ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
全63件中、61~63件目を表示
【”グッチ・オブ・グラス・・” 一流ファッションブランド同族一族の栄枯盛衰を、豪華過ぎるキャスト、衣装、意匠で華麗に描いた作品。レディー・ガガの演技及び存在感が、圧巻である作品でもある。】
ー 1995年3月27日 イタリア・ミラノで起きた一流ファッションブランド、グッチの経営者だったマウリツィオ・グッチ(今作では、アダム・ドライバーが演じている)の暗殺事件は、何となく記憶にあった。
今作は、その運命の日から始まり、終わる。見事な構成である。-
◆感想
・マウリツィオ・グッチと恋に落ち、妻になったパトリツィアを演じたレディー・ガガの演技及び存在感が、圧巻である。
- パーティでの出会いから”狙った獲物は逃がさない”図書館での再会シーン。
そして、保守的で気難しい、父ロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ!)との確執に乗じて、マウリツィオの伯父アルド(アル・パチーノ!)の庇護を取り付け、一気に結婚に持って行く、パトリツィアのど根性。
最初は、純粋な愛だったのであろうが、グッチ家の内情を知るうちに、彼女の中に自然に芽生えたモノ・・。ー
・パトリツィアだけでなく、グッチ家のアルドやその息子パオロ(ジャレッド・レト!)の、醸し出すエゴ剥き出しのパワーも、演者として凄い。
- 当たり前である。名優をどれだけ起用するんだ(出来るんだ)!リドリー・スコット監督!-
・マウリツィオが、脱税により一年収監され、パオロも当てにならない中、一度は父と決裂したマウリツィオ・グッチがパトリツィアの介在もあり、和解し、社業を大胆に路線変更して行く姿。
だが、マウリツィオ・グッチの心は、昔のガールフレンドに傾いて行って・・。
- この、マウリツィオ・グッチの心の変遷をもう少し丁寧に描いて欲しかったなあ・・。
社業の路線変更の際に、トム・フォードが重要な役割を果たしていた事は知らなかったよ。-
・パトリツィアが、心の寂しさを埋めるために、徐々に依存していく怪しげな占い師ピーナ(サルマ・ハエック)との関係性は、分かる気がするなあ。
- そして、二人で企ててしまった恐ろしき事・・。-
<同族で形成されていたファッションブランド名門企業が、経営者暗殺に至る内紛を、様々な駆け引き、骨肉の争いを通して、“華麗”に描いた作品。
エンドで流れる”現在のグッチの構成”を語るシニカルな言葉。
グッチ一族が、緩やかに崩壊していく姿を、当時のカルチャーの変遷を交えて描いた作品。
”天は二物を与える”を地で行くレディー・ガガの熱演、圧倒的な存在感が印象的な作品でもある。>
屈身ついでにレディー・ガガ
本作はレディー・ガガ演じる悪女パトリツィアが自身の「屈身」・・・いや「屈折」とともに
わが身もろとも華麗なるグッチ一族を崩壊させた「3代目グッチ社長暗殺事件」から着想を得たという血なまぐさい同族間の経営権争いと夫婦の愛憎劇である。
パトリツィア演じるレディー・ガガの妖艶さとうさん臭さは絶妙で、
持ち前の野心が仇となり(劇中のセリフにも出てくるが)グッチ家というケーキに群がるアリ、いやシロアリのごとく、権謀術数・人心掌握でグッチ家を崩壊させ、一方で嫉妬に狂い夫を殺害させる狂気の悪女を演じている。
そして、そのシロアリを家に招き入れ、誑かされ、彼女によってダークサイドに墜ち、結局自身すら喰われてしまった3代目グッチ社長・マウリツィオをアダム・ドライバーが演じている。
また、グッチ一族も曲者ぞろい。
マウリツィオの叔父にあたる2代目社長・アルドをアル・パチーノが
その息子のパオロをジャレット・レトがそれぞれ怪演。
アルドは経営の才には長けているが、品性も経営者としての矜持もとてもまともとは言えない拝金主義の意地汚い狸おやじ。
そのバカ息子はグッチファミリーの面を汚さんばかりの美的センスの無さとおつむの弱い短絡的な困ったちゃんである。
唯一まともだったのはマウリツィオの父・ロドルフォ。
多少昔気質でお高くとまっているところはあるが、ブランドの伝統に誇りをもち芸術に対しても、人物に対しても確かな「審美眼」を持つ数少ない良識ある登場人物のひとりだ。
彼は息子が連れてきたパトリツィアの「危険性」をいち早く察知しており、自身が死の間際息子に語る「グッチを頼んだぞ」というセリフは今思えばとても切なく感じる。
彼こそがグッチ家の防虫剤だったかもしれない。
さらにグッチ家の「執事」やパトリツィアの心の拠り所となる「占い師」、マウリツィオの「浮気相手」の存在がこの悲劇にアクセントを加えてくれる。
「どんな資産家でも3代で財産がなくなる。」という言葉がある。
皮肉にもこの物語はその言葉を象徴した物語であるともいえよう。
「GUCCI」というブランドは残ったが創業者一族の血統は経済界という表舞台から完全に抹消された。
熟女トロール
ショーンペン以来の落武者ヘアーを相棒にギラギラから没落まで色気たっぷりのアルパチーノ
病的ルックスをフルスロットルにして棺桶に収まるジェレミーアイアンズ
「GUCCI」ならぬ「名優」の看板を背負い悲劇を軽やかに演ずるアダムドライバー
そしてブイブイいわす歌姫レディーガガ
絢爛たるGUCCIの衣装の着こなしも良かったが、デカいお尻とそれを包むママジーンスがなんとも堪らない魅力!
ある種テンプレ的な名家の興亡の悲喜劇にぐいぐいと惹きつけるリドリースコットの魔法 破滅の象徴となるステーキを皿ごと叩きつけるシーンを合図にクライマックスになだれ込む
煤けたサルマハエックとの「テルマ&ルイーズ」に爆笑
全63件中、61~63件目を表示