LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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荒寥とした大地で育まれるものとは
雄大というにはあまりに寂しいアイスランドの大地、二人きりで羊を飼い、緑の少ない土地を耕して暮らす夫婦。近隣に家はなく他人との交わりもほとんどなさそうな暮らしを淡々と営むふたりに、唐突に訪れた異形の「幸せ」。それを疑問すら抱かずに愛し、育む妻。そして、ふたりの脆い世界を守るため、すべてに目を瞑り受け入れて共に静かに狂っていく夫。
個人的には、空気の冷たさが感じられるような寂寞とした風景が好きだし、異形ものは好物だからトータルでは嫌いじゃないし、なかなか印象深い作品だった。特に、異形たちの眼の表情がちょっと忘れがたい。
でも、設定だけでほぼすべてが終わってしまっている映画、と言えなくもないんだよね。冒頭から思わせぶりな、伏線的要素が散りばめられている割に、収束のさせかたとエンディングに関して映画としてはもう少し練ってほしかった気がしてしまう。インパクトのある設定を活かし切ってないというか…つまりは印象的なのに、説明しようとすると微妙な映画。その微妙さ、つまり居心地や後味の悪さが狙いなのかもしれないけれど。
なんか動物がかわいい。
昔「山の焚き火」という映画あったけど、こういう大自然にぽつんと人間放り出されると、弱さも強さも、色んなものくっきり見えて面白い。さらに見えないはずの物が見えたり、、どうにもならない自然への畏怖の念とか、、プリミティブな信仰ってこうやって生まれるんだなと思う。
まあ、不条理、サイコホラー、サスペンス、、なかなかこれと言う言葉も思いつかないけど、復讐劇でわある。
美しい景色と重苦しく禍々しい景色が表裏一体。
少ない台詞、最小限の説明。3つのお墓。
猫も犬もそれとどう向き合っていいのか困惑している。
好きだなー、好きな世界だなー、、、
しかし、落ちだけがなんだか残念な気がする。
同じ落ちだとしても、もう少し暈して、いろんな解釈出来る様にしてくれてたら、好きになってたかもしれない、、、、。
めちゃ笑える!!
怖さと笑いは紙一重だよなあ。弟が現れてから吹き出すシーンがいっぱいあるけど、笑ってはいけない空気。
ノオミラパスは、どんな突飛な設定でも、リアリティがあって観客を納得させる力があるのがすごい。
台詞少ないけど、美しい風景や表情のない羊たちの動き、犬、猫、みんなで世界とストーリーを紡ぎ出してるのがすごい。
状況が少しずつ明かされるけど、そこまでも飽きさせない絵の力。
途中まで、アダちゃんはホントのパパの子供?と疑ってたけど、そんなわけなかったですね。
あと、パパとその弟、顔の見分けがつかなくて一人ずつで出てこられたら混乱してました😅せめて、髭なしと有りとか、どっちか眼鏡とかにしてもらえたらなあ…
一応状況はこうかな?
幼い娘を亡くした夫婦2人で羊の酪農やってる。(食肉か乳か?)
クリスマスの日、野生の馬の群がビビってる。何かモンスター出現?同日、飼われてる羊たちの小屋にも何かがやってくる。馬をビビらせたものと同じ。(そしてそれは飼われてる雌羊をはらませる)
次々子羊が生まれる中、半獣半人がうまれ、夫婦が亡くなった娘の名を付け、人として育て始める。生んだ母羊は子羊に執着し続けるが…。
酪農家の弟(元ミュージシャンのクズ)がやってくる。どうも兄嫁と訳あり。たぶん若いときにつきあってた。そのことを兄は知らない。彼は偶然兄嫁マリアがアダちゃんの実母ひつじを殺すところを目撃。
兄嫁マリアは何度も大きな羊たちの夢や、アダちゃんが義弟に殺される夢を見る。(以下略)
不思議な魅力のミニシアター向け映画
まあ、そういう因果応報だよねっていうお話。
超自然な環境で超常現象が起きる。
都会育ちとしては山と川の広大な緑しかない圧倒的自然がもう不安になるのです。警察も救急車もすぐ来てくれないしAmazonですら配達に来てくれなさそう…!それどころかネットすらないのでは?と全く別角度から勝手に不安を煽られる舞台設定。
情報がポスターしか見てなかったので途中までアイスランドと分からず、序盤で羊飼いの夫婦に訪れた僥倖にはかなり驚いた。それを当たり前に、そして嬉しそうに受け入れてる夫婦。え、何、どういう世界線?と思いつつ観ていると食卓を囲むシーンなど今度はコントのように見えてきて笑いを堪えながら鑑賞。
ただそれもしばらくすると慣れてきて、次は何が起こるのかと期待していたけれども特に変化は起きず。
このあたり、展開の無さに退屈する人は多いような気はする。
そして物語は唐突に終わる訳で、引っ張った割には…と思ってしまうあっさり塩味仕上げ。
おそらく、あまり理詰めで考察するような類の映画ではなく、あの圧倒的な超自然環境でおよそ科学の力が及ばない超常現象が起きたら怖いよねっていうのを実現させた作品。
雰囲気映画と言うと軽いけれど、そういう映し出される空気感を楽しむものなのかなと。
ホラーとしては弱く、ましてやミステリーでも無い。娯楽映画としては物語の起伏に欠ける。でも一部の人を魅了するものは持っている。そんな映画。
この手の映画は日本劇場未公開となりそうなのになぁと思って調べたら配給がA24で、なるほどと合点がいきました。やはりまだA24自体がファンを握っているという事なのでしょうか。
個人的には、映画館で観てなければほぼ確実にヨギボーの上で観ながらスヤスヤと寝落ちしてると思います。あの羊のように…
観る人に依ってジャンルが違う作品
幸せとは?
幸せってなんなんだろうって考えながら観てました。この夫婦にとっての幸せ、それは何なのか。幸せを守るために邪魔物は排除する。誰もが行うことでもある。それは権利ではある…。
不思議な話だし、たんたんと進みつつも結末もまた何とも不思議です。その分いろいろと考えさせられるとても興味深い映画でした。マリアという名の主人公。そして羊。キリスト教が絡んでるんだろうな。そうなると作者の意図するところの理解にはキリスト教の勉強が必要になるのかな。
冒頭のタイムトラベルについての夫婦の会話、水面に写る自分の姿を見るアダ、アダに銃口を向けたペートゥル…。一つ一つの会話や映像が後になっていろいろと思い起こされ考えさせられる重い映画でした。
幸せそうだが、常に微かに感じる禍々しさ
なかなかこの世界観は好き。
どう、とれば?
「白夜」
セーターはウール100%ですかね
アイスランドで牧羊をする夫婦の飼う羊から異形の子供が産まれて巻き起こる話。
今が幸せとは言うが戻りたい過去を持つ夫婦のもとに、なんの前触れもなく産まれたその子供を、夫婦は羊舎から住居へ連れて行き…。
暫くの間頭しか見せないけれど、まあ、想像はつきますよね。
そしてどうやってそんな遠くまで?なところでようやく身体が映し出されて…。
後ろめたさからくる3115へのおののきをそこまで強く見せておいて、父親のことはこれっぽちも考えないものですかね?とちょい疑問も浮かぶし、弟の登場で少し引っかき回すところはあるけれど、状況を受け入れてただただ幸せに過ごす様を長々とみせられて飽きてくる。
幸せな描写が長いのは、ぶち壊した時のギャップの為なんだろうけれど幾らなんでもね。
そして犬のフリがありつつのラストの展開は、なんとな~く想像できるオチの中でもかなりマイルドのもので、それだけ?という物足りなさと中途半端さをを強く感じた。
その深みには満足
羊を堪能した。
人間は自然に生かされている
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