劇場公開日 2022年2月25日

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ゴヤの名画と優しい泥棒のレビュー・感想・評価

全109件中、41~60件目を表示

3.0史実として面白い

2022年3月17日
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鑑賞方法:映画館

率直な感想は「こんな史実があったのか」ということ。
もし、史実でなければ、こんな都合よいラストになる?と思った気がします。
事実は小説より奇なりとはよく言ったものですね。

アングルなど構成がよく考えられているなとも思いました。

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杏子

4.0(原題) The Duke

2022年3月15日
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鑑賞方法:映画館

雰囲気も画面のテンポもよくて、心温まり、とても楽める作品でした。観に行って良かった。今までのヘレン・ミレンが演じていた役柄とはイメージ違うけど、とても合っていました。

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AYK68

4.0泥棒のどこに優しさを見いだすのかはきっと人それぞれ

2022年3月15日
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日本でも展示されたことがあるゴヤの作品『ウェリントン公爵(The Duke of Wellington)』(1812-14)の盗難事件を基にしたストーリー

この絵画に描かれているのは1815年のワーテルローの戦いで、かのナポレオンを打ち負かしたイギリスの英雄アーサー・ウェルズリー。

そんな英雄の絵画が盗まれたとなれば、イギリス中で話題になるのもうなずける。
年金暮らしのケンプトンは、ゴヤの絵画泥棒となり、多くの高齢者のために絵画の身代金を要求し、公共放送の受信料に充てようと企てる。

映画の原題は『The Duke(公爵)』だけど、今回は邦題の方が好きかな。
泥棒の優しさはいくつかあって、その1つ1つがケンプトンさんの魅力になっている。

ケンプトンと長年を共にする妻役にはヘレン・ミレン。この2人の心の在り方の描かれ方もこの映画を観て良かったなぁと思うところ。

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スクラ

4.0本当に大切なことを語らない美学

2022年3月14日
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鑑賞方法:映画館

夫婦の間にあるすれ違いや葛藤が、画面の絵からにじみ出てくる演出が心地よかった。主人公ののキャラクターやセリフ劇で楽しませる工夫を忘れずに、でも大切なことはセリフでは語らせない。上品な映画でした。

個人的には、主人公家族のアパートメントのある交差点から、遠くの工場の煙突が見える画面がとても印象的でした。工業化が進む町と、取り残されていく老人が対比的に描かれているように感じました。劇中にある、「この絵にそれだけの金額を払うくらいなら、福祉に回せ」というメッセージが一目で表された構図ではないでしょうか。

「あなたは私であり、私はあなたである。」現代社会に語られるべき言葉だと思います。
次男のキャラクターがあまり深く描かれず、長男の掘り下げももう少し欲しかったなと思ったので、-1.0させていただきました。

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のむさん

4.0『ハットトリック!』

2022年3月14日
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鑑賞方法:映画館

『(お墓を)綺麗にしておいたわ』
「自然のままなのもいいさ。田舎で死んだし……」
『掃除をしない言い訳でしょ』

『家のなかでは、女にものを隠しとおすことはできない!』

『芝刈機を返すのは、遅れがちになるものです』……

ウイットにとんだ会話や表現は、もちろん魅力。

自然でライトなstoryの映画かな、と勝手に思っていましたが、とても観ごたえのある映画だった。

『彼はとてもいい隣人です』も、
夫婦で帰宅した時に、娘さんの写真が飾ってあったのも(パンフレットを読んだら、あの写真はご本人の写真に色をつけたものだそう)、
プロポーズのシーンも。

ラストは、静かな感動が畳み掛けてやってきた。

優しい、名画のような映画だった。

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night runner

3.5タンスの中の公爵

2022年3月14日
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実際にあった名画盗難事件をコミカルに描いたドラマで、60年代のイギリスの時代感がよく出ていて楽しかったです。前半は主人公の暴走老人振りを中心にまったりと進むけど、名画を盗んでおいて、隠し場所がタンスにゴンならぬタンスにゴヤと言うのが笑えます。また、後半の裁判所シーンになってから、彼の愛嬌のあるキャラが生きてきて、ぐっと面白くなります。建前はともかく、彼が求めていたのは弱者救済と言うよりも、若くして亡くなった娘への贖罪感、喪失感によるもののように思え、しんみりとする面もあり、いいドラマです。それにしても、邦題のセンスは何とかならないのかな?役者ではジム・ブロードベントの飄々とした芸達者振りもさることながら、いつもは華やかな印象のヘレン・ミレンの地味な老女ぶりには驚きました。でも、旦那とキッチンで踊るシーンは、なんかかわいかったです。

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シネマディクト

2.5思いのほか軽快で淡々。

2022年3月14日
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鑑賞方法:映画館

地味な作品です。義勇的な動機の犯罪を犯した男性と家族のお話ですが、感動を前面に出すような作品かなぁ?と推測していましたが全く違っていました。ベタつきなく、カラっと描く軽快な味付けの作品でした。が故に、スルッと見終わっちゃいました。

裁判のシーンは楽しめたのですが、盛り上がりに欠けていてそれ以外は正直「むーん」って感じだったかなぁ。頑固な高齢者の思い出話止まりだったかなぁ。本当に単案としているんですよね。主人公の男性に気持ちが入らなかったからかなぁ。なんか、奥さんに苦労ばかりさせている、偏屈爺さんにしか見えなかったんです。好き勝手なことをやって、家族を(特に奥様)を振り回しすぎじゃない?って。もうちょっとはっきりした味付けが欲しかったかな。・・・良いお話なんですけどね。そんなに心があったかくもならなかったしね。

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バリカタ

4.0007と意外な接点のある一作。

2022年3月13日
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鑑賞方法:映画館

ロジャー・ミッシェル監督の遺作となった本作。本作も安定した演出力でその手腕をいかんなく発揮していたため、とても驚きました。

主人公ケンプトンは公共放送の受信料不払い運動をするなど、穏やかな風貌ながら社会問題に対して強い意識と行動力を持った男性。そんな彼がゴヤの名画を盗難するという重大な事件を引き起こします。その動機は彼の口からも語られ、それなりに納得できるものの、でも物語をこれ以上話を膨らませるのは難しいのでは…、という勘ぐりを鮮やかに上回った展開となります。まさに「優しい泥棒」です。

映像の繋ぎと音楽の添え方がなかなかシャープで、それが一見地味目め作風であるにもかかわらず、意外な疾走感を生み出しています。

実際の事件に基づいているため、イギリスでは既に結末まで知っている人もいたはず。でもジム・ブロードベントとヘレン・ミレンの演技で、全く飽きさせません。特にドロシー・バントンを演じたミレンの振る舞いは、観客の感情そのままを反映していて、とても笑え、そしてはらはらさせられます。

演技以外にもロンドンの街並み、風景の美しさは見事で、特に緑色の使い方が非常に印象的です。ドアや壁などを見ているだけでも全く見飽きない作品となっています。原題は盗まれた絵画『ウェリントン公爵』を意味する"The Duke"と少々素っ気ないため、日本語タイトルの工夫が際立ちます。

なお、絵画は1961年に盗まれ、1965年に見つかりますが、盗難翌年に公開された『007/ドクター・ノオ』に、ドクター・ノオが盗んだという設定でこの絵画が登場します。現在進行形の事件を作中に入れ込むという、なかなか際どいユーモアだったんですね。

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yui

5.0何気に『THE BATMAN バットマン』とほぼ丸かぶり、1960年代の英国に巣食う悪き風潮に敢然と立ち向かう家族の物語

2022年3月13日
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鑑賞方法:映画館

そしてエリザベス女王から家政婦までどんな役もリアルに演じるヘレン・ミレンがとにかく素晴らしいです。あとさりげなく007リスペクトが滲んでるあたりは『オペレーション・ミンスミート』と同じ、いかにも英国的なウィットに貫かれた作品です。

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よね

4.0愛される泥棒

2022年3月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

権力者に立ち向かい職がすぐになくなるおじさんが、名画に関して一騒動を起こす。裁判での「私は1個のレンガで、あまり役には立たない小さな1個だが無数に積めば家ができる。そして世界が変わる」という台詞を心に刻んで生きようと思う。

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印刷局員

4.0優しい気持ちに溢れた作品

2022年3月12日
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鑑賞方法:試写会

ウェリントン侯爵を描いたゴヤの絵画(ナショナル・ギャラリー所蔵)の盗難事件に基づくロジャー・ミッシェル監督作品。

家族を愛する老人夫婦(ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン)たちのホームドラマであり、著名絵画盗難という事件映画であり、楽しい法廷シーンなどを描いたコメディ映画である。
全体的に優しい気持ちに溢れた作品になっているので、観終わって幸せな気持ちになる映画(^_^)

また、『007/ドクター・ノオ』のワンシーンでこの絵が映されるのは、この絵画盗難事件(1961年)が「ドクター・ノオ公開当時」(1962年)に英国で話題となっていたことを物語る。

試写会の上映後のトークショーで「盗まれた絵画をゴヤが描いた頃の話、実際にこの絵が盗難された話など…」を初めて知って、「やはり絵画の背景など、様々なことを知っておくと面白いんだなぁ~」と思った。

私などは一般人であり、映画評論家などではないが、映画ライターなど映画に関連する人達は「色んな角度から映画を観ること」が求められる大変な仕事だと思う。

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たいちぃ

3.5イギリス映画の良さ満喫

2022年3月11日
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鑑賞方法:映画館

政治かぶれで家では戯曲の創作ばかりをしているお父さん。
タクシー運転手はクビになるわ、転職先のパン工場さえクビになって帰ってくる。
そんなお父さんが、ある日美術館からゴヤの名画を盗んで帰ってきてしまったんで、さあ大変。

イギリス映画だから、なんかしっとりとした温度感で話が進んでいく。
とても映画らしい映画。
お父さんは60歳という設定だけど、ちょっと老けすぎてない?おじいちゃんに見える。
でも1961年の設定だから、そんなもんかな。

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キブン

5.0完璧。

2022年3月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

萌える

ウィットに富んだユーモアあり、変わり者だけど紳士で優しく家族想い。
作品のテンポも良く、上映時間もコンパクト。
しかもまさかの実話。
笑って泣いてホッコリする…ここ最近ないほど大好きな作品でした。
とても良かった^_^

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キチ

4.0優しい泥棒の意味

2022年3月9日
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幸せ

タイプライターの音と劇中曲が重なりあう軽快な始まり。なにか面白いことが起きそうな予感を起こさせる。

主人公はとってもユーモアに溢れていて、お決まりのように家族は振り回されるんだけど、息子の父親思いな部分がおだやかな気持ちにさせてくれる。

裁判での主人公のユーモアはこの映画の見所でもあります。事件の真相を知ったとき、優しい泥棒の本当の意味が解りました。どちらの側面から見ても優しいんです。
思わずほろりとさせられる場面もありました。

本当の優しさって連鎖する。
世の中捨てたもんじゃないなって気持ちになった。

大どんでん返しっていうわけでもないし、ダイナミックな演出はしてないのに心地よい爽快感。主人公、弁護士共に素敵なセリフがいっぱいあって裁判のシーンは何度でも観たい。

ヘレンミレンとの小気味良く踊り出すシーンも好き。日本映画にはない、映画のこういうワンシーン大好きです。

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なないろ

3.0普通の爺さん

2022年3月9日
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クライム要素も政治要素も薄め
普通の爺さんの生活にゴヤがいる感じ

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Chirune

4.0「ほんわかした」おじいちゃん泥棒の話、ではありません!

2022年3月8日
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鑑賞方法:映画館

 予告を見ての印象と違った、芯の通った社会派ドラマ。予想より見応えがあった。時代の空気と社会問題と、泣けてくる家族愛がぎゅっと詰まっていて、英国人の達者な皮肉のスパイスの効いた言葉の応酬も楽しめた。ソフトタイプのケン・ローチ作品みたいな、、、。
 個人的にゴヤとの出会いといえば70年代に「裸のマハ」が来日した時だったので、さすがに生まれる前にこんな事件があったとは知らなかった。ネット社会だったら世界中から桁違いの懸賞金が集まりそうですね。
 息子ジャッキー役のフィオん・ホワイトヘッドくん、とてもよかった。いい息子だ。ちょっとご両親との年の差ありすぎのように見受けられたけど。
 実話ですので、エンドロール前の「その後のエピソード」まで必見です。

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Kumiko21

5.0最後の一文まで笑えました

2022年3月7日
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鑑賞方法:映画館

笑える

知的

歴史的な盗難事件を(─といってもこの事件については個人的には全く無知でしたが・・・)怪盗映画風に仕立て上げ、謎解きや法廷ものの要素を絡ませて、絶妙ながらコメディ映画になっていた印象です。
映像が絶妙にオールドファッションであり、ジョージ・フェントンやその他英国の名曲がなんともいえない懐古的な雰囲気を醸し出してくれて、あらためて映画っていいもんですねー、などとしんみり感じてしまいました。
内容の分かりづらさとかシニカルな笑いなど、非常に英国的な映画に思えました。
何はともあれ、相当笑えて面白い作品でした。

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SH

4.0したことは犯罪だけど全力で賛辞を送りたい

2022年3月6日
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嘘のような本当の心温まる物語。
したことは盗みでも確固たる信念を貫くバントンに拍手と賛辞を送りたくなりました。コメディ映画らしく裁判中のユーモア溢れる姿に微笑んでいたら、終盤涙してしまうような場面も…。

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ちーたら

4.5これは痛快!

2022年3月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

1961年のイギリス、愚直な父親が主人公。
ヘレン・ミレン扮する妻がガチガチに四角四面の性格であるのに反し、当時にしては柔軟すぎる発想なのか。
パン工場で同僚がバキ呼ばわりされているのに反するあたり、ボヘミアン・ラプソディのワンシーンも彷彿されたり、ファッションも車も懐かしい。
しかしこの作品の本質は誰も悪者ではなく優しさに包まれていること!
法廷シーンも非常に良かった。
心にモヤモヤが溜まったときに見返したくなる良作でした。

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ニコラス