やがて海へと届くのレビュー・感想・評価
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詩情にあふれ 心に届く傑作
三回劇場で観ました
味わいはあせることなく、理解も深まりました
稀に見る高い次元で結実した名作と言い切っても良いのでは
発せられた言葉
口にされなかった言葉
海の描写
役者さんはメインの2人が圧巻でしたが
皆さんそれぞれ存在感がしっかりと感じられました
音楽も素晴らしいし
懐かしいパフィを浜辺美波さんが歌うシーンもあってサービスも充実
とにかくすごい純度で丁寧に作り込まれていて、鑑賞中ずっと温もりに包まれます
どのシーンもさり気ない美しさがあるのですが、クライマックスではほんとうに
息を呑むほどの美しいシーンが何度も
最初は分からないな、テンポがゆっくりだな と感じられる人もいるかもしれません
いえいえ、実は行間の味わいが凄まじいので2回3回と観れば、感動はきっと増していくでしょう
自分は、1回目は終映後のトイレで号泣してしまい我ながら驚きました
2回目はスクリーンで何度か泣けました
3回目は、残された謎の部分に辿り着きつつあると思いました
「わたしは光をにぎっている」も大好きな作品ですが、こちらはさらに熟成されていて、邦画史に輝き続ける名作の域に達していると感じます
上映館が少なくなり、寂しいしもったいない(観れば感動間違いなし)と強く思います
こういう映画をこそ、多くのひとが味わえるといいなあ!
ふんわりと考えれば良いのかな
ふわふわと
人の心は解ったようで解らない。
自分の主観だもの。
でも、そんな関係でも大切だ、
と相手を思う気持ちは本当だから、
続けられる。
そんな相手が突然居なくなったら…どうなる?
その喪失感は人それぞれで、
乗り越え方も千差万別。
明確な答えのない作品ですが、
それはそれで、ふんわりと考えれば良いのかな。
また、震災に関しても、遠くに位置する者ほど、記憶が薄れていく中、
このように映画でもドラマでも小説でも、
何かしらの作品で考える機会を頂けることを有り難く思います。
男が描く女の友情はなぜかレズっぽくなりがち
2022年映画館鑑賞15作品目
5月1日(日)チネラヴィータ
ファーストデイ1200円
原作未読
岸井ゆきの浜辺美波映画初共演
既に日テレのテレビドラマで共演しているがそっちはまだ観ていない
同い年の役だが岸井ゆきのの方が年上なことは知っている
だがこれほど離れているのは意外だった
たしかに最初は「えっ」となるけどそれでも受け入れるのが観る側のエチケットに思えて来た最近
所謂東日本大震災もの
親友が震災で行方不明になるといえば綾野剛松田龍平共演の『影裏』を思い出す
あっちはゲイっぽい感じがしたがこっちはちょっぴりレズっぽい
2人とも同じ大学の新入生
サークルの誘いで一緒になり意気投合
トントン拍子で同棲
親友は恋人ができ別居
久々に再会
親友は一人旅で東北に
そこに東日本大震災の津波が襲う
監督と脚本は『四月の永い夢』『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』『蒲田前奏曲 第一番・蒲田哀歌』の中川龍太郎
脚本は他に『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』『静かな雨』の梅原英司
東日本大震災で行方不明になった親友の死を認めたくない湖谷真奈に岸井ゆきの
東北一人旅の途中震災で行方不明になる真奈の親友でビデオ撮影が趣味の卯木すみれに浜辺美波
すみれの恋人遠野敦に杉野遥亮
真奈が務めるレストランのコック長国木田聡一に中崎敏
すみれの母親卯木志都香に鶴田真由
東北で沿岸地区で民宿を営む伊藤祥栄に中嶋朋子
祥栄の娘伊藤羽純に新谷ゆづみ
真奈が務めるレストランのフロントマネージャーでのちに首吊り自殺する楢原文徳に光石研
チケットが対人販売の映画館の場合タイトルがわからなくても「浜辺美波ちゃんのやつ」といえばこの作品のことだと通じてしまう
映画館の企画で浜辺美波特集でもやってない限り
でも主演はあくまで岸井ゆきの
浜辺美波はなかなか出てこない
みんな大好き浜辺美波ちゃんだけど岸井ゆきのもちょっとは興味を持ってほしい
冒頭アニメ
ラストの手前にもアニメ
ジブリアニメのかぐや姫風の画風
予算の都合なのか実写なら実写で押し通してほしい
ここ数年こういう表現が多い気がする
そういえば『キルビル』もそうだった
とはいえアニメならではの表現はわりと自分好みで悪くはない
湾岸地域のシックなレストランは東北のド田舎中学生女子が憧れる典型的な東京情景
僕にとってはなぜか少々退屈だった
照明があのくらいムーディーだと眠気が襲う
一転して見慣れた東北の沿岸地域が全国の映画館で公開されるとなると興奮すらする
ちなみに2人で行った海辺は千葉らしい
初対面で会ってからそれほど経ってないのに他人の口の中に指を入れることができるだろうか
酒で気持ち悪くなっていたとしても背中をさするくらいではないか
さらにレズを偽装しいきなり接吻
ありえない
本当は人見知りなのにスイッチが入ると超大胆
すみれが行方不明なった土地を訪れる真奈と遠野
すっかりおばさんになった感がある蛍ちゃんがなぜか震災の語り部をビデオ撮影
最後は随分美少女だなと感じたが彼女は芸能人であり若い役者だった
白いパーカーにbroadenの文字があったことから元阪神のブリーデンを思い出しついでにラインバックまで思い出した
しかし阪神のブリーデンとはスペルが違うので亡き父の形見ではなさそうだ
エンドロールで確認しなかったがおそらく新幹線で一関駅からオリックスレンタカーでロケバスを借りて千歳橋を渡り東山摺沢大原を経由しループ橋を渡り陸前高田に到着
南下し気仙沼や松島でもロケってな感じだろうか
陸前高田の堤防なんてまるで進撃の巨人の世界
たしかにジャズのCDをたくさん置いておくより有線の方が合理的なのだが前のフロントマネージャーの方が魅力ある
人望があった人の後釜はなぜかコストカッターというか全てにおいて味気ないつまらない人が多いと感じるのは偏見か
ポスターにもあるが幻のすみれが真奈にキスをしそうになる場面
真奈が涙を流すシーンが美しくて良かった
ニライカナイ
一人旅が好きで、5年前に旅に出たまま帰らなかったすみれ。
真奈は大学時代からの親友である彼女の不在を未だに受け入れられずにいた。
彼女を亡き者として扱う周りに違和感を覚えた真奈は、彼女のコミュニケーション手段の一つだったビデオカメラを通して知らなかったすみれの新たな一面を知って行く。
海は
青くて
深くて
恐くて
美しい
喪失と折り合いの映画としてはドライブ・マイ・カーよりも好きかもしれない。
前評判から正直期待値を下げていたが、想像以上に良かった。
自分は千葉の内陸住みなので、幸い周りでそういった被害はなかったけれど、11年経った今でもあの日のことは鮮明に思い出される。
自分は前情報で知っていたが、できる限りこの情報は知りたくなかった。
配慮の問題があるから難しいとは思うけれど…
何も残らなければ、そこにいたこともいなかったことも証明されない。
ただし、そこにいたという周りの人の中に残る記憶を、記録するものが遺物なんだなと。
それは、この作品におけるビデオカメラだったり音楽プレーヤーだったり。
処分することは簡単だが、それはその人の存在そのものを抹消することにも繋がりかねない。
1秒後生きているとも限らないこの人生、自分の人生は勿論だが、今この瞬間から一つひとつのモノやヒトを大切に生きていこうと思った。
ただ少し残念な点も。
ビデオカメラだからと言って震災の記録ビデオみたいなのは要らなかったように思う。
悪いけどこの映画にそれは求めてない。
楢原さんが最期に「好きな曲をかけなさい」と言ってたんだから、メタリカでもPUFFYでもかけて欲しかった。
助長に感じる部分も多かった。
死人に口なし。
ましてや行方不明の人の本当の想いなど他人には分からない。
ただ、すみれは真奈のすぐ近くにいた気がする。
中川監督の美しい映像と音楽が身に染みて、じんわりと優しさに包まれる良作だった。
✳︎そういえば岸井ゆきのと浜辺美波、名前までこの作品にぴったりで好演が光っていました。
良質な邦画
私は何でもかんでも言葉で説明する作品が苦手なので、とても満足のいく2時間でした。私なりの解釈の余地があり、今後も折に触れてこの映画を思い出す気がします。映画館で見る価値のある映画でした。
ただ…宣伝文句というか、あ、そういう行方不明なのか…と思って、事前に明かされてた方がよかったような気もするし、かといって事前に明かされてたらたぶん辛いだろうと考えて見なかったな、とグルグル思ったのでマイナス1.5にしました。
映画としてはすごく満足です。ただ、私にとってもその出来事は深く刻まれていて、当事者の人とか、どうなんだろうなと…余計なお世話ではあると思うのですが。
そういうことも含めて様々なことを考えられる映画でした。私は、見てよかったです。
切なく悲しい【喪失と再生】
この映画もテーマは、切なく悲しい【喪失と再生】。不器用な真奈(岸井ゆきの)は活発な大親友・すみれ(浜辺美波)を突然に失った喪失感で、足搔き、もがき、苦しむ。すみれの姿を追って東北へ、東北の人々も東北大震災での喪失感から再生に取り組んでいた。アニメーションが効果的に挿入されていた。
レールは敷かれているものの、このテーマを嫌いにはなれず
エンドロールでふと、何かが吹っ切れたかのように、涙が止まらなくなった。もう、会うことはないかもしれない、自分にとって大切だった人に、自分は何か残せただろうか。
中川龍太郎監督の長編作品は『私は光をにぎっている』以来。割とウトウト夢心地を味わった記憶。
本作も少しウトウトしたものの、一層心に触れてくるというか、優しさが次第に核になって現れる。東日本大震災を1つの分岐として、余白が心を溶かしていき、心の拠り所と変化を悟っていく。喪失と再生の物語くらいに捉えていたが、実際そう簡単に割り切れるものでもない。存在の証明と記憶が薄れ、変わることが世の変わらないことを受け入れる。だからこそ、その一瞬が形に残り、言葉以上の世界が輝き出す。
「私たちには、世界の片面しか見えていないんだと思うんだよね。」全てを知っている様な彼女の言葉。言葉ほど綺麗には生きれず、人は皆脆い。世界の一面でしか見られないのだから、想像で補うしかない。確かに他のレビューで見た、「静かな『佐々木、イン、マイマイン』」との比喩がしっくりくる。上辺を撫で回した様な導入と、必然を装った旅路が入りにくかったが、その心の弱さを突いてくる映画を嫌いになれない。きっとそこに自身の弱さがあるからだろう。
主演は岸井ゆきのさん。すっかり等身大の女性像が似合う、実力派としての起用が増えたように思う。そして、意外な人選だったのが浜辺美波さん。ヒロインのカラーではなく、ミューズとして生きる役に置かれ、それだけで観る価値があると感じた。主演作で培われた繊細さと光、そこに宿る移ろいに、大人びた髪が揺れる。また、若手の注目株、新谷ゆづみさんも凄く色味が繊細。今後も伸びていくのだとしみじみ。駆け込んだ甲斐があった。
自分も誰かの中で生きていたら、それはあまりにも幸せなことだ。多くの人にお世話になったし、たくさん学んだ。しかしながら、こうして書いていて思う。私は大切な人を大切にする生き方なんだと。憧れが憧れではなくなった時、自分が変わったのだと思うのかもしれない。
人の死
人の死って、本人は死んで終わりですよね。
だけど、残された人はそこで終われないわけです。
それでですね、残された人にとっての死って、溶けるように終わっていくんじゃないかと思ったの。
すみれの母や遠野は、自分の中ですみれの死を溶かしていったんだと思う。
一方の真奈は、終わらせたくなかったんじゃないかな。
それでも、運命的な出会いをした日の天気が思い出せなくなるように、少しずつ溶けていってしまうんだと思うし、そうであるべきなんだとも思う。
あの震災から十年以上が経って、いなくなってしまった人の記憶が、残された人の中で、能動的にも受動的にも溶けていってるんじゃないかな。
それでも、終わらせてはいけない部分も有って、そういう時に映像の力は、手助けになるんだと思うの。
この映画の記憶も、やがて私の中から消えてしまうかもしれないけど、例えそうだとしても観て良かったと自信を持って言える映画かな。
感動する様な深い作品として期待したが!
過去と現在が同時進行 岸井と浜辺の組合せはどうなのかな物語が前後し浜辺が出ていったいきさつや当日なぜそこへ行ってどの様な状況で末期を迎えたのかが不明確でイマイチ物語の繋がりがハッキリせず!
幻想的な世界観に魅了される
消えた親友が残した忘れたくない大切な思い出と親友の裏に隠された秘密を描いた物語。
主演・岸井ゆきの×浜辺美波の共演は見応え充分で時間も忘れてスクリーンにグイグイ引き込まれた。
冒頭とクライマックスに差し込まれているアニメーションパートも印象的で発想が素晴らしい。圧倒的な映像美と幻想的な世界観が観るものを魅了する満足度の高い作品。
2022-68
すみれ、聞こえるかな?そちらからこちらは見えますか?
中川監督、というので迷わずに観た。
しかし。人付き合いの下手な主人公、友人の不可解な死、真相を探しに行く旅、同行する異性の友人、気づきのキッカケになる民宿、、、原作は知らないが、なんだかこれじゃ「走れ絶望に~」の二番煎じじゃないか。
でも相変わらず光石研はいい役どころをこなしてて良かったなあ。
想いは潮風に乗って。
旅に出たまま帰って来ない親友すみれへの想いを抱きながら年を重ねる真奈。すみれを死んだ事とする周囲に抗うように思い出の詰まったビデオカメラの中からその痕跡を見つけようともがく。
岸井ゆきのと浜辺美波の年齢差がどうかなと思ったけど、片方は時間が止まってしまったという点において効果的でした。終始岸井ゆきのの表情がめちゃめちゃ繊細です。
ストーリーは良いはずなのに流れが悪くてプツプツ途切れてしまった印象。ドキュメンタリーみたいな演出は急に何?!ってなるし。アニメーションに童歌にと忙しい。辛い事が起こった海だけど、そこを舞台に選んだ限りはもっと風景で魅せて欲しかったな。
逆にレストランのパートはどのシーンも凄く良かった。「この仕事嫌だったんですかね」ってとこなんかジーンとした。光石研から池田良って最高のキャスティングでしたね。シェフもぶっきらぼうやけど、根は優しくて素敵でした。さぞお料理も美味しいでしょう。
2人の演技で救われる
身近な人の喪失感。その感じ方は人それぞれだ。なんとか前を向こうと無理矢理心を奮い立たせる者もいれば、逆にそこにとらわれることがいなくなった人への誠実さだと感じる者もいる。
いなくなった人への思いの違いが描かれる本作。大学に入学し出会ったまなとすみれのエピソードと、いなくなってしまった現在との対比で物語が進む。ところが、なぜいなくなったのか、亡くなったわけではないのか、中盤に判明しその現地をまなが訪れてから少し雰囲気が変わってしまう。
いや、そんな内容もありだし、彼らが話す内容に心が動かないわけではない。でも、まなとすみれの物語としてそれは絶対必要なくだりだったのかなと思ってしまうのだ。今まで観てきたエピソードをすみれ目線で追うことで2人の関係性がさらに深まる形だけでもよくね?
実はそのすみれ目線でなぞるシーンもすみれの心情が今ひとつわからなくてスッキリしない。これ、小説だともっとわかりやすいんだろうか。そもそも原作小説がこんな感じなんだろうか。
それでも岸井ゆきのと浜辺美波の演技がよかったことで救われる。そんな映画だ。
ドラマと現実が入り混じる
想像していたのと違った(いい意味で)
タイトルが的確に物語と伝えたいことを表している。
浜辺美波が出演していることで非日常感が感じられる一方で、現実な問題とリンクしている、不思議な感覚だった。
過去と現実が入り混じり、事実が徐々にわかっていくのはさながらミステリーのよう。
中川監督の作品は一貫して静かな雰囲気で、一見退屈だが、最後の方でつながり、それが昇華される。
今回も、途中までは苦悩している主人公がメインシーンだが、いまいち感情移入できず、もやもやはした。
ただ、最後はスッキリしつつ、鑑賞者にも考える余地を残され、映画の両面を感じた。
そもそも
わたしは光を握っている
が大好きなので期待して行った分、
ハードルが上がってしまったのかなとも思う。
そもそもの話、岸井ゆきのさんと浜辺美波さんが
同級生っていうのはちょっとキツくない?笑
実年齢で10歳くらい違ったと思うけどwww
震災絡みなら自発的に友人が帰って来ないみたいな
ニュアンスにするのはおそらく被災者の方々が
観た時に違和感を感じるのではないだろうか?
後半の視点の切り替えは面白い発想だっただけに
ちょっと落とし所がもったいなく感じた。
残された方々の言葉でもあるかと
最後の ゆきのさんの言葉(台詞)
(残された方々の言葉でもあるかと)
そして
言葉にはなって無いがそれに続くアンサーを促す言葉が脳内で再生され
視界が滲みました…。
そしてそして、
新谷ゆづみ さん演じる伊藤羽純にヤられました!
彼女のシーンだけで一つの物語・映画を感じました。
淡々と進んでいく監督らしい作品だと思ったが、少し単調な感じはあった...
淡々と進んでいく監督らしい作品だと思ったが、少し単調な感じはあった。ただ、俳優さんが非常に良かったので最後までしっかり観れたのと、最後のそれぞれキャラクターの目線カットが良い演出だったので、3.5!
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