「【高級ブランドは知的財産で儲かる】」ハウス・オブ・グッチ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【高級ブランドは知的財産で儲かる】
こんな事件が起きるのは、高級ブランドが知的財産で儲かるからだ。
映画でも語られるように、グッチの価値は600億ドルと見積もられているが、これを円換算すると7兆円弱になる。
グッチを保有する世界的な高級ブランド・グループのフランスのケリングは株式を公開していて、時価総額が円換算ベースで12兆円弱なので、グッチのブランドとしての重要性が分かると思う。
現在、高級ブランド市場は、三つの高級ブランド・ビジネス・グループがリードしている。
ケリングの他には、フランスのLVMHとスイスのリシュモンなのだが、円換算ベースの時価総額は、それぞれ、46.5兆円、8.8兆円にのぼる。
ファストファッションの日本のファーストリテイリングが約6.4兆円で、ZARAを展開するスペインのインディテックスが約11.4兆円であることから、如何に高級ブランド市場の利益率が高く、そして、如何にこの三つのグループが、高級ブランド市場を牛耳っているのか判ると思う。
因みに、日本の時価総額第一位は、トヨタで、38.5兆円なので、LVMHの強大さも理解してもらえるのではないか。
KENZOは今やLVMH傘下だが、この高級ブランド・ビジネスは、過去に日本の商社が展開を図ろうとしたことがあるはずだ。
しかし、企業文化の違いやノウハウの不足で撤退することになったように思う。
産業構造が偏っている日本の最も不得意な分野だ。
冒頭で高級ブランドは儲かると書いたが、それぞれのブランドは、そのブランド価値を維持、或いは、高めるために、相当な努力を払っている。
(以下ネタバレ)
だから、マウリツィオもパトリツィアもダメダメだったのだ。
この事件は有名で、いろんな記事で取り上げられたので、知っている人も多いと思うが、こうして映画で観ると、昔読んだ記事や特集よりも”軽い”感じがする。
ただ、これは、リドリー・スコットの意図したことのように思う。
バカな3代目社長と、欲に目が眩む強欲嫁、叔父も従兄弟も阿呆、低下するブランド価値。
バカに企業の経営はムリ!って、唖然とすると同時に、ちょっと笑って欲しいのではないかとさえ思える。
アダム・ドライバー演じるマウリツィオはそんな感じは少ないが、本当にダメな放蕩息子タイプの経営者だったらしいし、パトリツィアは詐欺まがいの法律の裏を行くような策略には長けていたようだが、デザイナーとしても経営もめちゃくちゃだったらしい。
殺人事件まで発展したゴタゴタの背景にあったバカな人たち。
“ファーザー、サン、アンド、ハウス・オブ・グッチ”なんて十字を切ってる段階でおかしげな人たちだったという示唆のような気がする。
最後に、相変わらずアダム・ドライバーは良い俳優だし、アル・パチーノは楽しんでいるように見えた。
そして、レディ・ガガの悪妻っぷりも板についている感じだった。
返信ありがとうございます😊😭。おっしゃるとおり、女性特有の鋭い能力ですね。
私は良妻賢母型の方が好みです。評論家、「ミー・ツー運動の人」には激怒されるでしょうけれども・・ありがとうございました😭。
こんにちは。ブランド物ってその目に見えないブランド価値が、プレゼントには最高です。間違いなく。超イイ素材、だいぶイイ技術、チョットいい作りで作られているイメージですが、利益率、ボッタクリ率はそれ以上の気がします。ブランド買えない貧乏人のひがみですが、たとえば「リーガルシューズ」のように大衆でも手が容易に届く「質実剛健」の中堅ブランドの方がいいです。セリフ「(貧乏人は)2番目に安いものを買う・・」は身に染みてイタかったです。
LVは自分で持ち歩くのでなくてポーターに運ばせるトランクですよね。
なんでシャンパンまで入っているんだろうといつも不思議に思います。ありとあらゆるブランドが傘下に入ってますね。頭がクラクラします。
↑あ、そういえばイタリア貴族のルキノ・ヴィスコンティはルイ・ヴィトンのトランクを使っていて当時は知られてなかったので、ヴィスコンティが自分用に特別に作らせたものだと思われたってどこかで読んだ気がします。LV、日本では勘違いしてもらえませんね。
LVMHってルイ・ヴィトンが入ってるところですよね。あのロゴは嫌いですがどんどん刷新して前に進む迫力はすごいと思います。70年ぶりにかフレグランスも始めてそれがまた素晴らしい。経営センスとそれぞれのブランド価値を本当によくわかっているんだと感心します。