「雑すぎます」仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル 石焼き芋さんの映画レビュー(感想・評価)
雑すぎます
鑑賞から1日経ちまして、未だにもやもや感が抜けないので書かせていただきます。
この作品はオーズの続編として、多くのファンが見たかったものと違うということは間違いないでしょう。昨今話題になった某怪獣映画や某国民的ゲームの映画化などと同様、ファンの期待と作品の内容に相違があるとどういう評価になるかは見ての通りです。
とはいえ別に客の期待する結末でなければならないことはないのですが、色々雑すぎてひどい作品になってます。
まず、舞台がよくある「人類滅亡寸前で主人公の仲間たちがレジスタンスとして活動」パターンです。
これ何回目?登場人物少なすぎますし、ほとんどのシーンは全然壊れてない建物のそばに瓦礫置いただけの場面なので安っぽすぎて感情移入できません。
そしてその古代オーズもプトティラにあっさり倒されます。
その程度の相手なら「古代オーズとグリード復活、映司はメダル奪われて負けて行方不明、古代オーズは完全復活したら世界が終わってしまうからバース達が抵抗してる」ぐらいでよいのでは。世界を描ける予算も時間もないのなら壮大にしなければいいのに。
敵はプトティラに圧倒される程度なうえに噛ませ犬(あんなのに映司オーズはやられたの?)、グリードもウヴァ以外は戦わずして消える、バースXも登場はしたが誰も倒していない(グリード一体ぐらい倒させてあげてもよかったのでは?)、終始そんな感じですからアクションにもカタルシスを感じません。
たぶん「アンクの目から見たTV版最終回」な感じですし、その流れから来る結末は納得しています。楽して助かる命はないのですから、アンク復活の代償が映司の命なのは納得できますし、映司の欲望は人生の終末を迎えるときまで救い続けないと充足できないわけですから。
主役の死を描くという衝撃的な結末であるが故に、もう少しきちっとそこに至るものを描いてほしかった。途中に説得力がないので映司の死に必然性が見い出せず、比奈とアンクの希望も叶わず、Dr真木の思想を肯定したような、単に後味が悪いだけの、いわば犬死に見えてしまっていることがとにかく残念でありません。