「ンなぁ〜w」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥(くら)き夕闇のスケルツォ Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
ンなぁ〜w
第2章の本作も、ファンに一点集中させたストーリーとアクション、そして岩波音響で戦闘シーンにも迫力をマシマシに仕上げた、アスナ好きな貴兄にとっては『キリト、そこ替われ!』的な、キャラを愛でるにはラブリィで良質な作品に仕上がっているかと思われます。
本作は『星アリ』からの続きが描かれますが、いきなり第5階層と途中が端折られ、キリトとアスナも既にイイカンジ。ファンは当然コレがお目当てでしょうから、原作や初作は視聴済みの前提なのでしょうか。『星アリ』で、本作から取り込まれたファン層にも解りやすい、と書きましたが、今回はその辺がワリと薄いです。
そう云う意味でも、観たいトコだけ魅せるので詳細は過去作を思い出して、と言わんばかりのコンビニエンスぶり。そのせいなのか本作も第1章同様、可もなく不可もなく、コレと言ってココが凄い!って程の印象深さはなく無難と云う平凡な仕上がりとなった様です。
何らか薄っすらと期待もありましたが、ホントにアスナ好き以外にはブッ刺さるポイントも特に見当たりません。ナナチ然としたアルゴはともかく、ミト他周辺キャラにも色濃く深める事も特になく、悪い意味でSAO平常運転と言えます。
また、オバケや温泉の件などアカラサマなファンサービスと言いますか、ソレってどうなの?と疑問に思う展開など、洗練された様子が感じられなかったのは残念です。そして、一部の古参ファンには相変わらずウケが宜しくなく、そんな過去作ファンの『惰性鑑賞』を狙った可能性?も疑われます。
内容の方もあまり良質なネタではありません(原作通り?)。ゲーム内の死はリアルの死と云うのはプレーヤーにとって相当なプレッシャーと思いきや、皆さん和気藹々(わきあいあい)でそんな切羽詰まった様子は皆無。
ソレは良しとしても、人殺しを楽しむ快楽殺人グループがいたり、優良ギルドの仲間割れを誘うと云う、ゲームクリアとは縁遠い誰得の本筋で、一体どう言う方向性なのかが解りません。この後の章で種明かしされるとしても、伏線めいたものに気づかなかったですし‥‥
そんな目新しさが特になかった事に加えて奇妙なストーリーなのも、印象深さはなく無難と云う平凡な仕上がりになる要因だったのかと。
最後にプロの声優さんの件w
井澤詩織さんは『ソド子・ゴモヨ・パソ美』が出世キャラと思ってましたが、ナナチは大当たり役でした。ですが本作の監督はなぜマンマ『ナナチ』を演じさせたのでしょう? 一人称まで「オイラ」ですし。作中コレはかなりノイズでした。