「クライマックスのご都合展開が気になり最終評価が下がった」BLUE GIANT 仮さんの映画レビュー(感想・評価)
クライマックスのご都合展開が気になり最終評価が下がった
クライマックス手前までは引き込まれて観ていました。ライブシーンの金色でサックスの演出をしたり、演奏シーン1曲分をアニメーションで盛り上げて作られていてすごいなと。金色が反射するところなど綺麗で、ジャズのことがあまりわからなくても楽しむことができました。
また、映画上映中のSNSの感想などが高評価なものが多く、安心して観ていました。本当に楽しんで観ていたのです。
でも、あの事故はなんなのか…。クライマックスの事故展開が、あまりにストーリーの進行の都合のために取ってつけたみたいになっていないか?
作者の力量がなく、作者の都合でキャラが巻き込まれたようにしか見えずそこがあまりにも微妙だった。事故に遭うシーンも、なんで仕事中に空をぼーっと見上げる…?と思ったら、思った通りの車の突っ込み方でした。ふわふわを一瞬にして壊すみたいな突然感のある突っ込み方。映画を見終わった後、気になって漫画の評価も見に行きました。やっぱり連載当時はこの事故に対して同じように思う人が結構いたみたいです。どうしてもこの展開にする必要はあったのか?と賛否両論だったと。雪祈が努力してきた回想シーンを何回も挟んでいたり、楽器と触れ合っていた期間も一番長くて、一番色々考えてきたキャラという印象を付けたキャラを事故に合わせれば物語が一番揺さぶられるからそうした…というふうにしか感じられなかった。その型に当てはまれば3人のうち誰でも、雪祈でなくともよかったのだろうなとすら思えるほど取ってつけたような展開と思った。
何も言わずオススメ映画だよということで家族にも観せたけど同じことを思ったらしく、映画の感想はスッキリしなくてむしろ憤慨していました。右手である必要性が感じられなかった、足とかにしておけばまだわかった、と。また、ライブに出るなら重体ではなくそれなりのダメージにしておけばまだ展開に違和感はなかった。セリフで重体という情報があったのにあんなすぐにライブに出られるわけがない…と思いました。
3Dが違和感なことなど細かな点もツッコまれているけど、とにかくフラグが立つ→事故展開がありきたりで、古い漫画でなければちょっと赦せない展開の甘さだなと思ったのですが、調べたら2016年頃にこのクライマックスを描かれていたようで、そこがまたとても微妙でした。
そのほか、私と家族が思った感想は、素人がそんな短期間にその年齢から上手くなるのは難しいのではないか、ドラムの子は本当に素人なのにそんな大舞台にトントン拍子に出れるわけがないのではないか、ミスばかりしてる素人のドラムにお金を払ってまで見たいお客さんはあまりいないと思うので店の格を下げてまで人情でステージに上げてしまうのすら少し無理があるように感じられた、事故に遭って重体というセリフがあったのにライブに出られるわけがないしあんなボロボロな人に演奏されても普通は心配で客の立場からしたら演奏を聴くのに集中できず楽しめない、身内くらいしかお客がいないとはいえジャズ界の東京ドームへお金を払って観賞に来ている設定なのに事故展開のせいでクライマックスなのに不完全な演奏しか聴けない状況になってしまって残念、雪ちゃん呼びの女性ファンが悪目立ちしていて逆に邪魔。
好きなシーンは豆腐屋さんなど、お客さんにも人生背景があって、わざわざ観にきてくれてるんだということの描写や、JASSの3人の人柄に好感が持てるところ、雪祈が限界突破して壁を乗り越えるところです。
あと立川譲監督が好きなのでこの監督らしい演出が見られたのは嬉しかった。家族は、前に進めない人や行動に起こせない人が観たら背中を押してもらえそうでそこは良かったと思うと言っていた。
最近日本人の知能が本当に下がったと思う。せいぜい高くても⭐︎3.8かと思って見に来たら4.2なことに驚く。同じような感想を抱く方が少数だが居て少し安心した。