劇場公開日 2022年2月18日

「気持ちいいトレジャーハンティング!」アンチャーテッド おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0気持ちいいトレジャーハンティング!

2022年2月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

かつて少しだけプレイしたことのあるアクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」。トレジャーハンティングがテーマで、多彩なアクション、美麗なムービーやグラフィックが印象的なゲームでした。それが実写映画化されるということで、期待を高めて公開初日に早速鑑賞してきました。

ストーリーは、サリーに腕前を見込まれ、トレジャーハントに誘われたネイトが、行方不明の兄を探す手がかりを求めてその話に乗り、マゼランが隠したと伝えられる黄金を求めて冒険の旅に出るというもの。トレジャーハントものにありがちな、騙し騙されて敵と味方が目まぐるしく入れ替わるような展開もあり、なかなかおもしろかったです。

まずは、開幕早々この先のダイナミックな展開を予感させる空中でのアクションシーンが描かれ、期待値が上がります。その後、話はいったん過去に戻り、序盤はネイトの生い立ち、サリーとの出会い、財宝を探す鍵となる黄金の十字架を手に入れるまでが描かれます。兄サムの情報を得るため、ネイトはあまり信用できないと思いつつもサリーの仲間になりますが、窮地になるやサリーはネイトをあっさりと見捨てます。場数を踏んだベテランと新米トレジャーハンターの対比でもあり、終盤への伏線ともとれる描かれ方でなかなかおもしろかったです。

そして、舞台をスペインに移して、女性トレジャーハンター・クロエも加わり、いよいよ本格的なお宝探しスタート!テンポよく展開し、スピード感があったのはよかったのですが、財宝を狙う別組織も絡み、情報が多くて整理できず、登場人物の立ち位置や謎解きの意味がよくわからず、ちょっと消化不良でした。

しかし、後半になって舞台をフィリピンに移したところでギアが一段上がり、ぐっとおもしろくなってきました。特に終盤のアクションシーンは、見応え十分でした。まさか空中で海賊をイメージさせる船上戦が行われるとは恐れ入りました。財宝を積んだ船を二隻用意し、ヘリで空輸するとは、おもしろいアイデアです。それを経てのラストの締め方も、トレジャーハントものの鉄板で、実にイイ感じでした。また、エンドロール前にはおまけ映像もあり、次回作を大いに期待させる内容でした。

主演のトム・ホランドは、ネイサンにしてはやや若すぎる印象でしたが、あれだけのアクションをこなすとなれば適役だったと言わざるを得ません。また、本作では新米トレジャーハンターでしたが、シリーズ化されればベテランハンターとなるネイサンに実年齢が追いつき、さらに適役と感じられるようになるかもしれません。相棒サリー役はマーク・ウォールバーグで、こちらはばっちりハマっていました。うさんくさいポジションから頼れる相棒への変化が小気味よかったです。一方、女性キャストは、クロエ役にソフィア・アリ、ブラドッグ役にタティ・ガブリエルで、二人とも悪くはないのですが、欲を言えばもう少し華がほしかったかなという印象です。特にクロエは、ルパン三世にとっての峰不二子のように、美しさの裏に抜け目なさが感じられる、本音の読めない魅惑的な存在であってほしかったです。次回作があれば期待して待ちたいと思います。

おじゃる