劇場公開日 2021年12月17日

  • 予告編を見る

「24時間365日、「ジョン・ベルーシ」であり続けるということ」BELUSHI ベルーシ jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.024時間365日、「ジョン・ベルーシ」であり続けるということ

2023年11月7日
PCから投稿

22歳で地元シカゴのコメディー劇団、ザ・セカンド・シティの初舞台。
24歳でナショナル・ランプーン・ラジオアワーに出演。
26歳でサタデー・ナイト・ライブに出演。
27歳で高校の同級生ジュディスと結婚。
29歳で映画アニマル・ハウスに出演。
30歳で映画1941に出演、サタデー・ナイト・ライブを卒業。
31歳で映画ブルース・ブラザースに出演。
33歳でドラッグの過剰摂取により急死。

レストランを経営するアルバニア移民の両親の元、4人兄弟の長男として生まれたジョン・ベルーシ。
スポーツも、音楽も、なんでもできるけど何者でもない男だった彼。
そんな男がコメディ俳優として舞台上で大暴れし、ほんの10年そこそこで世界中の人気者となった。
全てを手に入れた絶頂時、ドラッグの過剰摂取で急死してしまう。
生き方は全てがパロディだったが、死に方は本物のロックスターのよう。
皮肉な話だ。
彼の特異なキャラクターは死後40年過ぎた今も、映画の中で輝きを放っている。
本作で紹介される妻へ宛てた本人直筆の手紙の文面には、彼が心の内に抱えた空虚感が滲んでいる。
その正体がなんなのか、彼自身にもよくわからないというもどかしさ。
「ジョン・ベルーシ」というキャラクターは誰にもコントロールできなかった。
もちろん、自分自身にも。

彼の音楽について
 元々彼が好きな音楽は、レッド・ツェッペリンやブラック・サバスといったハードロックだった。高校時代はレイブンズというバンドでドラムを叩き、シングルを1枚録音している。シカゴに住んでいたことがあるくせに、彼はブルースをまったく知らなかった。そんな彼が黒人音楽マニアのダン・エイクロイドの影響で大量のブルースレコードを買い漁るようになり、ついにはブルース・ブラザーズを結成。ディスコブームの影で下火になりつつあった黒人音楽の見直しに多大な貢献を果たした。ただ、本作によれば、彼はその後パンクバンドのドラマーへ転向していたという…。

jin-inu