「名族様」ハウス・オブ・グッチ よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
名族様
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監督が最後の決闘裁判の監督と同じだということを鑑賞後知って妙に納得した。
全体的に派手な部分はないがじっくりと物語を見せていく感じは共通していてとても好きだ。
まず映画を見終わって思った感想は「よくグッチはこの映画化をOKしたな」ということ。
グッチは今も世界で展開されてる大ブランドだし、描かれてる事件も2000年の少し前ということでまだ20年しか経っておらず犯人も未だ獄中で生きている。
まだ現在進行形で進んでるような話、さらに言えばブランドのイメージを損なうかもしれない映画をよくOKしたなと。
調べてみると映画化までは色々と紆余曲折があったようだ。
映画化の噂が出ては立ち消え噂が出ては立ち消えを繰り返してようやく公開されたと。
しかもグッチ家(グッチの経営者ではない)はこの映画を快く思っていないと。
そんな中でもこの映画を作り上げた製作陣の執念には脱帽する。
一族経営という言葉がある。
その名の通り創業者一族が経営を独占すること、日本では大塚家具なんかが記憶に新しい。
えてしてそういう会社ではお家騒動が起きやすい。
今作はそのお家騒動とマウリツィオ夫婦の愛憎劇が絡み合った末に起きた事件を極めて淡々と描いてる。
特にパトリツィアを演じたレディガガが素晴らしい演技。
元々富を手に入れたいという名目からマウリツィオに近づき夫婦になり娘も生まれたがやがて彼からグッチ家の者ではないと拒まれるまでの心の流れを丁寧に表現して、血にこだわる名族の闇も垣間見せた。
まだ最後の「グッチ夫人と呼びなさい」という裁判での台詞も彼女のプライドの高さを伺わせて最高。
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