LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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【”異形・・”子を亡くした若夫婦に突然訪れた束の間の”幸せ”と、自然が産み出した人智を越えた”畏怖すべきモノ”の所業を荒涼たるアイスランドの山間地を背景に描いたダーク・ファンタジー作品。】
ー 近年の”異形”映画と言えば”ボーダー 二つの世界”(スェーデン映画)を思い出すが、北欧は長き冬により、昔からファンタジー作品が多数作られてきたのは、御承知の通りである。
トーベ・ヤンソンによる”ムーミン”も、ムーミン・トロールという異形の生き物たちを描いた作品なのである。-
◆感想
・冒頭から、台詞は暫くない。
荒涼たる雪原の中、羊の世話をするイングヴァル(ヒルミル・スナイル・グズナソン)と、マリア(ノオミ・パラス:ある意味、異形・・。スイマセン・・。)夫婦には笑顔はない。そして、画面は灰色の自然を写し出すとともに、異様な不穏感が漲っている。
ー 二人の数少ない会話から、彼らの子が亡くなっている事が分かる。そして、後半はその娘アダの墓も映る。-
・クリスマスの晩、白い羊が倒れる。扉は開いている・・。
そして、一等の羊が、”異形”を産み落とす。
ー だが、イングヴァルの表情は和らぎ、”異形”にアダと亡くした娘の名を付け、可愛がる。-
・そこに戻ってきたイングヴァルの弟ペートゥルは、”アダ”を見て驚く。(そりゃ、そーだ)そして、彼は”アダ”を連れ荒野に出て、撃ち殺そうとするが・・。
ー 今作で残念なのは、ペートゥルの位置づけが良く分からない所である。マリアに言い寄ったり、彼を何のために映画に出演させたのだろう・・。-
・”アダ”を産み落とした羊は、毎日我が子がいる部屋の前に来て鳴き続けるが、マリアは容赦なくその羊の眉間を撃ち抜く・・。
<そして、故障したトラクターを修理しに行ったイングヴァルの前に現れた、自然の産み出した”畏怖すべきモノ”。
”それ”は、無慈悲に彼を撃ち殺し、”アダ”と共に山へ戻る。
今作は、自然界には人間の知らない異形が多数いるという事を暗喩する、ダーク・ファンタジー作品である。>
■隣席の若者が、”アダ”の姿にクスクス笑っていたのが、自然の産み出した”畏怖すべきモノ”が現れた途端に、静になった事を思い出します・・。
彼は何なんだ
アイスランドの寒々しい山間の羊飼いの夫婦に、もたらされる新しいアダ。
羊たちのシーンをじっくり魅せる冒頭以降は、羊たちの姿がない。
あの子のことを考えて殺された彼女以外売り飛ばしてしまったのか、そうも思えない。
どう生活しているやらだし。
アダはアダで水面や鏡に映る自分の容姿が両親たちと違うことに思い悩む姿も見える。
そして現れる彼。
最初、てっきり夫の方が犯した過ちの因果なのかとも思ったがさにあらず。
すごく雰囲気のよかった(妖しさや神秘性)序盤から、ありゃ、と肩透かしをくらった中盤以降。
締めも、納得することはなくても、もう少し何かなかったのかね。
アイスランドでの伝承とかがモチーフなのだろうか。それならベースがないからわかるけど。。
ワールドカップシーンだけは、若干シンパシーあった。
イミアリイミナシイミイミ
かなり期待していた今作。特別多く情報も入っていなかったので、まっさらな状態で観れることも良かったですし、当日は祝日とはいえ満席。もっと上映館数増やせば良かったのに…なとも思いつつ。
かなり深く考える物語かなと少し身構えていたのですが、良くも悪くもそこまで頭を使わなくていい作品だったなというのが最終印象です。
羊飼いの夫婦が、ある日生まれた羊のようで羊ではない何かを育て始めるところから物語がグッと進みます。冒頭15分くらいは大きく展開もなく、台詞自体もかなり少ないのでモヤモヤしますが、その我慢した分が動きが出した展開での異常性を強めているなと思いました。途中よく鳴く羊を撃ち殺すシーンは衝撃的でしたがひっそりと後半に繋がっていきます。
最初はちょい人間ぽいなと思う程度の体でしたが、成長していくたびに人間の子供の姿になっていくので、初見のインパクトが凄かったです。アニメでのデフォルメされた人間と動物の合体は笑って見れましたが、ここまでリアルになると笑うに笑えませんでした。容姿ではないですが「ビバリウム」の子供が大人の声を発した際に感じた不気味さがここにも存在していました。
途中で転がり込んできた旦那の弟にしれーっと羊人間を紹介するシーンは唐突なコメディで面白かったですが、夫婦は大真面目なので違和感を強く感じました。そりゃ弟はずっと疑ってかかるし、それでも兄からは「俺たちの幸せを邪魔しないでくれ」と言われるしで、弟と同じくらいモヤモヤとさせられました。唐突に羊娘アダと仲良くなっていたのは不思議でしたが、これはいい具合に終盤に繋がっていきます。
途中全く関係のないハンドボールのシーンがありましたが、あれは本当に意味の無い茶番だったなと思いました。楽しそうだったのは何よりです。
筋肉モリモリマッチョの羊(多分アダのお父さん)が銃で思いっきり旦那を撃ち殺したシーンは、妻がアダの実の母親を殺した腹いせもとい復讐のように思えました。少し弾けてはいますが、異常性を保ち続けて物語を終わらせたのはいい判断だったなと思いました。でもイッヌまで撃たないでも…。
所持していた銃は弟がアダを殺そうとした瞬間に現れて脅迫してなんらかの力で自身の思いを弟に伝え、銃を奪い取り、弟は旦那が殺される事を察し、妻をどうにかして現実から目を背けさせようとして誘惑していたんだろうなと解釈しました。あの切ない表情はそうだったのではと考えざるを得ません。
一章、二章に伏線を貼り、三章でサラッと回収するという感じで、あまり物語自体に多くのメタファーが込められていたり、強いメッセージ性が秘められているわけでは無かったです。そのためスローな展開や説明不足な点が気がかりとなり、面白さが爆発することは無かったです。A24の独特な視点で作られる映画たちのアイデアはとても好きなので、ぜひ物語としても面白いと思える作品をこれからも観続けていきたいです。
鑑賞日 9/23
鑑賞時間 13:10〜15:05
座席 D-11
深く考えてはいけない
終始展開はスローなので伏線があるかも?!と思いつつ(眠気を我慢し)鑑賞
『因果応報』つてことなのだろうと納得させ、
ヤギの父親のヤギ人間ってなんなんだ?!という疑問さえ抱かなければ納得のオチの作品。
気持ち悪いが引き込まれた
アイスランドの山間部で羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会った。すると、顔や右手は羊だが脚や左手が人間の何か変わった生物が産まれてきた。
娘を亡くしていた2人は、その羊人間のような生物に死んだ娘と同じ、アダ、と名付け育てることにした。アダとの生活は幸せな時間だったが、マリアはアダを生んだ母羊を射殺し、それを義弟に見られ・・・さてどうなる、という話。
なんか気持ち悪い結末だったが、引き込まれた。最後のアレは何だったのだろう?アレと羊がセックスしたって事なのかな?
子を亡くした母親って狂ってしまうのだろうか?
アイスランドの山や壮大な風景が美しかった。あの景色を見てると、また行ってみたくなった。
マリア役のノオミ・ラパスが名演技だった。スウェーデン人だと思ってたが、アイスランド語など5ヶ国語が話せる女優なんだと知った。
これはいったい…ラストにはまさかこうなるとは…
ポスターにも載ってますがまさに産まれてくるのは羊の頭、右腕をした人型のものです。名前はアダです。アイルランド田舎で羊を育て暮らしている夫婦。そんなある日1匹の羊からアダ生誕。途中で旦那の弟が金欠のため実家に帰る。アダの存在に動揺するも受け入れるも、今度は妻を誘惑。なんとか家を出て行かせ弟をバス停まで送る妻、前日トラクターが故障しアダと現場に行く夫。そして…
登場人物が基本3人なのでセリフもさることながらテンポはゆっくり。アダの異質な存在を天の贈り物と称する夫婦だが、物事には必ずと言っていいほど理由があるのかもしれない。
🐏🐑🐏🐑🐏。
羊飼い夫婦の生活
淡々と進み、途中異物(夫の弟)が割り込んでくるがまぁヒドイことにならんくてよかったあ、と思ったらこのラスト。
アダのビジュアルがだいぶショッキングだけど、基本的に夫婦二人だけ、訪ねてくる人も夫の弟一人くらいしかいない環境でノビノビ服着て二足歩行してるのを見てるうちに可愛らしく思えてきます。実際カワイイです。見慣れると。
そして、弟が去って安堵したところで犬が殺されたり不安が高まり、衝撃のラスト。
突然成体の羊人間(低品質CG)が現れて夫を撃ち殺す。アダを連れ去り、残された妻の嗚咽。終わり。
第二部でアダが羊人間の群れを率いて育てのお母さんマリアを訪ねるのを楽しみにしてます。
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