「70年代後半、イタリア。 運送業を営む父のもとで働くパトリツィア(...」ハウス・オブ・グッチ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
70年代後半、イタリア。 運送業を営む父のもとで働くパトリツィア(...
70年代後半、イタリア。
運送業を営む父のもとで働くパトリツィア(レディー・ガガ)。
とあるパーティで、弁護士を目指すインテリ青年(アダム・ドライヴァー)と出遭う。
青年の名はマウリツィオ・グッチ。
高級バッグや靴を扱うブランド「グッチ」創業者の孫だった。
野心を秘めた美しいパトリツィアに魅せられたマウリツィオは、父の反対を押し切り、パトリツィアと結婚する。
式では、新郎側の参列者は皆無。
その結婚は、グッチ興亡のはじまりだった・・・
といったところからはじまる物語で、マウリツィオの父にジェレミー・アイアンズ、父の兄・現グッチを統帥にアル・パチーノ、その出来の悪い息子にジャレッド・レトー、その他にサルマ・ハエックといったオールスター映画の風情。
物語は、野心に燃えるパトリツィアを中心にした、ファッションブランド版『ゴッドファーザー』といえるでしょう。
ですので、パトリツィアがグッチの中枢に食い込んでいこうとする前半は面白いのですが、ジェレミー・アイアンズが死に、アル・パチーノが投獄されてからは、顔ぶれがこじんまりとし、面白さが激減。
2時間40分近い長尺で、後半1時間ほどは、結構飽きた感じ。
同族企業のグッチの攻防が、途中からやり手のビジネスマンたちの標的にされて、それに気づかないマウリツィオのぼんくらぶりが面白さを減じさせた要因だろう。
とはいえ、実録物なので、実際の事件から大きくズレることはできないので、このあたりは致し方ないか。
最後は、パトリツィア主導によるマウリツィオの暗殺と相成るのだけれど、グッチ一族は誰も得しておらず、グッチ家は草葉の陰で愚痴をこぼしたことでしょう。
ゴージャスな衣装、画面は見どころです。