。
いつものごとく海に飛び込む。 どぼーん。
それを見て自分も慌てて海に飛び込む父。 どぼーん。
しかし
「ぷはっ ぶはっ 」 ぶくぶく
父は金槌…。
慌てて浮輪を投げ込む母。
父の元に泳いで近づく凪。
娘の救出はできなかったけれど
二人の心に飛び込んだ瞬間だったかもしれません。
◇ あれこれ
舞台となった島
どこか知りたくて、公式パンフ購入しようとしたのですが
「パンフレットありません」
「売り切れですか?」
「もともとありません」 ( ! ) えっ
無いものは仕方がない と調べてみました。
「笠戸島」
という島のようです。
※島の小学校は、既に廃校となっているみたい 残念。
父親キラー
新津ちせちゃんです。 ♡
前に観た(「駅までの道をおしえて」)でも
自分のコトが大好きなパパ(滝藤賢一)に
何を聞かれても 「ナイショ」 とあしらって
悲嘆の涙に沈めておりました。
この作品でも、レストランでの食事のシーン。
離婚した母親と元の鞘に戻りたそうな素振りの父に
「私にとってはパパとママだけど、
パパとママは他人でしょ? しっかりしなきゃ」
こんな風に言われたら 人は動きますよねぇ。
船上の結婚式
小舟ではないけれど決して大きくもない船。
その甲板で結婚式を揚げる担任の先生。
このシーンを見て思ったのが
「瀬戸内の海って、こんなにも揺れないんだ」
私の海のイメージといえば
・太平洋の大波
・冬の日本海の荒波 なので
一度は見てみたくなりました。
( ※瀬戸大橋を通る車窓から見たことはあるのですが…)
主題曲
エンディングで流れた曲が
この作品の世界にびったりと合う素敵な曲でした。
kitri(キトリ) という姉妹ユニットの
「透明な」という曲のようです。 (初めて知りました)
もう一度聞きたくなりました。
音楽サイトで検索してみようと思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで
子ども目線での大人たちの姿
優しい優しいお話。
笑って泣けて。
いろんな登場人物との短編集構成で、子どもの凪(新津ちせ)が主人公だけど、凪の目を通して見た大人たちの物語。
登場人物の中で一番大人なのが凪かもしれないという仕組みが面白かった。
母親役の加藤ローサって、こんなに存在感あって、演技達者だったかなとちょびっと驚いたり。
島田久作さんの役どころがじんわり沁みて素晴らしく。
何よりも瀬戸内の美しい風景と、新津ちせの演技力あっての企画のような印象すらありました。
厳しい言い方をしちゃうと、現実はこんなに甘くないわけで、ややファンタジーっぽかったかなとも思いつつ。
それと、もう少し映画としての強いメリハリがあった方がキャッチーで客を呼べる気もしました。
さりとてそうなると瀬戸内の穏やかや、優しさは失われちゃうかもしれないし、どうするのが正解だったのかな?なんて観終わった後に考えるのも面白かったです。
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