劇場公開日 2023年2月17日

「贅沢な音楽!映画館でこそ観るべき作品」BLUE GIANT kitsuneさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5贅沢な音楽!映画館でこそ観るべき作品

2023年3月24日
iPhoneアプリから投稿

人気漫画の映画化で、色眼鏡で見る方も多いとは思いますし、私自身もその一人でした。

しかしそもそも、JAZZという本作品のテーマは映像化にあたり親和性の高いものです。否が応でも高まる期待について、本作はいともあっさりと超えてきました。本当に見事な楽曲、演奏、演出。これこそ映画化をする意味であり、映画館の音響で、音を浴びるように聴くべき作品だったと感じます。

原作を既読でしたが、映画のライブシーンでは、原作でも流れなかった涙が自然と溢れてきました。

もちろん、散々言及されている3D-CG部分については確かに稚拙な印象を受けます。
特に同時期に、圧倒的なクオリティで世に出している某バスケ映画もあることですし…。
けれども本作において、それは枝葉末節に過ぎないのではないでしょうか。
肝はあくまでも楽曲であり、限られた予算はそちらに全振りするという選択も、正解であったと思います。

そして誰もが認めるであろう最大のMVPは、楽曲提供のみならず実際の演奏までをも手掛けたジャズピアニスト上原ひろみ氏でしょう。氏の多大なる貢献は、主人公・宮本大の劇中のセリフにもあるような、「JAZZの普及」に通じるものがあると考えます。

ぜひとも劇場で観賞するべき名作です。

kitsune