やがて海へと届くのレビュー・感想・評価
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チューニング
親友が行方不明になって5年経ち、気持ちの整理が出来ない女性の話。
親友と同棲していた彼氏が職場にやって来て、引っ越すこと、そして遺品整理をすることを告げられて巻き起こって行くストーリー。
親友の言葉を代弁するかの様な発言に納得が出来なかったり、故人の様に扱われることを受け入れられなかったり、そしてまた職場でも…。まあ、そういう感情は共感出来るところもあるしとは感じつつ、親友に何があったのかと思っていたら、半分過ぎた辺りで津波??
まさか3.11絡めて来るとは…。それならそれで最初から示せば良いのに、この狙った様な話の進め方に何をみせたいんだ?と違和感を覚える。
そこから怒濤の津波ネタラッシュで、しかもドキュメンタリーと思しきインタビュー入れたりね。
終盤のすみれパートもカメラに残された映像や回顧という訳でもないしどういう意図か???
主人公の機微は良かったけれど、何が言いたいのか、何を感じれば良いのかわからなくなってしまった。
海深く深い想い
優しいアニメーションからはじまる
大好きな友を亡くし
…失踪感が
彼女のなかで大きな哀しみが
奥深く深いところで彼女のことを想う
岸井ゆきののなんとも言えない演技が見事です
落ち着いた雰囲気と人の優しさも感じて
いつまでも忘れたくない人
過ぎていく日々に
薄れていく記憶
いつまでも失くした人を想いたい
【”万物流転・・”忌まわしき天災の傷を時間を掛けて受け入れ、再生して行く人々の姿。アーティスティックな作品であると共に、岸井ゆきのさん、浜辺美波さんの凄さを堪能する作品でもある。】
ー 大学の新歓で知り合った内気な真奈(岸井ゆきの)と、表面的には外交的な、だが内面に深い孤独を抱えるすみれ(浜辺美波)は、ふとしたことが切っ掛けで知り合い、距離を縮め、二人で住むようになる。
だが、すみれはフラリと東北に一人旅に出かけ、帰って来ない・・。-
■東日本大震災の犠牲者には、未だ遺体が見つからない人が多い。
残された家族は、”いつか帰ってくる・・。”という儚い望みと、死を受け入れ新たな生活に踏み込まねば・・、という板挟みに悩む人が多いと、仙台に住む友人が、且つて私に話してくれた事がある。
◆感想
・岸井ゆきのさんの柔らかな演技と、表面的には外交的だが内面に深い孤独を抱えるすみれを演じる浜辺美波さんの物凄い美しさの中に秘めた、憂いを帯びた表情、時に”眼””は凄みさえ感じさせる。
- 今作は、この二人の女優さんの好対照な演技を見るだけでも価値があると、私は思う。-
・すみれの元恋人遠野(杉野遥亮)、母親(鶴田真由)は5年経っても帰ってこない彼女を故人として扱おうとするが、真奈はそれに納得がいかない。
- すみれの”遺品”の扱い。残されたすみれがいつも愛用していたビデオカメラは遠野も母親も引き取らず、真奈が手元に置く。
すみれが、カメラのファインダー越しにしか物事を観ない、大切なことを言わない事を遠野が諫めるシーン。すみれの心の闇が仄かに描かれる。
すみれこそ、実は内向的な性格なのではないか・・。脆さを抱えているのではないか・・。-
・真奈がアルバイトしているレストランの店長(三石研)がある日、突然首を括り自殺する。真相は誰も分からない。
だが、その事件をきっかけに、真奈とレストランのシェフ国木田(中崎敏)は、すみれが行方不明になった東北の海岸沿いの土地に出掛ける。
- そこで、出会った人たち(中島朋子、新谷ゆずみ、そして実際に震災に遭われた人々)がビデオカメラに向かって”その時”を語るシーンは、東北に所縁のある私にとっては、キツカッタが印象的なシーンであった。
皆が、愛する人の死を受け入れ、必死に生きている姿は、心に沁みた・・。-
・すみれが愛おし気な表情で撮っていた真奈の寝姿。すみれは本当は・・。
- すみれは、且つて真奈に”貴方は本当は強いんだよ・・”と言っていた。
真奈はすみれにとって、憧れの存在だったのではないか・・。-
・そして、ゆっくりと時は流れ、真奈にも変化が訪れる。
いつもはすみれが撮っていたカメラに向かって明るい表情で喋り掛ける姿。
”こちらは、天気です。そちらはどうですか・・。”
<冒頭の幻想的なアニメーションシーンとラスト近くの万物流転を暗喩したアニメーションシーンの繋がりも良い。
今作はアーティスティックな作品でありながら、独り善がり的な個所は少なく、見応えは十二分にあると思った作品である。>
■今作は、睡眠は十二分に取ってから、観賞することをお勧めします・・。
大切な人を想う気持ち
この作品は大切な人を想う気持ちが終始あふれています。深い海に優しい風が流れていく感じです。とても心が落ち着きました。映像も音楽も素晴らしいです。
岸井ゆきのさんが魅力的ですね。アニメーションがありましたが良かったと思います。とても完成度が高い作品です。
#24 秘密とかアニメとか
冒頭と終わりのアニメは個人的に不要だと思う。
電車は来ないだろうけど、先に大地震があったんだから津波が来るかもしれないことはわかるよね。
そこが全く抜け落ちてるのは日本人的に常識なさすぎと思っちゃう。
あと秘密って言うからもっとすごいことかと思ったら拍子抜け。
これも昨今のLGBT教育のおかげか。
女子が運転しないっていうのも不自然。
どういうマッチョさんが作者なの?
友達探しに東北行くなら、三浦透子さん並みに運転しろよ。先輩に運転させないでさ。
どっちかと言うと『女子高生に殺されたい』よりもこっちの方がめちゃ期待してただけにガッカリ感が大きい。
『私たちはどうかしている』で恋敵演じてた2人だから楽しみにしてたのになあ。
浜辺美波さん
浜辺美波さんを見に行った様なものでした。
最初から抑揚のないストーリーで、寝落ちしそうになるのをこらえるのが大変!
いろいろな伏線があるにもかかわらず、その回収がはっきりしないのもストレスです。
津波に飲み込まれる様子をアニメーションで表現するのだが、同様な表現が他の映画でもあったなぁ
奥深い物語だが、、、
多分映画通には響く内容。安いっぽいものではなく観る人がそれぞれ解釈していくような。
ドライブマイカーに似たような感覚。
ミーハーな私はこの手が苦手です。。。
素敵な映画だと思うがつまらなかったです。
何の話しだったのか、、、分からん。
御免なさい。
浜辺美波さんが美しい
こんな浜辺さん見たことない!というくらい、浜辺美波さんがお美しく、輝いていた。
どこかミステリアスな一面のある役どころがとてもハマっていて、今までみてきた浜辺さんとはまた違った一面がみれました。
瞳に引き込まれる
すみれ(浜辺美波)が真奈(岸井ゆきの)を見つめる瞳、
真奈が遠くのすみれを見つめる瞳。
登場人物の瞳の力を感じる、美しい映像だった。
監督の中川龍太郎は、特に「走れ絶望に追いつかれない速さで」以降、
「生と死」「喪失と再生」をテーマにしてきていたのだと思う。
本作も、いなくなった親友(すみれ)への思いをどう受け入れたらいいのか、
もがきながら前へ進んでいく真奈の心情を丁寧に描いている。
題材となるテーマ(喪失と再生)が同じ、かつ普遍的なものとはいえ、
アニメーションやドキュメンタリー手法なども用いており、
静かな作品ながら目が離せない展開だった。
最後、真奈の瞳は何を語っていたのか、
どう感じとるべきかを問いかけてくるようでもあり、心に残る。
映画館で、丁寧に観たい作品。出会えてよかった。
この2年で配信が台頭してきましたが、映画館で映画を観ることの素晴らしさを、
この作品の上映を通して実感しました。
監督、役者、全てのスタッフが心を込めて創り上げた映像を大きなスクリーンで堪能できること、
生活音や他者の介入なく作品に没頭できること。
「やがて海へと届く」という作品自体の素晴らしさは言うまでもありませんが、
本作だけでなく、映画、映画館自体の良さを味わわせてくれる一作でした。
作品については、
自己と他者が重なり合って生きているこの世界の中で、
何を大切にしたら良いのかを問い直される感覚がありました。
当たり前に続くと思いがちな日常は、実はそうではない面をはらんでいるし、
直接的な関連のない出来事も、自分に変化を与える可能性を持っている。
先の見えない社会だからこそ、その変化を恐れるのではなく、
実感を軸に、急ぐことなく丁寧に自分に向き合って生きていきたい、と思いました。
このタイミングでこの作品に出会えてよかったです。
ずっと大切に観つづけたいと思いました。
二人の女優さんが超綺麗で胸がいっぱいになる美しい作品
二人の女優さんと海が主役の美しい映画。
絶対に映画館のスクリーンで観るべき作品。
流れる時間も映像も音も映画館のためのもの。
題名にふさわしく海の映像が素晴らしい。
いろんな表情を見せる海。
海は人間を遥かに超えた永遠の存在であり、みな最後は海に帰っていくのだという感じ。
海辺にいい感じで風が吹いてて、浜辺美波さんの髪が海の風に揺れてるのがとても美しい。
初めて観た女優さんだけれど、もう名前がこの映画にぴったり(笑)だし、すごく綺麗で素晴らしい女優さん。いろいろ微妙な表情の変化と今この年頃でしか出せない眩しい輝き。
とにかく本作のいちばんの魅力はなんと言っても主演の二人の女優さん。
岸井ゆきのさんも浜辺美波さんも役になりきって役を生きていて素晴らしい。
二人のツーショットが美しすぎてすごい尊みを感じる。
二人それぞれに想いを語るスタイルの原作小説をベースにしながら、本作では魅力的な俳優さんたちの演技とか、様々な表情を見せる海の情景とか、ビデオカメラがお守りになっているようなすみれのキャラ設定とか、大震災の被災者の方々のインタビューシーンといった映画向けのアレンジも含めて映画ならではの独自の表現が物語の魅力を増していると思った。
なんと言っても原作より主役の二人がイキイキと生きている感じがするのがすごく良い。役への愛を感じるし。
特に作中のビデオカメラとか留守番電話の使い方が印象的。
声とは、きっと写真よりもずっと生々しくその持ち主のことを思い出させてしまうものではないか。
もう絶対に会うことがかなわない人がいて、でもその人の声はビデオや留守番電話に残っていて声が聞けるという状況では、なかなかその人のことを忘れられないし、その人がこの世界にもう存在しないこと自体もなかなか信じられないだろう。
この映画観ながらそんなことを感じた。
本作はこれまでの中川監督のいろんな作品がこだまのように響きながら、更にいろんな新たなチャレンジを重ねてる意欲作だと思う。
量産型の映画に比べるとかなり実験的要素があるし明るい内容の作品ではないので賛否両論分かれると思うけれど、僕は観てて楽しかったしスターシステムの映画を無難にまとめずにけっこう攻めてるのがすごいなと思った。
浜辺美波さんが美しすぎて心を奪われてしまうので彼女とのデートで行くには危険かもしれないけどw、美しくて素晴らしい作品だと思う。
音楽のような映画
X JAPANの音楽のような激しさと切なさを感じる超大作。
良くも悪くも超大作らしい濃厚なストーリーが一番二番…と展開していく。
ライトな映画ファン層が初見すると少し重たいかも知れないが、この作品に引き込まれていく人も多そう。。。
(個人的には同監督の「走れ、絶望に追いつかれない速さで」の世界観を踏襲している作品と思いました。)
過ぎ去った昔の友人に無性に会いたくなる
観終わってすぐ、アニメーションの美しさと、岸井ゆきの演じる真奈の演技に圧倒されて言葉が出なかった。
浜辺美波の周りには、既にあの世に行っているかのような、怖さにも近い透明感が常に漂う。
帰り道にふと、学生時代のサークルの仲間に会いたくなった。
真奈にとってすみれは、(物理的にも)絶対に帰ってこない存在となり、彼女はその事実と向き合った。
初めはその事に感動していたけれど、自分にも(物理的には会えるけど)もう会わなくなってしまった、会うことをやめてしまった恋人や友達がたくさんいる事に気が付いた。
それは悲しい事なのかもしれないけれど、彼ら彼女らがいて、今の私がいる。
真奈のように、大きな暴力に友人を奪われた訳ではないけれど、社会人になって一人でやっているつもりだった自分も、これまで過ごして来た人との時間や、これから
過ごす人との時間という、大きな世界の中に包まれて生きているのだと思い直す。
だから、会ったところで今更何にもならないかもしれないけれど、あの頃の友達とまた時間を過ごしたいと強く思った。
30歳の今、とても大切な作品になりました。
エモーショナルなドラマがありながら、非常に表象的な映画
岸井ゆきの演じる真奈と、浜辺美波演じるすみれ。
二人の女性の想いとそのすれ違いの切なさを描いたとてもエモーショナルなドラマ。
一方で、「喪失と再生」「記憶と記録」「過去と現在」「生と死」といったテーマを、映像を通して表象的に映し出す映画でもある。
この二つを同時にやり遂げている傑作。
行間を読んで感じる作品
あまり前情報入れずに鑑賞。遠野演じる杉野遥亮さんが舞台挨拶で言っていたように、映像が綺麗なので映画館の大きいスクリーンで見たい。既出のアニメーション部分もしっかり見れた。冒頭からアニメーションが始まり、ラストに繋がる部分もある。
セリフだけではなく、映像や表情から感じとれる事も多いと感じたので、またしっかりと見たいと思わされた。
岸井ゆきのさんは、微妙な感情の機微を演じるのが本当に上手いと今回の作品でも感じた。
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