劇場公開日 2022年5月6日

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「この時期に観るからこそ、の思い」マイスモールランド chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この時期に観るからこそ、の思い

2022年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

移民、難民、人ごとのように思っていた「ほかの国の出来事」が、決して他人事ではないという思いを持つ2022年  世界中のどの国でもあのニュースがきっとトップで連日取り上げられていて、ささやかなごくごく普通の人々の暮らしが脅かされている歴史の場面を私たちは見ている  おそらく将来の教科書にも載るような、様々な理屈をでっちあげて戦争というものが起こっているのを見ている
クルドの話はそれとは違うけれども、民族が迫害を受けてきた歴史に、私たちは関心を持たな過ぎているのは確かだろう  埼玉県に幼いころ住んでいた自分は、京浜東北線で川口駅から赤羽駅の間を流れる荒川を渡って、「なんと大きな川だろう」と思った  その一本の川すら渡れない、「難民」を苦しめる入管のあり様を、丁寧に取材されて観るものによく伝えてくれている
この話も現在進行中のことであるし、自分ではどうしようもない運命に、今も懸命に闘われておられることに熱くなりました  池脇千鶴さんは前作「半世界」同様たくましい母親役に、池田良さんは屈折している「おじさん」の役に、よくはまっていました
嬉しかったのは大家役の小倉一郎さん、50年くらい前TBSの木下惠介アワーの常連で、小心者をよく演じられていましたが、懐かしく拝見しました
この時期に出会って、闘う人々への思いを深く持ちました                  (5月12日 なんばパークスシネマにて鑑賞)

chikuhou
Mさんのコメント
2023年8月27日

クルド人の人たちのことなんて考えたこともなかったし、知ろうともしていなかったので、見てよかったな、と思える映画でした。
戸田公園の辺りの橋は何度か通ったことがありますが、日本人なら県境のことなど意識したこともないと思います。
まずは「知る」ことが大切だと気づかされた映画でした。

M