アントラーズのレビュー・感想・評価
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空想の悪魔と現実の悪魔
分かりやすいストーリーである。
幼少期に受けたDVのトラウマを抱える主人公、
それが原因でぎこちない関係の続く同居の弟、
ネグレクトの少年。
少年の「物語」は作品全体を示唆するものとして「やり過ぎ、出し過ぎ」感はある。
でも、こうした「分かりやすさ」は「謎解き(空想の悪魔)」よりも、「現実の悪魔」の存在にフォーカスさせるようにした、作品のスタンスだったのでは。
古の悪魔と現代の悪魔
劇場公開は見送られた本作、ディズニー+でこの度鑑賞。序盤からダークな雰囲気で仄暗いシーンから始まり、個人的にだが掴みはOKだった。
場面が変わり小学校と移るのだが、明らかにネグレクト等に遭っている風貌の少年がいる。本作はその少年が自宅で監禁している「何か」との対峙を描いた作品となる。得体の知れないそれは、「ウェンディゴ」と呼ばれる古くから伝わる森の怪物だった。先住民らの教えで、現代までそれが生き続けているとの事だ。R-15+指定であり、襲撃シーンや、「それ」が生まれるシーン等の描写はキツめである。ディズニー配給だからと言って侮るなかれ。
仮にその生物が生きながらえていたとしたら、そういう残虐な事件が前から発生して騒ぎになっているのではと思うが、そこは気にしてはならないのだろう。 扱うものはギレルモ・デル・トロが好きそうな古の存在。だが幼児虐待とそれを見放す学校や、過去父親から暴力を受けていた主人公。そのせいでアルコール依存症の治療中と思しき描写も存在する。それが古の悪魔と現代社会の悪魔である。その世代を超えた人々を恐怖に陥れる存在の物が、姿形は違えど存在するという大きなメッセージを読み取る事が出来る。だがそれ程説教臭い作品ではない為、ホラー好きならば楽しめるだろう。
なんか色々惜しい
やたら重苦しい雰囲気、主人公の虐待の過去
少年ののっぴきならない環境、同仕様もないであろう少年の父の愛。
全てが重々しい雰囲気の中で全てが上手く噛み合っていない感じが
なんと残念でならない。雰囲気だけは凄いのに主人公の虐待の過去と
少年の苦しい環境が今ひとつリンクしてないんだよね。
主人公がどうして少年を助けずにはいられない!っていう
感情が描かれてないというか。主人公の過去が少年と重なって
そうせずには居られないんだ!という表現が上手く表されていないと思う。
また少年の父は同仕様もないやつなんだけど、子供たちを
傷つけないために自分を閉じ込めているわけだけど、
そこの切なさっていうのも何か上っ面な感じだし。
そして期待していたクリーチャーは最後まで暗闇にぼんやりしか出てこない上に、
あれだけメチャメチャ暴れてたわりに最後情けなく女一人にアッサリやられるとか
全然危機感がなかった。
各パーツは面白そうなのに組み合わせはギクシャクしてて
なんか残念だったなーって作品だった。
陰鬱な雰囲気が好き
ギレルモデルトロらしくないなー。
陰鬱な雰囲気が続き、“何者か”の露出は控えめ。
ギレルモはどこか作り物めいた感じだが、今作はドキュメンタリーのようなリアルな感じが良い。
よくよく見れば、ギレルモは製作で、監督は別でした。
ホラーで怖いというよりも、獣になった父親を匿い、必死に小さな弟を育てるルーカスが切ない。変容した父親も、理性を失いながらも必死に息子を守ろうとする。
土地を奪われ、追いやられた先住民。
父親から虐待を受けていたジュリアとポール。
違法薬物に手をそめていたルーカスの父親。小さな村の閉塞感と絶望感に、先住民の伝説「ウェンディゴ」がマッチ。
小作ながら良かった。
すぐれた雰囲気
リザベーション(インディアン保留区)が舞台になっている映画は暗い。スコットクーパーやテイラーシェリダンの雰囲気。
『ほとんどすべての保留地は産業を持てず、貧困にあえいでいる。また、保留地で生活する限り、そのインディアンにはわずかながら条約規定に基づいた年金が入るため、これに頼って自立できない人々も多い。失業率は半数を超え、アルコール依存症率は高い。』
(ウィキペディア、インディアン保留区より)
リンカーンの言った人民のなかにインディアンは含まれていない。なぜアメリカではリンカーンを持ち上げるのかよく解らない。研究者の解釈ではなく、いっぱんの肌感にすぎないが、かれは平等ではなく平等をスローガンに巧く立ちまわっただけの人だった。
スコットクーパー監督のたぶんはじめてのホラー。ぜんぶ見ているわけじゃないが一貫して酷薄な世界をえがいてきた人だと思う。ローカルの気配、やつれた生活者の吐息感がリアル。それはとくべつな補正なしでホラーに合性する。暗鬱な雰囲気がいい。
ケリーラッセルとジェシープレモンス。リザベーションゆえ名優グレハムグリーンもいた。懐かしいエイミーマディガンもいた。痩せ、うらぶれた感じの子役JeremyT.Thomasもよかった。過去作いずれも配役にズラリとドル箱俳優を揃える監督だったが、ここでも役者がそろっていた。
伝承を翻案した話も悪くないし、クリーチャーの造形もいい。
なのにIMDBがぜんぜん伸びていないのはなぜだろう。5.9だった。
国内映画レビューサイトの値(評価点)は信頼できないがIMDBの値は信頼できる。わたしは小市民なので、映画を見る前や見た後にIMDBの値と、じぶんの評価点をくらべる。おおむね合致しているが、ときどき齟齬がある。
ごぞんじのとおりIMDBのK点は7だが、ホラーなら6でも佳作。5.9はわるい値じゃないが、個人的には6.7±0.3を予測していた。この映画はとてもよかった。
本作を見てテイラーシェリダンがウィンドリバーやシカリオの空気感でホラーをつくったらすごくいいのにな──とやはり思った。定見だが、ホラーは映画監督の基礎演出能力を如実にする。
歪んでいることへの違和感
オレゴン州の田舎町。教師のジュリアは受け持ちの生徒ルーカスが異常な攻撃性を持っていることから親による虐待を疑うが…。
Disney+で独占配信されたホラー映画。親による虐待と家族愛を同時に描く歪さが生む独特嫌な雰囲気と化け物の醜悪なデザインが目を引く作品でした。
ネイティブ・アメリカンに伝わる伝承 ウェンディゴ
うーん🤔です(笑)
特別に悪くないけど、あまり良くない(笑)
ネイティブ・アメリカンに伝わる伝承から影響を受けたホラーです。
アメリカの人とか、この伝承を知ってる人だとリアリティーあって面白いかも、
僕は知らなかったので、あまり引き込まれませんでした…
ただ、知ってても、楽しめなかったかも…
つまりは、そういう作品です(笑)
監督ではないですが、ギレルモ・デル・トロが関わってます。
この暗さが好み
YouTubeの予告編チャンネル(海外)で予告を観て、観たいなーと思っていたらU-NEXTで配信になりラッキー。かつて炭鉱はあったが今は寂れた街が舞台で、街の空気感、景色が全て青みがかったグレーに沈んでいる。主人公の少年も、暗い過去を引きずる担任の女性教師も皆悲しくて暗く、絶望しているので、そこに刻まれる血の色がくらくらするほど赤い。この暗さ、個人的にはとても好みで映像を観ているだけで十分楽しめた。
ホラーとしてのネタやストーリー展開、エンディングにはさして新しさは感じなかったので星3.5にしたけど、好きな人は結構好きだと思います。主人公の少年とその弟の演技がかなりいいです。
先住民系の呪いは怖い
ちゃんと明るい場所で映らなかったからフォルムから鹿的な生き物だったかな…
なのに木の上に登れたり多才な生き物なのかな…
グロさは良かったのでつまらなくなかった(^_^;)
家族愛な映画
ややグロ。
ちょっとグロいシーンがあるので苦手な方はご注意を。
ホラー映画にしても画面が暗すぎるシーンが多く観ずらかったです。
画面にフラッシュがキツいなと思うシーンもあったので苦手な方やその他症状が出やすい方は注意が必要かと思います。
内容はそこそこ怖かったです。
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