ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
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私が彼を育てた〜 父と子とグッチの名にかけて
「 GUCCI 」3代目マウリツィオ・グッチ( アダム・ドライバー )の妻パトリツィアをレディー・ガガが熱演。性格も育ちも全く異なる二人が恋に落ちる。愛が憎しみに変わる様が壮絶。
レディー・ガガがまさにハマり役 👠
パリオリンピック開幕式で溌剌と歌い踊るレディー・ガガと、パトリツィアが重なって見えた。
マウリツィオの叔父アルドをアル・パチーノが、マウリツィオの父ロドルフォをジェレミー・アイアンズが演じる。
パトリツィアもパオラも存命で、少し前の出来事とは… 。何故か全く知らなかった。
機内での鑑賞 (吹替版)
家族のいやらしさ
展開がわかりやすかったこと、日替わりや顔の表情から感情を掴むのが難しかった。最初の絶頂からの転落していく感じは、まあすごく人間らしいと感じた。Lady Gagaさんを嫌いになれるようなぐらい演技に浸かっていた。家族の問題は高貴だろうと、庶民だろうと、あんまり変わらないのかなとも思った。GUCCIの背景は知らなかったので、すごく勉強になった。
欲望の果て
同監督の『悪の法則』に大筋は似ているかなと思った。身の丈に合わないダイヤを求め、破滅に向かってしまう。確かそんな内容だった。
今作もレディー・ガガ演じるパトリツィアが、運送業の社長令嬢という中流階級(くらい?)ながら、超上流階級であるグッチ家の家柄と財産を欲しがり、やはり破滅していくお話し。
リドリー・スコット監督ならではの謎のモヤモヤも健在。
お金と噂話と、自己愛
知らなかったグッチ家のお家騒動。
レディガガも、アダムドライバーも、お父様も叔父様も皆良いけど、ジャレッドレトの怪演が心に残る。
自転車に乗って軽やか好青年だったアダムドライバーも、凄腕強欲の妻に感化されて叔父に籠絡されニューヨークの大気に汚染されたが如く、凡人のボンボンになり我を失っていく。
レディガガに捕まった時点ですでに割れを失っておったのだが。
な二に乗るか、が、大事だな。
意外とおもしろくて、ためになりました!!
彼女は君を見抜いてた
DVDにて鑑賞しました。
パトリツィアが段々と傲慢になっていき、義理の叔父アルドやら従兄弟のパオロやらを退場させていくうちに恨みを買ったり。
初めは愛し合って結婚したはずが、マウリツィオとはすれ違うようになり、ついには離婚申請され。
最後はパトリツィアはマウリツィオの殺害を依頼し、依頼は果たされるも、2年後に共謀者もまとめて逮捕という結末。
大金を手にすると、こうも人は変わってしまうのでしょうか?
考えさせられますね。
ジャレッド・レトのちょっとあれなパオロや、流石に年を取ったアル・パチーノもいい味出してました。
158分はちょっと長すぎますが、重厚なドラマでした。
怪演の領域
レンタル110
公開当時時間が合わずスクリーンで見そこねた一作
レディガガは2作目だと思うが本格女優の風格
スター誕生のときは微笑ましい気がしたものだが
本作ではすでに怪演の領域
運送屋の娘は経営の才があって
グッチのブランドを磨くことに一役買ったと
信頼できる人物か否かも見通していたんだと受け取った
アダムドライバーも好きな俳優で嬉しい
ジャレッドレトってジョーカーの人でなかったっけ
男前のイメージだったが見事な変身ぶり
ゴッドファーザーの次男坊フレドとイメージが重なった
アルパチーノもいたし
最近松田優作の特集をNHKで観たばかりで
リドリースコットを思い出したところだった
最近ちょっと趣味が合わず敬遠していたが
また観てみようかと思わせる一作だった
ゲティ家とかブラックホークダウンとか
そもそもブレードランナーを観ていない
ん エイリアンも はは
悪の法則とオデッセイは観た
押井守は彼をサーと呼ぶと著書で書いていた
グッチとは
ブランド=人
一族での経営では「格式」を重んじることでグッチブランドを表現するロドルフォ・グッチ、「格式」の門(購買層)を広げることでグッチブランドを、資産を増やすことでグッチを展開したいアルド・グッチ、「格式」に「+アイデア」で新たなグッチブランドを形成したトム・フォード。そのトム・フォードを選んだ(?)マウリツィオ・グッチは、何をもってグッチを守ろうと、グッチたる所以を掲げたのか。全く映画ではわからなかった。
「グッチ愛」は、ロドルフォ・グッチに1番感じられた。やはり創業者に近いほど愛着はあり、遠い孫世代になるほど愛着は薄くなっている気がする。
最後の方では、グッチのブランドを守るためではなく、資産を守るために奔走していた気がする。今のグッチはどう考えてブランドを展開しているのか。そこが気になる。
マウリッツォ・グッチのような思考でブランド展開されているとしたら、なぜ買っているのか理解に苦しむ。今のグッチのホームページを見てどんなコンセプトでデザインを起こしているのかを見て、買うか決めようと思った。
ガガの芝居も見応えありました。面白いです。
人間模様
グッチの御家騒動を実際にインタビューや取材を基にして作られた作品。
グッチが創業がどんどんと発展していく中で様々な人間模様が垣間見る事ができた。
欲のままに人を動かして自分の全てを手にしようと動くレディーガガのよく深さが何とも言えないくらいのいい脚色を描いてた。
ストーリーとして見ると見応えのある作品だなと感じるけど、これが実際に起こった事と考えると人間の欲とは、人をここまで変えてしまうのか?という怖さを感じる作品だった。
まさかの実録物でした(トホホ!)
ブランド物(ヴィトン、シャネル、グッチ)の洗礼を受けて、頑張って手に入れていた
若き日を思うと、グッチ御曹司マウリツィオ(アダム・ドライバー)の散財・・・
高級マンションのペントハウスや高級車(ランボルギーニ)、南仏の別荘購入の泡銭に、
私たちの細やかな贅沢が、化けてたかと思うと、心中穏やかでないですね。
その血統書付きのサラブレッドが、トラック運転手の娘(レディ・ガガ)に籠絡されて結婚。
父親(ジェレミー・アイアンズ)の予言通り、グッチ帝国は世俗にまみれ大変な凋落をすることになります。
名作でもなんでもない凡作ですが、中高年には誠に面白い。
キャスティングが絶妙で最高。
御曹司マウリツィオのアダム・ドライバー。
(一瞬見た途端サンローランかと思いましたね。)
佇まいが優雅。血統書付きの金持ちにしかない雅(みやび)・・・ですね。
もうマウリツィオ・グッチという男がそこにいました。
レディ・ガガも肉食・成り上がり・下品・ガッツ。
そぐわない名家に嫁ぎ下品な衣装に身を包み、義父の死後、節税対策にトラック運転手から成り上がった父親の血を受け継いで小賢しい策を弄することが、グッチ帝国を揺さぶる大事態となるのですが・・
ナイス・キャスティングですね(でも個人的にはガガさんは、こんな人ではないと思います。)
(ガガさん、本当に頑張りましたね)
まさかマウリツィオを殺させるとは!?!?
(この殺人依頼事件、そう言えば巷で騒いでいたなぁ・・・位の記憶しか残ってなくて・・・)
ブランド帝国の内実なんてこんなもんなんでしょうね。
小市民のブランド欲を利用して、彼らは散財と美食に耽る。
それにしても名優たちの存在感が嬉しい。
ジェレミー・アイアンズの演技とは思えぬ格調と優雅さ。
すっかり太って俗物化したアル・パチーノ(安売りフェイクを自ら売ってだとは???プライド皆無)
本人と分からぬほど変貌したジャレッド・レト。
ガガの占い師のいかがわしいサルマ・ハエック。
見事に役にはまって、俗物揃いのこの映画を盛り立てるピースは、
リドリー・スコットにより、完璧にハマり完成しています。
凋落するグッチ帝国の救世主になるデザイナーのトム・フォード。
彼のケツだしメンズ・スーツの衝撃はインパクト大でした(笑)
(彼の監督したエグい映画「ノクターナル・アニマルズ」同様の品のなさ。)
かくしてグッチ帝国に直系のグッチ一族は、
「そして誰もいなくなった」
・・・のでした。
過去鑑賞
グッチ家の一族
世界的ファッション・ブランド、“グッチ”。
ファッションに疎くとも勿論その名は知っている。それくらい高級ブランドの代名詞。
1995年に起きた創業者の孫の殺害事件、経営を巡る一族の骨肉の争い、その元凶である一人の女の野心…。
スキャンダラスな事件を、ノンフィクション小説に基づきリドリー・スコットが映画化。
リドリーの作品群の中では異色のジャンルのように思えるが…、そうでもない。
センセーショナルな事件の映画化やある一族のドラマは『ゲティ家の身代金』に通じる、“実録もの”。
男性派の巨匠だが、色んな意味で強かな女性像も描いてきた。
グッチなどそもそものファッションに興味無く、事件の事もまるで知らなかったので、見る前はリドリーの作品でありながらあまり惹かれなかったが、見てみたらこれが思ってた以上に!
日本でもあった“御家騒動”。グッチ一族からは猛抗議されたらしいが、
豪華キャストのアンサンブル、実話ならではのストーリー、御大の手腕にいつしか引き込まれていた。
父親が営む運送会社で働くパトリツィア。とあるパーティーで“グッチ家の孫”マウリツィオと出会い、強引なアプローチの末に結婚。やがてグッチの経営に参入していく…。
…と聞くと、“下心”見え見えの悪女だが、序盤は見る側によって受け止め方はそれぞれ。
端から野心を持ってマウリツィオに近付いたイメージそのままの悪女に思え、その一方、最初は純粋にマウリツィオを愛した一人の女性。実際結婚当初はグッチには関わらず、二人でパトリツィアの父の運送会社で働いていた。内向的なマウリツィオにとってもこんなにゾッコンになった初めての女性。
幸せだった。二人にとって結婚して一番幸せな日々であったかもしれない…。
当初はグッチに関わらず。
マウリツィオもグッチ経営に関心無く、弁護士を目指していた。
が、何処から変わったのだろう。
パトリツィアは本人も後に言ってるが、決して道徳的な人間ではない。心の何処かに、元々激しい性格故、野心があった。
マウリツィオも何処かに上昇志向があった。
やはり発端は、パトリツィア。彼女が推すようにして、二人の中の野心が燃え上がっていった…そんな立ち上がりを感じた。
野心覚醒してからのパトリツィアの進撃は凄まじい。
パトリツィアとマウリツィオの結婚に反対していたマウリツィオの父、ロドルフォ。その理由は、パトリツィアが財産目当てで息子に近付いたと危惧したから。結果的に父は見抜いていた事になるのだが…。
そんな父の反対を押し切ってまでパトリツィアと結婚したマウリツィオ。要は、縁切り。
マウリツィオがグッチに戻るには、父との復縁が絶対必須。
そこでパトリツィアが協力を求めたのは、ロドルフォの兄でグッチの2代目、アルド。
ロドルフォとは違いパトリツィアの事を気に入っており、マウリツィオと父の復縁に助言。また彼は自身の息子パオロには愛想尽かしており、次の経営者としてマウリツィオに期待を寄せる。
パトリツィアの策略通り、マウリツィオはグッチにカムバック。本格的に経営に乗り出す。
ほどなくして、ロドルフォが死去。グッチのレプリカがきっかけで、パトリツィアはアルドが邪魔になる。パオロを利用し、アルドを脱税疑惑でCEOの座から引き摺り落とす。利用価値が無くなったパオロも追いやり、伯父親子の株まで手に入れる。
3代目CEOになったマウリツィオと、その夫人と座に就いたパトリツィア。
夫婦二人だが、実質はパトリツィアがグッチの経営と支配を手中に…。
恩人である筈なのに、邪魔な者は追い払う。非情な手段で。
策略、騙し、独占…。
恐ろし過ぎる女帝様!
しかし、こうも捉えられる。
夫をトップの座へ押し上げ。
その為の根回し、行動力は、ある意味圧巻!
“悪女伝”ならぬ“あげまんエンターテイメント”。
強気な性格、娘には深い愛情を注ぐ母親。
勿論彼女の行いは決して正当化されるものではないが、見てて何故だか痛快な点もあり、人間の二面性に考えさせられ、興味深い。
レディー・ガガの熱演。『アリー スター誕生』では等身大の魅力だったが、本作では変貌していく様を体現。女優として開眼した彼女の野心は、更なる飛躍へ。
“高級ブランド”が題材なら、キャストも“高級ブランド”級の豪華面子。
内向的だった青年が、彼もまた野心家へ。アダム・ドライヴァーの巧演。
アル・パチーノとジェレミー・アイアンズの二大名優の共演だけでも見応えの価値あり!
中でも一際インパクト残すのが、ジャレッド・レト。パチーノ演じるアルドの“バカ息子”。グッチの名デザイナーを自称するが、奇抜なデザイン故に理解されず。性格も変人。本人と判別不可能の特殊メイクとオーバー演技で名演なのか怪演なのか確かに賛否分かれる所だが、インパクトはある。
ファッション業界が舞台だけあって、ゴージャスな衣装の数々は見もの。華麗なショーもあり、ファッション好きには逸話も含め興味津々だろう。
魅力的なイタリア・ロケ。
クラシックや当時の楽曲で彩り、重厚でありつつアップテンポな展開や演出は、さすが御大匠の技!
てっぺんまで登り詰めたら…?
それも、悪どいやり方で。
顛末は決まってる。古今東西、それが人が歩む堕ちる運命。
経営の事や塵に積もった互いへの不満で、とうとう…。
夫婦関係がぎくしゃくから修繕不可能な悪化へ。
マウリツィオに愛人が。完全に心がパトリツィアから離れる。
夫と別居し、愛を失い、グッチの経営そのものからも今度は自分が締め出される。
そこでパトリツィアが至った愚行動が…。
いよいよ“稀代の悪女”になる訳だが、それに至るまでの彼女もちと不憫。
CEOとなり、グッチの全権を手にし、出会った頃の実直な性格から高慢な性格になったマウリツィオ。
悪妻があれこれうるさい。そこに、別の心惹かれる女性。
妻の存在が鬱陶しくなる。
邪魔になった者は…。
かつて邪魔になったグッチ一族を追い払ったと同じく、今度は自分が追い払われる。
しかも、アタシがトップにのし上げてやったのに…!
皮肉以外の何物でもない。
パトリツィアがある場面で夫の愛人に“盗み”を痛烈批判するが、本人は気付かなかったのだろうか。自分がそれまでしてきた事が、まさしくそうだと言う事を。
過去の栄光を切り捨て、グッチの新たな未来を目指すマウリツィオ。
が、業績不振。どうやら彼には経営者としての才能は無かったようで…。
ファッション・ショーが成功したのも新進気鋭のデザイナーや他ブランド会社との提携。
彼らと一族に忠実かと思われた弁護士の裏切りによって、今度はマウリツィオがCEOの座から引き摺り落とされる。
弁護士の野心を早くから見抜いていた者がいた。パトリツィア。
そんなパトリツィアをマウリツィオは咎めたが、妻が当たっていた。
これって、かつての何かに似ている。
グッチのトップの座や経営は巡る醜態は繰り返す。
呪われた一族であり、悲運の頂なのか…?
そうして起きた最悪の事件。
野心に取り憑かれた一人の女。
権力に溺れた一人の男。
利用され、翻弄された哀れな一族。
結果、今のグッチには一族の者は一人も居ないという。が、再び活気を取り戻し、今や世界屈指のブランド。
これまた皮肉。これ以上ないくらいの。
ひょっとしたらグッチの一族経営は限界だったのでは…?
ギリギリを決壊させたのが、部外者の女。
こうなる運命は必然だったのかもしれない。
名ブランドという光。それと表裏一体の影。
悲劇と罪だが、その醜い愛憎の争いを暴露し、洗い流した末に、グッチはまた世界にその名を轟かせる。
一大改革。
それでもその名を捨てないラストシーンのパトリツィアに、人の消えぬ野心と強かさを見た。
「グッチ夫人と呼びなさい」
現84歳のサー・リドリー・スコット。
時に重厚に、時に刺激的に、我々に魅せてくれる。
本作にはリドリーの映画への尽きぬ野心をも見た。
ガガさん だっちゅーの
グッチ3代目殺人事件をインスパイアした、半ドキュメントバラエティ映画。
すべてが史実ではないが、脚色がハデなので一族から抗議されている。
ガガさん演じるパトリツィア、
もう最初っからガンガン肉食系女子で食いついてきます。
谷間見せまくりの胸強調ドレス、やりすぎじゃねーのと実際の写真見たらご本人もそうだった(´-﹏-`;)
ラブシーンではアダムドライバー演じるマウリツィオのDT感丸出しのブリーフに好感(笑)
こりゃ陥落は時間の問題かなと(実際はどうだったか??)
殺人の罪で実刑判決を受けるも模範囚として刑期が短縮され、現在はジュエリーブランドでコンサルタントとして働いている模様。
服役中の彼女にも面白いエピソードあったはずなので、そこも映画にしてほしかった。2人の娘たちのその後も知りたかった。
日本にも「円谷プロ」というお家騒動で一族の手を離れた会社がある。興味のある方はぜひ…
考えさせられる映画。面白くはないが、すごい作品かも
ストーリーはグッチ家のお家騒動です。Wikiでも読めば分かる話。事実をもとにしているものの、忠実には描いていません。映画では狂人めいたパオロ・グッチはそこまで気狂いではないし、アラブのインベストコープを引き入れたのは、映画の主人公であるマウリツィオではなく、映画では嫌々株を手放す描写があるアルド・グッチの方だったようです。
別に映画は、史実に忠実である必要はなく、観ている人の心を掴めるか、です。そんなエピソードは無かっただろうけど、グッとくるのが2つ。
マウリツィオ・グッチが娘のアレクサンドラとクリスマスに遊ぶ色当てゲームが「緑、赤、緑」と初代グッチオが考案したグッチのブランド・ラインと同じで、こうしてファミリービジネスを継承しようとしている。でも、このあたりからグッチ家が崩壊に向かって転がる場面なんですよね。
ラスト付近で、共同投資家のアラブ人と食事を取るシーンで、マウリツィオの経営手腕を問題視するアラブ側が、ウエイターに「この肉旨いな、どこ産だ?」と聞くと、グッチ家の発祥の地である「トスカーナだ」と答えるシーン。グッチ家が食い散らかされる暗示ですね。
史実ではマウリツィオの嫁が極悪人ですが、映画では必ずしもそうは描いていない。皆んなが良かれと思ってやる事が、結果的にグッチ家というファミリーがビジネスもろとも瓦解していく滅びの様を描いている訳です。また叔父のアルドをアル・パチーノが演じるもんだから、やっぱゴットファーザーを連想せざるを得ない。
じゃあ、そんな「滅びの様」を見せることに、どんな意味があるのか?それは観ている側が考えなさい、ってことなんだろうね。
成りあがったイタイオンナのメッキが剥がれるまで。
「女性の生き方」と言うリドリー・スコットお得意のネタです。決闘裁判の中世から、一気に現代に飛んで来ました。
パトリツィア・レッジアーニの半生の物語り。って事になるんでしょうが、実際に起きた事件を取り扱う事、GUCCI家とGUCCIブランドと言う、現存し対立している存在を描写しなければならない事、と言うメンドクサイ背景あり。過去、アンジェリーナ・ジョリー、ペネロペ・クルス、マーゴット・ロビーで映画化が計画されるも実現せず、今回、レディー・ガガとリドリー・スコット監督で映画化が実現したそうで。
まぁ、これは各所からクレームが付くんだろうなぁ。なんて事を思いながら。
ものすごくシンプルに考えると「男が心変わりし捨てた女から殺される話」な訳で?
なんで今、リドリー・スコットが、過去3度没になって来たネタを映画にするのか?って言う疑問に対する回答は、これなんですかねぇ...
GUCCIの経営権や富とプライドなどなどを、がっさり削ぎ落とすと「女の恨みは怖いぞ」って事になるん?
ワタクシも気を付けようと思いました。
個性豊かな役者が彩る魅惑的な世界
言わずと知れた個性的な役者達がなんとも魅惑的な GUCCIというパンドラの箱に飲み込まれていく感じ。
ほとんどの人がそうだと思うが GUCCI一族の事件も歴史も知らないので単純に興味深かった。
一見レディーガガ演じるパトリツィアが初心御曹司を誘惑して女帝の様に君臨するにかと思ったが一族だけでなく GUCCIという魔力に全員が引き込まれ崩壊に向かっていく様が実話に基づいてるのが驚愕。
どんな人間でも麻薬のように一度味わったら抜けられない恐ろしさを感じた。
単純に GUCCIの目を惹く衣装や個性豊かな役者たちの演技も相まって面白い作品だった。
達観した強くて美しい人生だった
社長令嬢で露出度アップしたヒロインが、社員たちの拍手と視線を浴びて登場。上品ではないかも知れないけど、序盤の盛り上げとしては最高だった。昭和の邦画で、こんなシーンを何度も観た記憶があります。
◉騒がしいスプーンの音
男と女の愛憎と思惑、新旧勢力の欲得と策略が織り成す、危うくてとにかく濃い味。でもドロドロはしていない。それはパトリツィアとしてのフェア=公明正大が、作品に行きわたっていたからかなと思いました。
マウリツィオの元カノと対峙した時の、スプーンの品のないカチャン、カチャンと言う音が、パトリツィアの生き方を象徴しているようでした。「道徳心」が高くない時点で、フェアはかなり濁ってしまう訳ですが、「私はフェアな人間よ」と言い切ったパトリツィアの勝ち。
◉しかし、愛には勝てなかったのか?
例えば対人関係の微妙な変化にすぐ気づいて、巧みに相手を御していったパトリツィアは、マウリツィオや叔父始め係累を呑み込んだ。だが夫の反撃で、ほぼ全てを失う。
夫とヨリを戻した元カノなんか、夫ごと呑んでしまえばよいだろうと思ったが、それはなかった。
けれど、金勘定やら地位の確保より愛が優ったと言うのは、パトリツィアに相応しくない。独占欲の甚だしく強い女子だったからとしておきたいです。我慢が効かない。
しかし、心が萎えたレディ・ガガは実に可憐でもありました。
◉ここで笑いが出るとは!
夫殺しを決意したパトリツィアは、占い師を伴って殺し屋と密談する。ここで殺し屋たちが、ギャラは6万リラじゃなく8万リラだろうと揉め出す。それを受けて殺し屋ABとパトリツィアの顔色を窺う、占い師のとぼけ振りが可笑しかった。パトリツィアは6万から頑として値上げしない。これは占い師が、ギャラを少し掠め取ろうとしたとみたのですが。
夫殺しを決めるのが少し早すぎとも思いましたが、こんなシーンをシリアスな筋書きの中に組み込んだリドリー・スコット監督も凄い。
女の話を男は聞かない
あるある〜!!
男の話は信用されるのに女の話は信用されないんだよな。正しいこと言ってても。わかるわぁー。悪女みたいに言われることに違和感あるのは、この悔しさが分かりすぎるからです。パトリツィア何にも間違ったこと言ってなかったよね???
レディガガが良かった
愛し合ってた二人がどんどん結末に向かうまでに気持ちがすれ違っていくのは、単純に切ないものだと思う。
お金が人の目を眩ませるという点では単純なのに、なんか深いというか結構知的というか面白いストーリーだった。キャストも本当に良かったと思う。
長めの映画だけど、それでも飽きないし物足りないとまで感じてしまった。面白かった。
トラック運送会社の場面の活気のあるシーンもハイソなシーンも、革製品原料となる牛の牧場のシーンも絵が美しかった。
音楽もカメラワークもなんだか、ワクワクさせられていい感じでした。
しかし、グッチのボンボン!最初はなんだかウブな感じのおぼっちゃまが、調子こいてランボルギーニかよ!
だから最後、あの顧問弁護士みたいなのにも裏切られるんだよ。あの人本当は子どもの行事の日に嫌な話の伝書鳩やらされたのが嫌だったんじゃないかしら、そういう小さい恨みが積み重なったんだ(と私は思う)
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