劇場公開日 2023年1月20日

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「目には目を・・・」母の聖戦 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5目には目を・・・

2023年1月28日
PCから投稿

悲しい

怖い

メキシコにて、誘拐された娘を取り戻す為に身代金を払うも娘は帰ってこず、警察も誰も助けてくれないことから、自ら犯罪組織を追うことを決意した母親の物語。

終始、陰鬱な雰囲気の狂おしい作品。

罪のない娘が攫われ、こちらもまた罪もない母親が苦しむ・・・う~ん、こんなことがあって良いハズは・・・。

そんなことを思っても、所謂誘拐ビジネスというやつは、メキシコにおいて年間何万件、実態はそれ以上にあるというのだから恐ろしいですね。

序盤から、誘拐ビジネスをする男達には途方もない怒りを覚える。そして頼れるものがいないと悟った母親が単身捜査に乗り出す姿は非常に見応えがある。針の穴程の小さな情報・希望から娘を探そうと動く姿は、まさに強き母の意志を感じる。。

悪者のアジトで見つかる数々のものには戦慄を覚える。こんな所に大切な人が・・・と思うと、それだけで苦しいですね。

また、メキシコの葬儀社の実態も酷いですね…。彼女も彼女で恐ろしい何かと闘っている。
味方の軍隊中尉も、相手が女性でも容赦がないですね。
まぁ、こんな恐ろしいことをするやつらに、生ぬるい正義なんかが役立つわけもなく…。まさに目には目を、といった手が必要になりますね。

そんな感じで、中盤まではゾクゾクとするような展開が続くものの、いよいよ物語が動くかと思った所からは、ブレーキを踏んだままアクセルも踏むような、どうにもテンポの良くない展開が続き・・・。

尺自体も130分越えのやや長めなのに、その先に辿り着くのがこういう終わらせ方とは、、、ワタクシとしてはもうちょっとストンと落ちるモノが欲しいと思ってしまいましたね。

メキシコって治安が悪いイメージはガッツリあるけど、それにしてもこんな誘拐ビジネスや麻薬カルテルや悪魔崇拝みたいな作品が殆どですよね。本当に怖すぎる。

映画としては、中盤まではかなりの傑作になる予感がしたものの、後半が少しダレてしまったのが残念。まぁでも、楽しむって感じの作品ではないし、リアリティを描いているわけなので、こうもなるのかな。

本当に、こんな思いをする家族が増えてほしくないと心から思わされた作品だった。

MAR