「やはり無理がある」BLUE GIANT SSさんの映画レビュー(感想・評価)
やはり無理がある
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映画化にあたり、東京編のみで一作品にまとめるのは無理があると思った。
まず、主人公である宮本大固有のエピソードがほとんどなかった。
仙台編を端折ったせいでジャズプレイヤーを目指すきっかけや努力の軌跡や家族との絆などのバックボーンの説明に乏しく、むだに前向きで独りよがりな安っぽい少年漫画の主人公のように見えてしまった。あらためて東京編は大ではなくユキノリと玉田の成長物語なんだなと思った。
また最後の脚本改変も良くない。
原作では不幸な事故のあとユキノリの口から解散を切り出させたことにダイが激しく自己嫌悪に陥り、そこからの海外への挑戦を決意するという流れが感動を生むのに、妙な達成感、前向きな解散からの明るい海外渡航になっている(悲しい事があっても後ろを振り返らず「へでもねっちゃ」と自らを鼓舞するのが良かったのに)。
そもそも車にはねられて重体の患者が2日であんなに元気に演奏できる訳がない。バキの死刑囚編の加藤清澄じゃないんだから。
良かったのは劇中のオリジナル曲である『FIRST NOTE』と『N.E.W』が実際の曲として(しかもかなりカッコ良い)聞けた事と、間宮祥太朗のユキノリ役が思いのほかハマっていた事くらいか。
海外編は映画の尺でまとめるとエライご都合主義展開になるから続編は無理だろうなあ
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