「大の演奏スタイルは斬新」BLUE GIANT ダークブライトさんの映画レビュー(感想・評価)
大の演奏スタイルは斬新
2月公開で5月13日現在も公開中で、しかも満席ですよ。立派な大ヒット作だと思います。
他の人のレビューを見ても音楽を絶賛している人が多い。
そう、私も音楽は大絶賛です。
でもストーリーもアニメーションもそこまでではない気がします。
何て言うか「もっかい見たい」とは思えないのよね。
観て良かったとは思います。ライブ感溢れる演奏も良かったです。でもそれ以上の好意的な考察とか振り返りとかあんまりできないのです。
何ていうか我武者羅な天才のサクセスストーリーてだけなんだよね。主人公の大はほぼ葛藤も挫折もなし。自分を信じ目指す頂点へ一直線。上手いとか下手とかじゃあない。自分の感情を音楽に乗せて吐き出す。それを周りが認めどんどん突き進む。
本当に頂点を目指す奴はこんな風に突き進んで行くんだろうとな思う。
ジャズだけでなくどんな世界でも。
雪の降り積もる河原や巨大な橋の下で練習している大を描いていたけど、彼にとってあれは努力でも頑張りでも何でもない。好きでやっていること。やれる場所がそこしか無いからそこでやっているだけ。好きだからやっているだけ。努力してるんじゃない。好きな事をやりたいようにやった結果が評価されているだけ。
でもね、あんな風に野外で練習していれば冷やかしや嫌がらせとかありそうなんだけど、そういう描写はないでしょ。そういうのがちょっとシラケる。
しかしライブ中の大の吹き方はなかなか斬新だとおもう。ダサカッコイイみたいな?
作中で「ジャズは瀕死」みたいなセリフがあったと思うのですが、そりゃ黄金期からすれば瀕死状態かもしれないけど、他のクラシック音楽や演歌や民謡とかピークは過ぎたけどずっと続いている熱い音楽文化と同じだと思うのですよ。
ジャズは死なない、と思う。
なんか不評っぽくなってしまいましたがそんなことはありません。
ジャズを感じる良い作品だと思います。