「「Both Sides Now」は最高の映画主題歌」コーダ あいのうた Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
「Both Sides Now」は最高の映画主題歌
2022年3月31日(木)
満を持してアカデミー賞作品賞他3部門受賞の「Coda あいのうた」を観る。
アカデミー賞受賞式の前に観ようと思っていたのだが、見損なっていた。
待った甲斐あってTOHOシネマズ新宿は本日のみ番組編成上かスクリーン9(キャパ499)での上映。音の良い劇場で観られて良かった。
先週、約20年振りに会った映画の友人と「Both Sides Now」は最高の映画主題歌だが、主題歌に使われた映画「青春の光と影」が最低だったと言う話をして意気投合したばかりだった。それが最高の映画でクライマックスに主人公が熱唱する歌で帰って来た。私の中の最高の映画主題歌「Both Sides Now」がやっと最高の映画主題歌として歌われたのだ。こりゃ泣けるわ。この映画が作品賞で良かった。
クワイヤを指導するV先生が良い。歌う時の気持ちを言葉で表現出来ない彼女に手話で表現させる。彼女が最初に皆の前で歌えなかったのを歌わせたのと同様に、出せなかった物を出させる彼の存在が大きい。
そして音大入試の時のピアノ伴奏でのV先生のナイスアシスト。(!) 緊張で歌い出せない彼女に前奏をわざとミスる。そして、やり直し。彼女は家族の前で手話付きで見事に歌い上げる。
また、秋のコンサートの無音の描写。映画の無音のシーンが、これ程雄弁だった事もあるまい。(後日、リメイク元のフランス映画「エール」をCSで観たが、無音のシーンの演出は同じだったので、そのままの手法を使ったという事か)
当然、リメイク元の「エール」で歌われるのは「Both Sides Now」ではない。
私にとって彼女が歌う唄が「Both Sides Now」だった事が、この映画が私にとって特別な物になった。
父親の借金や漁業組合の事等、課題を如何に解決するかが描かれていない部分もあるが、全編を通じて1度しか発せられない父親の言葉「GO!」で許す。