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映画レビュー
ストーリーより演技が◎
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高校バレー部の先輩後輩だった二人の女性のドラマ。あまりアートらしさはなく、どちらかといえば叙事的に綴られるストーリー。章に分ける必要があったのか、ちょっと疑問。
最後に本音をぶつけ合うところは見ごたえがあった。それまでは自分のセクシャリティに嘘をつかず堂々と振る舞って見えていた後輩も、実は異性に恋することができなかった自分への失望や家族や周囲に対するうしろめたさとずっと戦っていたんだということが分かり、その上であの溢れんばかりの愛情表現だったんだと分かって胸が熱くなる。
ただ、この二人は付き合っても傷つけ合うばかりになりそう。夫が自分(がしている育児の大変さなど)を分かってくれない、それに引きかえ、後輩は分かってくれる、というように、現状への不満や比較がベースにある好意はいかにも脆そうで。この映画の紹介文で、主人公が後輩との再会で「自分を発見」するとあるんだけど、そうではないと思ったな。女性を好きな自分、後輩を好きな自分を発見したわけではないと思う。それでも後輩ちゃんは彼氏のほうを大慌てで振るんでしょう、きっと。
ストーリーの良し悪しはさておき、主演のザイザイ・リンとルゥルゥ・チェンの演技は迫真。後輩の好意を受け流し慣れている先輩と、好きが目から溢れてる後輩。こんなに力のある俳優たちがまじめに演じる女性×女性の映画が作られる台湾、うらやましいと思った。
これが今年の東京国際映画祭で観た最後の1本。ヒューマントラストシネマ有楽町はなぜかマンゴーラッシーがあって、なかなか美味しかった。
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