劇場公開日 2022年6月3日

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「コテコテのギャグもここまで突き抜けてくると、もはや評価するしかない!!」極主夫道 ザ・シネマ バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0コテコテのギャグもここまで突き抜けてくると、もはや評価するしかない!!

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

人気漫画が原作で、2020年に放送されていたドラマシリーズの劇場版。設定やキャラクター同士の関係性は、テレビシリーズと直結してはいるものの、最悪観ていなかったとしてもひとつの作品となっているし、新キャラクターを中心に物語が展開されていくため、変に総集編的なものにもなっていないのが良かった。

見た目は怖いが中身は心の優しい専業主婦という、強面キャラによるコテコテのギャップギャグの連続であるし、ヤクザのビジュアルがステレオタイプ全開。いつまで同じパターンの笑いを追求しようとするのかとも思うかもしれないが、ここまで突き抜けて、また恥ずかしさも感じさせない、堂々たる姿勢には感動すらおぼえてしまう。

また同様に、勘違いが勘違いをよび、ドタバタ展開に導くという、ギャグマンガの王道のような展開も、ここまで突き抜けてくると、見事としか言いようがない。

『すばらしき世界』『ヤクザと家族 The Family』のようなリアル路線のヤクザ映画を観ていてもわかる通り、現代においては反社という存在は、非常に肩身が狭い。今作はステレオタイプを追及していることで、リアル路線としては全く違う方向には向かっているものの、元ヤクザの主人公が主夫になっていることや、親分がスーパーで警備員のバイトをしていることなど、反社の肩身の狭さをコテコテのギャグとしてではあるし、偶然なのかもしれないが、何気に表現できている点においては、リアル路線のヤクザ映画に共通するテーマ性が全く感じられないとも言い切れない。

吉田鋼太郎はいつものように変なテンションの演技をしているが、同じく新キャラクターを演じる松本まりかと安達祐実が、これまたコテコテなギャグ要素をもったキャラクターではあるが、いい味を出してくれいる。

ドラマ版に続き、本作にも続投の野生爆弾・くっきー!のシーンは、アドリブが多く、俳優たちが必死に笑いをこらえている表情が何気におもしろく、福田組の佐藤二朗的ポジションを思わせるだけに、福田組作品への意識は少なからず伝わってくるというもの。

くせ者キャラたちのコテコテのドタバタ劇と言うと、なんだか悪口に聞こえてしまいそうだが、決してそんなことはなくて、そのコテコテ加減を上手く扱っているし、その中で恥ずかしさを感じさせない(全くとは言えないが……)のは流石だといえるだろう。

バフィー吉川(Buffys Movie)