「レディーガガ、圧巻。そして、ブランドビジネスの化けの皮を剥がす。」ハウス・オブ・グッチ 七星 亜李さんの映画レビュー(感想・評価)
レディーガガ、圧巻。そして、ブランドビジネスの化けの皮を剥がす。
GUCCIの創業家の実話ということだが、要は、能力のない3代目とファミリーが会社を手放したという、
いかにもよくある話。
殺人までは、行き過ぎだけど、それ以外の部分は、どこにでも起こる、相続のゴタゴタと、お金に目が眩んだ2代目、3代目とその家族ということ、
それが、世界的に有名なラグジュアリーブランドだというだけで、ドラマティックに見えているだけのように思う。
レディーガガの熱演と、GUCCIのアーカイブ的なコレクションは、見どころなのかも。
日本は、世界の中で、最も古い会社があり(創業578年の金剛組という建築会社)、創業100年以上、200年以上続いている会社が一番多い国だそう。
長く続ければいいってもんじゃないのかもしれないけど、長く続けるということは、ただお金に目が眩んで、会社を大きくしたり、
ファミリーだけで、会社を独占しても、人が続かないということが起こるように思う。
長く続いている会社ほど、会社の規模は小さくとも、本業から外れず、ものづくりにこだわっていたり職人を大事にしていたり、
グローバルに展開するより自分たちのできる範囲内を理解し、無駄にビジネスを広げないということにこだわっているように感じる。
結局のところ、今のGUCCIに伝統なんてないし、見え方として、トム・フォードのグッチが、アレクサンドロ・ミケーレのグッチに変わっただけ。
ビジネスとして、GUCCIという屋号を買った会社が儲けているというだけだし、今のラグジュアリーブランドビジネスっていうのは、そういうものの上に成り立っているだけなんだよね。
多分、あと2、30年後は、そういうブランドビジネスに全く興味のない世代が主流になってくるんじゃないかな。
だからこそ、考えさせられるのは、200年も300年も続いているっていうことから学ぶところはあるんだろうなと思う。
グローバルに展開しようとすると、結局株主目線の効率化を優先しなければならないので、手を抜かないタイプの職人さんは非効率で高コストの人材、として排除されていきます。効率化ばかり追うと異能異才は邪魔なだけで、どこの会社も画一化されて気が付いたら個性なんてどこにもない→競争力の劣化→自滅、なんてことになっていきます。日本の大学の論文数減少(欧米先進国や中国、韓国にどんどん劣後)も相当深刻らしいです。文科省まで目先の効率化優先でノーベル賞級の研究者を育てる気はないようです
こんにちは😃。初めまして。イイねありがとうございました😊「金剛組」知りませんでした。てっきり鹿島守之助・・・だかなんかだと適当に思っていました。勉強になります。ありがとうございます😭😭
仰る通りです!
今の若者は、ハイブランドで着飾るより無印派が増えてきた気がします。ブランドの名前より、そのものの質や使いやすいさに拘る人たちが、次の時代を作っていくのかもしれませんね