ハウス・オブ・グッチのレビュー・感想・評価
全361件中、41~60件目を表示
盛者必衰の理を表す一族の話
ハイブランドで有名なグッチ家の話です。創業者グッチオ・グッチの孫にあたる3代目社長マウリツィオ・グッチの暗殺に至るまでの一族の内紛や夫婦間の愛憎などを描いています。時代的には1980年代から暗殺される1995年あたりです。当時そのような事件があったことも全く知りませんが、そんな前知識が無くても十分に楽しめる作品でした。
見どころのひとつは、レディー・ガガ演じるパトリツィア・レッジャーニの変貌していく様子でしょう。とても克明に描かれています。序盤でマウリツィオと出会った頃は、純粋に愛していたと思います。グッチ家の莫大な資産が狙いではなく、マウリツィオの素朴で謙虚な人柄に魅かれたのでしょう。親の反対を押し切って結婚したマウリツィオでしたが、貧しいながらも幸せな毎日でした。バスを洗いながら同僚とふざけあっている時の笑顔からは、その十数年後に暗殺される、それも愛してる人からの依頼で殺されるなんて夢にも思わないでしょう。子供が生まれ、夫が別の人に愛情を向け、一族はいつまでもよそ者扱いする。最終的にやり直すことができないことを思い知らせれたとき、純粋だった愛情は憎悪へと変貌を遂げました。個人的にはよく描けていたと思いますが、もっとドロドロした部分を描けていれば、オスカー受賞もあったかもしれませんね。
バブル全盛期の日本や日本人が小噺的に挿入されていて、笑えました。特に、アル・パチーノ演じるアルド・グッチの登場シーンは最高です。ネタバレになるので表現差し控えますが、きっとそんな会話があっただろうなと頷いてしまいます。そろそろ先進国からも外れそうな今の日本からは隔世の感じです。盛者必衰は一族だけでなく、国にもあてはまりますからね。
ところで、ちょっと調べたらグッチ創業者の面白い発言をみつけました。
「原価は何も意味を持たない。むしろ商品の値段が高ければ高いほどそれを所有することの価値も高くなる」
こうした、人や物事の本質を突く洞察力が、GUCCIを生み出したのでしょう。
実話と言われても..。
お坊ちゃま?を手玉に取って、財産からデザインから会社から、
思うがままに振る舞うパトリツィアが観たかったのだけれど、
キャラがみんなパッとしないせいで、ラストなんかいい加減の感。
一番存在感があったのはアル・パチーノで、
いったいなんの映画だったのか、ほんと! 期待外れだったよ。
まさかの実録物でした(トホホ!)
ブランド物(ヴィトン、シャネル、グッチ)の洗礼を受けて、頑張って手に入れていた
若き日を思うと、グッチ御曹司マウリツィオ(アダム・ドライバー)の散財・・・
高級マンションのペントハウスや高級車(ランボルギーニ)、南仏の別荘購入の泡銭に、
私たちの細やかな贅沢が、化けてたかと思うと、心中穏やかでないですね。
その血統書付きのサラブレッドが、トラック運転手の娘(レディ・ガガ)に籠絡されて結婚。
父親(ジェレミー・アイアンズ)の予言通り、グッチ帝国は世俗にまみれ大変な凋落をすることになります。
名作でもなんでもない凡作ですが、中高年には誠に面白い。
キャスティングが絶妙で最高。
御曹司マウリツィオのアダム・ドライバー。
(一瞬見た途端サンローランかと思いましたね。)
佇まいが優雅。血統書付きの金持ちにしかない雅(みやび)・・・ですね。
もうマウリツィオ・グッチという男がそこにいました。
レディ・ガガも肉食・成り上がり・下品・ガッツ。
そぐわない名家に嫁ぎ下品な衣装に身を包み、義父の死後、節税対策にトラック運転手から成り上がった父親の血を受け継いで小賢しい策を弄することが、グッチ帝国を揺さぶる大事態となるのですが・・
ナイス・キャスティングですね(でも個人的にはガガさんは、こんな人ではないと思います。)
(ガガさん、本当に頑張りましたね)
まさかマウリツィオを殺させるとは!?!?
(この殺人依頼事件、そう言えば巷で騒いでいたなぁ・・・位の記憶しか残ってなくて・・・)
ブランド帝国の内実なんてこんなもんなんでしょうね。
小市民のブランド欲を利用して、彼らは散財と美食に耽る。
それにしても名優たちの存在感が嬉しい。
ジェレミー・アイアンズの演技とは思えぬ格調と優雅さ。
すっかり太って俗物化したアル・パチーノ(安売りフェイクを自ら売ってだとは???プライド皆無)
本人と分からぬほど変貌したジャレッド・レト。
ガガの占い師のいかがわしいサルマ・ハエック。
見事に役にはまって、俗物揃いのこの映画を盛り立てるピースは、
リドリー・スコットにより、完璧にハマり完成しています。
凋落するグッチ帝国の救世主になるデザイナーのトム・フォード。
彼のケツだしメンズ・スーツの衝撃はインパクト大でした(笑)
(彼の監督したエグい映画「ノクターナル・アニマルズ」同様の品のなさ。)
かくしてグッチ帝国に直系のグッチ一族は、
「そして誰もいなくなった」
・・・のでした。
過去鑑賞
面白いシーンもある
リドリー・スコットの魅力は
台本や、ストーリーに起伏が足らない分
想像外のイマジネーションで興味を持続させるという点かと思っている。
ブレードランナーも、エイリアンも、オデッセイも
ストーリーは割と平坦で裏切りや、驚き(エイリアンは驚きあるけど)
感情を揺さぶるなどはそこまで強くないように思える。
でも、それを想像力でグイグイひっぱるみたいな監督力が魅力。
この映画は、その想像力が特になく
非常に平坦な内容のまま、驚きもなく裏切りもなく進む。
ただ、腕力はもともともあるので面白くないわけではない
そんな映画。トラック会社で働き始めるシーンなんかは
非常に魅力的で、多幸感にあふれた最高のシーン。
ただ、弱い。
こんな、映画より宇宙関係のやつを撮ってほしい。
こういうのはスコセッシが、虚実ないまぜにして映画的に仕上げればいい。
華やかなグッチブランドと宝石、毛皮を見事に纏うレディ・ガガ様を見せ...
華やかなグッチブランドと宝石、毛皮を見事に纏うレディ・ガガ様を見せる為の映画のようで少し退屈しながら観ていたが、話が進むにつれてグッチ一族の争い、企業買収などが絡んでいき、とうとう殺人事件に、最後は物語にどっぷりとハマっていた。これが実話に基づいているのだから、びっくり。
レディ・ガガ以外の配役もゴージャス、ファッションやインテリア、音楽、どこを切り取りても楽しめる映画だった。
名ブランドの暗部を描いたというか。
グッチ一族の真相を何処まで事実に基づいて描かれていたのかは分かりませんが、こんなことがあったのか? と。
それはさておき、ディーヴァよりも女優願望であったGAGAが実現した主演2作目と言うわけですがアダム・ドライバーの演技もアナキンよりもまた違った魅力を感じました。
でも、GAGAがディーヴァの時は派手なメイクばかりしているので、『A star is Born』も含めてナチュラルなメイクだとこんなに美人だったのか? とも。
GAGAの鬼気迫る演技も見物でした。
『トップガン・マーベリック』の主題歌も歌っていますし。
2022年 115本目
正直グッチ家の歴史は自分は興味ありません。
長時間に渡りグッチ家の破滅を描いていくのですが、終始盛り上がりに欠ける。
しかし、ガガ、アダムドライバー、アルパチーノ、ジャレッドレト。全員素晴らしい演技しています。
個人的にはジャレッドが一番よかったかな笑
しかしリドリースコットは精力的に映画作るなぁ
グッチ家の一族
世界的ファッション・ブランド、“グッチ”。
ファッションに疎くとも勿論その名は知っている。それくらい高級ブランドの代名詞。
1995年に起きた創業者の孫の殺害事件、経営を巡る一族の骨肉の争い、その元凶である一人の女の野心…。
スキャンダラスな事件を、ノンフィクション小説に基づきリドリー・スコットが映画化。
リドリーの作品群の中では異色のジャンルのように思えるが…、そうでもない。
センセーショナルな事件の映画化やある一族のドラマは『ゲティ家の身代金』に通じる、“実録もの”。
男性派の巨匠だが、色んな意味で強かな女性像も描いてきた。
グッチなどそもそものファッションに興味無く、事件の事もまるで知らなかったので、見る前はリドリーの作品でありながらあまり惹かれなかったが、見てみたらこれが思ってた以上に!
日本でもあった“御家騒動”。グッチ一族からは猛抗議されたらしいが、
豪華キャストのアンサンブル、実話ならではのストーリー、御大の手腕にいつしか引き込まれていた。
父親が営む運送会社で働くパトリツィア。とあるパーティーで“グッチ家の孫”マウリツィオと出会い、強引なアプローチの末に結婚。やがてグッチの経営に参入していく…。
…と聞くと、“下心”見え見えの悪女だが、序盤は見る側によって受け止め方はそれぞれ。
端から野心を持ってマウリツィオに近付いたイメージそのままの悪女に思え、その一方、最初は純粋にマウリツィオを愛した一人の女性。実際結婚当初はグッチには関わらず、二人でパトリツィアの父の運送会社で働いていた。内向的なマウリツィオにとってもこんなにゾッコンになった初めての女性。
幸せだった。二人にとって結婚して一番幸せな日々であったかもしれない…。
当初はグッチに関わらず。
マウリツィオもグッチ経営に関心無く、弁護士を目指していた。
が、何処から変わったのだろう。
パトリツィアは本人も後に言ってるが、決して道徳的な人間ではない。心の何処かに、元々激しい性格故、野心があった。
マウリツィオも何処かに上昇志向があった。
やはり発端は、パトリツィア。彼女が推すようにして、二人の中の野心が燃え上がっていった…そんな立ち上がりを感じた。
野心覚醒してからのパトリツィアの進撃は凄まじい。
パトリツィアとマウリツィオの結婚に反対していたマウリツィオの父、ロドルフォ。その理由は、パトリツィアが財産目当てで息子に近付いたと危惧したから。結果的に父は見抜いていた事になるのだが…。
そんな父の反対を押し切ってまでパトリツィアと結婚したマウリツィオ。要は、縁切り。
マウリツィオがグッチに戻るには、父との復縁が絶対必須。
そこでパトリツィアが協力を求めたのは、ロドルフォの兄でグッチの2代目、アルド。
ロドルフォとは違いパトリツィアの事を気に入っており、マウリツィオと父の復縁に助言。また彼は自身の息子パオロには愛想尽かしており、次の経営者としてマウリツィオに期待を寄せる。
パトリツィアの策略通り、マウリツィオはグッチにカムバック。本格的に経営に乗り出す。
ほどなくして、ロドルフォが死去。グッチのレプリカがきっかけで、パトリツィアはアルドが邪魔になる。パオロを利用し、アルドを脱税疑惑でCEOの座から引き摺り落とす。利用価値が無くなったパオロも追いやり、伯父親子の株まで手に入れる。
3代目CEOになったマウリツィオと、その夫人と座に就いたパトリツィア。
夫婦二人だが、実質はパトリツィアがグッチの経営と支配を手中に…。
恩人である筈なのに、邪魔な者は追い払う。非情な手段で。
策略、騙し、独占…。
恐ろし過ぎる女帝様!
しかし、こうも捉えられる。
夫をトップの座へ押し上げ。
その為の根回し、行動力は、ある意味圧巻!
“悪女伝”ならぬ“あげまんエンターテイメント”。
強気な性格、娘には深い愛情を注ぐ母親。
勿論彼女の行いは決して正当化されるものではないが、見てて何故だか痛快な点もあり、人間の二面性に考えさせられ、興味深い。
レディー・ガガの熱演。『アリー スター誕生』では等身大の魅力だったが、本作では変貌していく様を体現。女優として開眼した彼女の野心は、更なる飛躍へ。
“高級ブランド”が題材なら、キャストも“高級ブランド”級の豪華面子。
内向的だった青年が、彼もまた野心家へ。アダム・ドライヴァーの巧演。
アル・パチーノとジェレミー・アイアンズの二大名優の共演だけでも見応えの価値あり!
中でも一際インパクト残すのが、ジャレッド・レト。パチーノ演じるアルドの“バカ息子”。グッチの名デザイナーを自称するが、奇抜なデザイン故に理解されず。性格も変人。本人と判別不可能の特殊メイクとオーバー演技で名演なのか怪演なのか確かに賛否分かれる所だが、インパクトはある。
ファッション業界が舞台だけあって、ゴージャスな衣装の数々は見もの。華麗なショーもあり、ファッション好きには逸話も含め興味津々だろう。
魅力的なイタリア・ロケ。
クラシックや当時の楽曲で彩り、重厚でありつつアップテンポな展開や演出は、さすが御大匠の技!
てっぺんまで登り詰めたら…?
それも、悪どいやり方で。
顛末は決まってる。古今東西、それが人が歩む堕ちる運命。
経営の事や塵に積もった互いへの不満で、とうとう…。
夫婦関係がぎくしゃくから修繕不可能な悪化へ。
マウリツィオに愛人が。完全に心がパトリツィアから離れる。
夫と別居し、愛を失い、グッチの経営そのものからも今度は自分が締め出される。
そこでパトリツィアが至った愚行動が…。
いよいよ“稀代の悪女”になる訳だが、それに至るまでの彼女もちと不憫。
CEOとなり、グッチの全権を手にし、出会った頃の実直な性格から高慢な性格になったマウリツィオ。
悪妻があれこれうるさい。そこに、別の心惹かれる女性。
妻の存在が鬱陶しくなる。
邪魔になった者は…。
かつて邪魔になったグッチ一族を追い払ったと同じく、今度は自分が追い払われる。
しかも、アタシがトップにのし上げてやったのに…!
皮肉以外の何物でもない。
パトリツィアがある場面で夫の愛人に“盗み”を痛烈批判するが、本人は気付かなかったのだろうか。自分がそれまでしてきた事が、まさしくそうだと言う事を。
過去の栄光を切り捨て、グッチの新たな未来を目指すマウリツィオ。
が、業績不振。どうやら彼には経営者としての才能は無かったようで…。
ファッション・ショーが成功したのも新進気鋭のデザイナーや他ブランド会社との提携。
彼らと一族に忠実かと思われた弁護士の裏切りによって、今度はマウリツィオがCEOの座から引き摺り落とされる。
弁護士の野心を早くから見抜いていた者がいた。パトリツィア。
そんなパトリツィアをマウリツィオは咎めたが、妻が当たっていた。
これって、かつての何かに似ている。
グッチのトップの座や経営は巡る醜態は繰り返す。
呪われた一族であり、悲運の頂なのか…?
そうして起きた最悪の事件。
野心に取り憑かれた一人の女。
権力に溺れた一人の男。
利用され、翻弄された哀れな一族。
結果、今のグッチには一族の者は一人も居ないという。が、再び活気を取り戻し、今や世界屈指のブランド。
これまた皮肉。これ以上ないくらいの。
ひょっとしたらグッチの一族経営は限界だったのでは…?
ギリギリを決壊させたのが、部外者の女。
こうなる運命は必然だったのかもしれない。
名ブランドという光。それと表裏一体の影。
悲劇と罪だが、その醜い愛憎の争いを暴露し、洗い流した末に、グッチはまた世界にその名を轟かせる。
一大改革。
それでもその名を捨てないラストシーンのパトリツィアに、人の消えぬ野心と強かさを見た。
「グッチ夫人と呼びなさい」
現84歳のサー・リドリー・スコット。
時に重厚に、時に刺激的に、我々に魅せてくれる。
本作にはリドリーの映画への尽きぬ野心をも見た。
ガガさん だっちゅーの
グッチ3代目殺人事件をインスパイアした、半ドキュメントバラエティ映画。
すべてが史実ではないが、脚色がハデなので一族から抗議されている。
ガガさん演じるパトリツィア、
もう最初っからガンガン肉食系女子で食いついてきます。
谷間見せまくりの胸強調ドレス、やりすぎじゃねーのと実際の写真見たらご本人もそうだった(´-﹏-`;)
ラブシーンではアダムドライバー演じるマウリツィオのDT感丸出しのブリーフに好感(笑)
こりゃ陥落は時間の問題かなと(実際はどうだったか??)
殺人の罪で実刑判決を受けるも模範囚として刑期が短縮され、現在はジュエリーブランドでコンサルタントとして働いている模様。
服役中の彼女にも面白いエピソードあったはずなので、そこも映画にしてほしかった。2人の娘たちのその後も知りたかった。
日本にも「円谷プロ」というお家騒動で一族の手を離れた会社がある。興味のある方はぜひ…
見応え十分
当たり前だけど、俳優さんたちが着ているスーツや衣装がとにかくかっこいい。着こなしもやっぱり素敵。
前知識なく見たもんだから、ファッションの映画かと思っていて、でもかなり政治的というか、
水面下で動いていくシリアスな感じだった。
ちょっと長いけど、最初から最後まで引き込まれてしまった。
まずはガガのパトリツィアがすごく魅力的。
イタリア系だとしても、アクセント難しかっただろうな。
そして目力がすごい。 もうすっごい。 個人的には結構あのキャラクターは好きだった。
アダムドライバーの、あまり感情を出さない役の時がやっぱり良い。
パトリツィアが、ひたすらグッチの一員になろうとして、でも周りの壁が厚くて、彼女がピュアなだけに、観ていて悔しい気持ちになった。
でも、まぁ…そうなるよな…という感覚にもなる。
色んな歴史があって、今のグッチがあるんだと思うと、伊勢丹のショーウィンドウを通るたびに、ちょっと感慨深くなりそう。笑
う〜ん
思った程では…。
マウリッツォのアダムドライバーの背がかなり高いのでレディガガがちょっと気の毒。それに彼女の役の描き方が中途半端。ポスターのセンターに来るような描き方ではないなぁ。
中盤からの脚本が浅い。
リドリースコットにしろクリントイーストウッドにしろ何かと闘わなくなってる。画面からのエネルギーが弱い。年齢もあり仕方ないと言えば仕方ないのだけれど、やはりちょっと寂しいかな。
全361件中、41~60件目を表示