ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
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面白いが…
言葉と物の価値は違う
俺は生まれてこの方ブランドものには縁がなかった。もちろんグッチの名前は聞いたことがあるが、買ったことはないし手に取ったこともない。しかしそんな俺でもこの二時間半超えの作品を楽しく見れたのはGUCCI一族の争いが華やかな栄光ある名前とは真逆に血みどろの抗争劇が含まれていることをこの作品で知れたことにある。レディガガ演じるパトリツィアはどうにかしてGUCCI一族に潜り込もうとありとあらゆる手を使いマウリツィオに取り入る。入り込めるだけでもすごいのだが、その殻の女帝劇がすごい。身内同士で争わせ、蹴落とすがそこに情けなく豪快にやり通すのがヒロイックを感じ強い女性像を確固たるものにしたと思う。ただひたすら厄介な人間だなあと見ていて思ったがそんな彼女に注目したところが「紛い物」に敵意を剥き出したシーンが好きだ。もちろん偽物なんか簡単に作れるようになったらGUCCIの価値は下がるし、本物と偽物の価値の境目がわからなくなってしまうだろう。そんな彼女は叩き潰そうとマウリツィオに問いただすがそんな彼はむしろその出来をほめ、問題ないように振る舞う。彼女は外から来た人間で部外者に当たるが、そんな彼女だけがGUCCIという名前を大事にしようとし、偽物を許さないスタンスに一定の好意を覚えた。この映画だけ観てももちろん本当のことはわからないのだが、この映画だけを見るにGUCCIという名前に人一倍固執していたのがマウリツィオ1人だけだったように見えた。彼女がいたからこそグッチ一族は崩壊の一途を辿り、結果的に殺人まで起きてしまった。誰1人得することがなくいなくなってしまったが、この映画の最後に表示される、GUCCIの総資産の数と現在のGUCCIの経営の中に一族の人間誰1人いないというメッセージを見るにもしかしたらこの一族がいない方が経営が上手くいったのかな、となんとも皮肉な終わり方で面白かった。
また随所の音楽の使い方がとにかくカッコよくてなんだかMVを観てる気分になれた。また70年台の話だが現代チックに見えて古臭く感じず、これて現代の話なのかな?とワクワクして見れたのもとても良かったし、切れ味が効いててとても刺激的な構成になっている。
残念賞
映画の面白さがぎゅっと詰まったトキメキの一本。
決して昔々のお話ではなく、70年代後半から80年代、90年代とまさに自分もその時を生きてきたのであの時代の空気感がとてもリアルに再現されていてトキメキました!もちろん名門グッチのスキャンダルはしっかり記憶しております。
ファッション業界とリドリー・スコット監督は正直あまり結びつかなかったのですが、相変わらずめちゃめちゃ元気な(?)作風です。「最後の決闘裁判」のほぼすぐ後に作っているとは何と精力的なおじいちゃんなのでしょうか。
華やかなファッションに全く負けていないキャストの豪華さ。主演のレディー・ガガは「アリー/スター誕生」より断然ハマってましたね。ぼんぼんの旦那役アダム・ドライバーも悪妻ガガに全然引けを取ってませんでした。そしてアル・パチーノのゴッドファーザー感よ!たまりませんねぇ〜。ジェレミー・アイアンズと共に二人の重鎮が作品に一層の重厚感をもたらしていました。
でも何と言っても目が離せなかったのはジャレット・レトです。最初レト様とは気づかず、誰やねん状態でしたけどw ほんと笑える程の怪演ぶりでしたね。
イタリアからニューヨーク5番街に進出し御殿場アウトレットへの出店の話が出てきたりデザイナーにトムフォードを採用したり、グッチの歴史が見れる楽しさもトキメキました。
音楽も良かったなぁ。当時流行っていた曲とオペラ楽曲とうまく使い分けていて。ブロンディやドナ・サマー、ジョージ・マイケル、デヴィッド・ボウイがかかればすぐにあの時代に戻れます♫
ブロンディの“ハート・オブ・グラス”が使われてる予告編を観た時から重低音の響きに心奪われてましたが、あれは映画用(?)にアレンジされていたんですね。カバーになるのかな?お見事です!
ファッションよし、音楽よし、役者は素晴らしくストーリーも面白い!
まさにこれぞ映画、と言えるトキメキの一本ですね。
リドリー版『華麗なる一族』イタリアーノ
GUCCIの栄枯盛衰ではなく崩壊のみのクソだね
カッコいいオジサン見られる
ガガ姐さんの奮闘に拍手
2022年映画始めは、巨匠リドリー・スコットのハウスオブグッチ。
全体的な感想としては、ものすごくテンポが良くて面白かった!
159分の上映時間に最初は躊躇したけど、
ガガ姐さん演じるパトリツィアとアダムドライバー演じるマウリツィオが出会う70年代後半から、事件が起きた95年までをノンストップで駆け抜けるから小気味良い。
マウリツィオの父ロドルフォが死ぬまでのカットの流れはコントかと思うくらい笑った。
とにかくレディーガガの奮闘ぶりが凄くて、だんだん応援したくなる。
ガガ姐さんだけ周りと比べて身長が低いのも、グッチ家に入っても異質のままでいるパトリツィアの印象を強める。
一番印象的なシーンは、雪山のペンションにてマウリツィオの友人(たぶん上流階級)にマウントを取ろうとするも辱めを受けるガガ姐さん。
思えばこの映画で誰もが幸せな瞬間はなくて、誰かを貶めることでしか幸福になれず、やがてその幸せは長く続かず崩壊してしまう。
実話をもとにした映画ですが、教訓めいたものもあって非常にためになる映画でした。
これは星4.5です!
さすが,リドリー・スコット!!
あまりにも悲しい恋物語
アダム・ドライバーは背が高くて見栄えのする俳優だが、どこかすっとぼけたところがある。いくつか観た出演作のどの演技にもそう感じられた。それはこの俳優の個性だろうし、いいと思う。
本作品も例外ではなく、演じたマウリツィオ・グッチは放蕩息子の役の筈だが、すっとぼけつつも真面目で優柔不断な若者に見えてしまう。おかげで中盤までミスリードされてしまった。弁護士を目指すような勉強好きの人間なら、経営もちゃんと勉強するだろうと思ったのだ。
レディ・ガガが演じたパトリツィアは「業突く張り」という言葉がこれほど似合う女性はいないと思うほど、強欲で独りよがりで強情で頑固である。こういう女性にモデルみたいな体型は似合わない。ちょっと太めで肉感的な女性がいい。レディ・ガガに白羽の矢が立ったのは自然の成り行きだろう。
イタリア訛りは少し余計だったが、レディ・ガガの演技はなかなかのものである。マウリツィオの父でジェレミー・アイアンズが演じたロドルフォが鋭く見抜いたように、パトリツィアはカネ目当てでマウリツィオに近づいたが、そんな側面をおくびにも出さない強かさがパトリツィアにはある。多分ではあるが、女学生時代も小金持ちの娘として取り巻きに囲まれていたのだろう。人の御し方だけは上手だったという訳だ。そんなパトリツィアに見込まれてしまっては、世間知らずのマウリツィオはひとたまりもない。
業突く張りだが忍耐力もあるパトリツィアの頭の中では、マウリツィオに出会った瞬間から、将来は自分がグッチを牛耳るのだという遠大な計画が生まれた。なにせ他人を騙して誘導する能力だけはピカイチである。将棋の駒のように誰と誰をどのように動かせばこうなるという読みがあった。将棋に捨て駒があるように、パトリツィアは人を捨て駒にする。
パトリツィアの唯一の誤算は、マウリツィオを将棋の駒として扱わなかったことである。あるいは贅沢三昧で優柔不断を極めるマウリツィオを扱えなかったのか。彼女の権謀術数はマウリツィオとの出会いに始まり、彼との別れで終わる。それがパトリツィアの恋だったのだとすれば、あまりにも悲しい物語である。
良い映画
最後の?"オリジナル"グッチ・ファミリー…確執と崩壊の物語…。"時代"の波に取り残されそうになっていた頃、1人の女が現れて…云々というお話。
予告編はサスペンス色が強い印象でしたが、本編は事実に基づいて比較的淡々と描かれていた…という印象でした。犯罪色の濃い、ドキドキするような展開の作品では無かったかな(笑)
商才に欠ける成り上がり一家の悲しい末路…いずれ時代に飲み込まれ、この様になったのかも知れませんね。
*グッチ家を崩壊へと導く、レディ・ガガ演じるパトリツィアは、思ってたよりもステレオ・タイプの"物欲女""悪女"という描かれ方で、そのキャラクターに今ひとつ面白みを感じませんでした…まるでお昼のワイドショーにでも出て来そうな…(まあ、演出の問題かも知れませんが)。
*アダム・ドライバーも良かったんですが、アルド・グッチを演じたアル・パチーノが、その演技も含めて強く印象に残りました。
*2時間半以上の作品でしたが、あまり長さを感じませんでした。でも、期待していた以上には、あまり面白くは無かったかな(笑)
代々経営は続くない見本
なるほどね・・・・よく代々は続かないと言うけど、その続かないひとつの事例だね・・・・
物事にこだわる事も良い事なんだけど、こだわり過ぎても良い事はないし・・・・
二代目に生まれてきたからこそのおごりや苦悩もあるだろうし・・・
私的には、コンサルを仕事にしているので、何とも職業柄と言う観点からみてしまうな・・・・・
本作品、映画としては、本当に淡々と話が進むだけで大きな山もないし谷もなく、ハラハラドキドキもしません。
もう少し脚色しても良かったかな・・・・
しかし、出演者は、皆いいよな・・・キャスティングは素晴らしい、特にレディー・ガガは凄く頑張っているな・・・凄く光っているよ。
アル・パチーノも相変わらずいいんだけど、しかし、年をとったな・・・・
80歳を超えて、まだまだこうしたテーマで映画を撮ろうとするリドリー・スコットも最高な監督だと思うね。
まだまだ、リドリー・スコット監督の次回作品を楽しみ待ち続けられるな・・・
もう少し脚色しても良かった気がするけど、しかし、全体的には楽しめる作品だと私は思うね。
「日本人は上客だ」
グッチには全く興味なかったのですが、
レディ・ガガ、アル・パチーノ、の共演が観たくて行ってきました映画館。
アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、って他の出演者も凄いですね。
事実に基づく映画で、グッチ一族の、内部争い、殺人事件、を描いてます。
オペラが流れてたりするシーンもあり途中で眠くなりましたが、最後まで観たら面白かった。
グッチの事を知れてグッチの印象が変わりました。
正統派な、映画らしい、終わり方で、
エンドロールを観ながら、監督がリドリー・スコットだった事を思いだし、
そうそう、硬派な映画って、こんな感じ、こんな感じ
と思いました。
リドリー・スコットは、スーパーヒーロー映画を否定していますが、その気持ちは分からなくもないな…
気になっていたガガの演技は上手く、リドリー・スコットも認めてるそうです。
アル・パチーノは日本語を話すシーンがあります。
ジャレッド・レトは、どれがジャレッドか観ている最中まったく分からなかった(笑)
3.5点だと少し低く、4点だと少し高く、正確には3.7~3.8点ぐらいで、甘めの4点です。
レディ・ガガ…なかなかのもの
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