恐怖の報酬(1977)のレビュー・感想・評価
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大迫力のニトロ運搬大爆発映画
デカい車が荒々しく走る姿は、それだけで迫力満点で絵になる。
しかもそれが爆発までしてしまうんだから、迫力は3倍増しです。
予告編だけ観て「ニトロ運搬のトラック運転手を描いた作品」ということだけは知っている状態で鑑賞しました。
結論ですが、面白かった!!
今の映画のCGとは全く違う、昔の映画特有の実写による大迫力のスタントや爆発シーンが本作の見どころですね。「ニトロ運搬の映画」だと思って観ていたのに、実際にトラックにニトロ載せて運搬し始めるのは映画始まって1時間くらい経ってからだったので、冗長に感じてしまったのが勿体ないですね。
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南米を舞台に、反政府ゲリラによって火災が発生している油田の鎮火をするために、振動で爆発する危険なニトログリセリンを運搬することとなった4人の男たちを描く。
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大きなトラックが爆走する映画、最近どこかで観た気がするなーと思っていましたが、リーアム・ニーソン主演の2021年公開の映画『アイス・ロード』ですね。『アイス・ロード』は最新のCGを多用したド迫力の映像でしたが、本作は実写による大迫力の映像がてんこ盛りで目で見て楽しめます。
どうやって撮ったのかが理解できないような迫力と危険に満ちた映像があって、50年前の撮影技術の高さが伺い知ることができました。以前鑑賞した1973年公開のスピルバーグ監督作品『激突!』を観た時も映像技術の高さは感動したんですが、本作はそれをも凌ぐレベルの大迫力映画でした。これを映画館の大スクリーンで鑑賞することができて本当に良かった。
ただ、映像に関しては文句のつけようがないほど素晴らしかったんですが、個人的にストーリーは楽しめませんでしたね。これは予告編を観て「ニトロ搭載の危険なトラックを走らせる命がけの話」を期待して観に行ったのが原因だと思いますが、映画の冒頭1時間ほどがトラックが一切登場しない淡々とした話だったので、「トラックはいつ出てくるの?」って考えてしまいました。
また、途中で山賊に襲われるとか、取ってつけたような展開が出てくるのもあってストーリーに乗れなかった印象ですね。細かい部分で何か所か違和感を抱きました。これがもし、最初からトラックが爆走するカーアクション映画なら「細けぇこたぁいいんだよ!」とストーリーの粗を気にせず楽しめるんですが、如何せん本作は前半が淡々としたシリアスパートなので、そういう粗や違和感が気になってしまった印象ですね。
若干の不満点はありつつ、観る価値の十分ある楽しい作品であったことは間違いありません。観ておいて損はありません。オススメです!!
迫真のリアルな映像
前半のドキュメンタリーのような映像が興味深い。
登場人物の鼓動が伝わってくるような緊迫感溢れる映像が続く。
汗と泥にまみれた顔、ギラギラとした眼差しが印象的で、全編を通して無常感が漂う。
古びたトラックが「ハウルの動く城」のよう。
ーボルティモアの47番線
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
CGなしでの、このド迫力!!
いや、もうすごい映画でしたね。訳ありの犯罪者達が南米での地獄のような生活からの這い上がるための仕事=恐怖の報酬
大雨で破壊寸前のボロ橋を渡るシーン。2台めは無理やろ〜っとか思ってる暇もなく、アラブテロリストは、川から這い上がったものの、雨で視界が見えないフランス資産家が轢いてしまうのか?!と思いましたが、なんのなんのローラの綱を大木に巻き付けるなど大活躍。
お次は横倒しの大木の破壊でも、グッドアイデア!
ホッとしたのも束の間、2人が打ち解けて笑顔で談笑している途中、パンクであっけなく爆破( ; ; )
現地3悪人との駆け引きは、メキシコ殺し屋のピストルが役立つがしかし、、、(←この人、最初は運転手に選ばれてないけど、そこで1人を殺して代役にまぎれこみましたよね?)
いやもうまだまだ次々と続く難問以上の恐怖との戦いで、、、
1人だけ無事に帰れるとは思わなかったけど、最後に追ってきたあの殺し屋の髪型、忘れられないわ。テニスボールの白いラインみたいな前髪。
シンセサイザーの音楽や、教会での花嫁の目の青あざ、ゾクゾクと怖さが迫って来ました。
『フレンチコレクション』でも、よくここまで撮るなあ!とビックリしましたが、すごい監督ですね。『エクソシスト』は、怖くて観れないけど。
NHKBSにて鑑賞。受信料を払っている甲斐があるというもの、ありがとうございます。
かっこいいようでダサい
石油発掘場の火災消火のために、ちょっとの揺れで爆発してしまうニトログリセリンをトラックで運ぶ話。
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ただ運ぶだけといえばそうなんだけど、結構映像的に見応えあり。特にこのポスターの吊り橋のシーンはめちゃくちゃハラハラする。
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CGとかない時代だからほんとにこういう吊り橋で撮影してたんだと思うとすごいよな。もう倒れそうな極限の角度で車が吊り橋を渡るから何度やばいやばい!と思ったことか。
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でもこのトラックを運転してる人達、殺し屋だったりテロリストだったりまぁ社会のハミ出しもの。ヒーローじゃないから行動にグズさがしみだす。
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そんな男たちに待ち受けるのはまぁハッピーエンドではないよね。
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#映画 #movie #映画好きな人と繋がりたい #映画記録 #恐怖の報酬 #sorcerer #ロイシャイダー #RoyScheider
大変そうだなあ、、、
前半、1人ずつのエピソードがなかなか理解できなく、
というのも、顔と名前と、どこから追われてきたのかが
わかりづらく、
任務を遂行し始めてから
「あ〜あの人は銀行の人ね、あの人は強盗、、、」
もうちょい目印らしい目印が欲しかったです。
任務遂行の過程はホントに撮影も命がけだったろうなあ、、、
と感嘆しきり。
結局得したのは誰?
捨て駒に終わった男達、ブルースを感じました。
ロイ・シャイダーが主演だというのに気づいたのが
エンディングロールのとき^ ^
いや〜すみません、「ジョーズ」見過ぎなぐらい見てるのに、、、
そこまで言われるほど傑作か、
となると、うーむ今現在では、、、
正直なところ。
役者陣の熱演は凄まじかったです。
近々、こちらの映画館ではリメイクではない方の
「恐怖の報酬」も上映されるようで、
違いを楽しみたいと思います(ΦωΦ)
罪人どもに報酬なし
傑作スリラー『恐怖の報酬』('52)を、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』
等で知られる巨匠ウィリアム・フリードキン監督がリメイクした'77年作。
ななんと40年の時を経て、そのデジタルリマスター完全版が公開!
なんでも'77年当時に制作費2000万ドル(現在の100億円相当)を投入した超大作にも関わらず、
本国で興行的に失敗。日本をはじめ海外では監督に無断で30分以上も短縮されたバージョンで
公開されたんだそうな。権利絡みの問題でこれまで北米以外ではリバイバル上映もソフト化も
されていなかったそうだが、監督自らが動いてその権利のイザコザを解消し、今回の
完全版&デジタルリマスター化を実現させたんだと。作品にかける監督の執念たるや。
僕が『恐怖の報酬』オリジナル版を初めて観たのはまだ2,3年前だが、
'52年公開の古典映画なのに心臓バクバクの背筋ゾクゾクだった記憶。
恥ずかしながら僕は今回初めてリメイク版が存在したことを知ったが、
その傑作スリラーのリメイクを、あの骨太監督フリードキンが手掛けたとなると、
もうよだれダラダラ(きたない)で「観るっきゃねえ!」となったわけで。
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とはいえ今回のレビューでは最初に不満点から書いてしまおうか。
やはり現代のスピーディなテンポに慣れた自分のような観客には、
輸送作戦の開始直前あたりで集中力が途切れて眠気に襲われた。
いや、主人公らの素性を紹介する序盤は最低限の説明とキレのある編集で飽きないし、
特に汚職に手を染めながら優雅な生活を送る銀行員セラノの描写は、血生臭い世界に住む
他3人との良いコントラストになっている上、その後の彼らの転落を際立たせてもいる。
だが、某国に話を移してから輸送作戦が開始されるまでがちょい長い。
鬱々とした空気を描くことで4人が作戦に参加する理由を明白に
したかったのかもだが、低調なシーンが続くので睡魔が……。
また、殺し屋ニーロだけイマイチ参加の動機が見えなかったんすよね。
(元ナチの老マルケスを殺す仕事ついでに国外脱出を試みたって流れ?)
前半であれだけ冷徹な存在感を出しておきながら、他の主人公たちより
憔悴する様子も急過ぎるように思えた。まあ彼の参加動機は他3人
よりは軽いようなので、そのぶん覚悟が足りなかったのかもだが。
...
だが、輸送作戦前夜のトラック改造シーンあたりから再び覚醒。
オリジナルにもあった粗雑な丸木橋をジリジリ進む所からイヤな汗が出るし、
ポスターにもなっている豪雨&吊り橋のシーンは凄まじく恐ろしい!
いやいやCGとかも無い時代にこんなんどうやって撮ったん?!
ヒェッと息を呑み込みそうになる状況が次々と発生する見事な見せ場だった。
その後の大木爆破のシーンも、静かに緊張感を煽る演出が素晴らしい。
全体の流れはオリジナル版を踏襲しており、またやや作戦のテンポが早い事もあり、
オリジナル版以上の緊張感を得ることは僕には出来なかったのだが、それでも
あのボロ吊り橋と大木爆破のシーンはオリジナル版を凌駕する見せ場だと思う。
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それに、このリメイク版はオリジナル版とは雰囲気や描くものが異なって思える。
困窮にあえぐ男たちが一獲千金の為に危険な賭けに出るという流れの
オリジナル版はリアリスティックな緊張感をジリジリ煽る演出だった印象だが、
このリメイク版では、陰鬱な寓話のような雰囲気が物語全体を支配している。
殺し屋、ギャング、爆弾テロ犯、横領罪に問われる銀行員……
彼らは己の罪から逃れるためにあの辺境の地へと流れ着くが、
ゴミ溜めのようなその土地は労働環境も条件もあまりに劣悪で、
入ったが最後、蟻地獄のように脱け出ることの難しい土地だった。
そんな彼らが元の世界に戻るための命懸けの作戦――
あの作戦、油田火災を食い止めるというご高尚な目的を掲げてはいたが、
その実は落書きでしか顔も知らない独裁者の権威を守るための作戦だ。
4人にとっても、国を出る金を手に入れる手っ取り早い手段に過ぎない。だが、
死ねば金など意味は無い。死ねば、要りもしない恐怖を酬われるだけの空しい苦行。
セラノとカセム。難所を乗り越え、2人の間に微かな友情や希望のような
ものが見え始めたタイミングでの、あのあまりにもあっけない死に様。
悠然と登場した殺し屋も狂気に囚われ、ゲリラに襲われ、苦悶の末に死亡。
狂気すれすれで旅路を終えたジャッキーだけがぎりぎりハッピーエンド……
と思いきや、最後の最後にギャングの追っ手に追いつかれ、そのまま終幕……。
主人公4人とも悪党ではあったし、裁判ならすぐ極刑になるような奴もいた。
だがそれでも、なんと無情な幕切れか。
己の犯した罪から逃れてきた男たちが、
名もなき地でその魂を擦り潰される。
まるでこれは、罪人たちの地獄巡り。
どこを見回しても青白く荒涼とした岩山地帯にて、ジャッキーが陥る悪夢的イメージ。
闇をゆくジャッキーの亡者のようにふらつく姿。天を突く火柱。あの強烈な神秘性。
これは、自身の行為から逃げ続けた罪人どもに課せられた罰だったのだろうか。
...
高純度のスリラーだったオリジナル版に対し、濃密かつ寓話性が増した印象のあるリメイク版。
古典ながらあれほどの恐怖と虚しさを見せつけたオリジナル版の方が僕は印象として好きだが、
このリメイク版の悪夢的な雰囲気や壮絶な見せ場もまた物凄い。大満足の4.0判定です。
<2018.12.15鑑賞>
興奮した‼︎
ニューシネマもそうですが、この時代の作品は登場人物が冒険野郎とアウトローばかりで刺激的且つ魅力的なんですよね。老後、安定、癒しのキーワードが飛び交っている今、映画はやっぱり常人ではない人間の、尋常ではないストーリーを体感してナンボというのを実感しました。
今はCGが当たり前ですが、実写だと思うと撮影風景が目に浮かんできて余計に興奮しますね。私はベネズエラの川で木製ボートが転覆しかかった経験をしているのですが、橋のシーンでその事を思い出してしまいました。橋のシーンもラストも全般的に監督の突き放し方が半端なかったです。彼らが命がけでたどった道のりと人生は、あっけなく終わりを迎えてしまいます。今までの苦労は水の泡です。でも生きるということはそういう事なのではないでしょうか。この世は基本的に不条理だということです。
逃れれれない運命
当時「すこぶる評判の悪かった」この映画が、オリジナル版だからといって、そんなに作品が良くなるのか・・・
そういう思いで、不安8割、期待2割ぐらいで鑑賞しました。
あ、 日本初公開のときにも観ています。
さて、映画。
映画の中心は、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督のフランス映画『恐怖の報酬』と同じ。
なんらかの理由で、ニトログリセリンをトラックで運ぶ男たちの物語。
運べるのか運べないのか、ハラハラドキドキのストーリー。
なのだけれど、この映画ではそんなハラハラドキドキは全体2時間のうち30分ぐらいしかない。
もう少し長いかもしれないが、実はそんなところに脚本も演出も力を入れていない(とはいえ、ポスターのメインデザインのつり橋渡河のシーンはハラハラドキドキであるが)。
なので、原本『恐怖の報酬』とはまるっきり違っている
いや、話の骨子は同じなのだが、まるで印象も、製作の狙いも異なっている。
インターナショナル版を観たのは初公開時の40年前なので、まるで憶えていないのだが、冒頭にしつこいぐらいに描かれる「恐怖のトラック」に乗り込まざるを得なくなる面々の話が興味深い。
ひとりは暗殺者。
ひとりはユダヤ人活動家。
ひとりは銀行の重役と懇意にし、それをネタに詐欺まがいの出資を受けている実業家。
ひとりはアメリカのギャング・・・といった、いわばアウトローたち。
いやはや、そんなアウトローたちに同情もへったくれもないのだけれど、そんな彼らの日常行動を丹念に描き、結果、どれもに人死に出る・・・
この前半が映画としてはすこぶる秀逸で、全世界各国各地で撮った人々の、顔顔顔顔顔がカットカットの間に挿入されます。
そして、エピソードのは「死」がまとわりつく・・・
って、米国メジャー映画会社2社が共同で配給する内容では決してなく、現在のエンタテインメント作品重視のハリウッドではありえない。
という、前半1時間はすこぶる興味深いのだけれど、ニトログリセリン運搬になってからは、演出冴えない。
唯一、ポスターにもなっているつり橋渡河シーンがハラハラドキドキなれど、あとの緊迫感はいまひとつ。
なので、この後半中心に編集された(と思うのだけれど)インターナショナル版は、やはりつまらなかった、という評論は正しかったようにも思えました。
とはいえ、個人的には、今回のオリジナル版、「逃れれれない運命」を巧みに描いており、当時の混沌とした世界世情もあわせて絵ききり、「いま観るべき映画」としての価値は高かったです。
南米の先住民の神は生贄を求める
冒頭、タイトルバックにマヤ文明の神様のようなレリーフが映る。原題はSorcerer。ニュアンスが難しいのだが、単なる魔法使い(wizard、女性形がwitch)よりも不吉なイメージ、そして占い師のような意味もある。
そして、この神様が、後から出てくるトラックのフロントフェイス(2台のうちポスターになっているほう)にそっくりなのである。
南米の先住民の神は生贄を求めるという…
これから始まる物語に、そんな不気味な陰を落とすオープニングだ。
南米の山奥、油田近くの村に住む、ヨーロッパやアメリカから流れ着いた殺し屋、テロリスト、強盗、破産した銀行家など、スネに傷ある男たち。彼らは一発逆転を狙い、高額報酬と引き換えにニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事を引き受ける。
映画は始め、彼ら4人が、いかにして南米の山奥に住むことになったのかを描く。
誰もが法律や社会正義に反する行為に手を染めていて、映画は序盤、クライムサスペンスの様相を見せる。
本作は、とにかく終始、緊張感に満ち溢れている。そして後半、トラックに乗ってから、緊張感はさらにギアを上げる。
輸送ルートは南米の密林だ。
ポスターになっている壊れそうな橋のほか、崩れそうなガケ、豪雨、道を塞ぐ倒木、果ては武装したゲリラなど、ロールプレイングゲームのごとく、様々な障害が休む間も無く押し寄せる。
演出は説明的な場面やセリフを削ぎ落としたハードボイルドタッチ。しかし、クローズアップを多用し、画面は雄弁に、登場人物の苦悩や迷いを伝えている。陰影を強調したカメラも効果的だ。
さらに泥、雨、生い茂る木々、汗、巨大トラックの車体のきしみ、エンジン音、そして荷台のニトログリセリンなど。
すべてが匂い立つほどの臨場感を感じさせている。
加えて構図が見事で、絵になるショットが多く、見惚れる。
今回、観直して気付いたのは(前のバージョンとの差異かどうかはわかりませんが)、トラックを大事に撮ってるなあ、ということ。
登場人物に継ぐ役者と言っていいんじゃないかな。
出発前の整備の場面をていねいに描いているのもそうだし、その後、整備が完了し、出発前に、逆光でトラックを正面から捉えたショットなんか、「この人がこれから活躍しますよ」という感じで心が躍る。
ストーリーは登場人物たちに無情。まったく容赦しない。観ているほうの喉はカラカラに、凝視し過ぎて眼球まで渇く、それほどの超一級のサスペンス。マスターピースと言っていいでしょう。
訓戒
橋のシーンが圧巻だった。
狂気と執念を感じたカットだった…。
当時はCGなんてものは無いはずなので、あれら全ては「現実」なのだ。
「豪雨の中、強風に煽られ揺れる橋の上で斜めに傾く大型トラック」
これを描くのではなく、どうにかして具現化し出現させていたのだ。畏怖も敬意も抱く所業なのである。
脚本も結構深く…後にトラックを運転する4人をあんなにも丁寧描いていたとは思わなかった。それぞれに何かに追われ、行き着いた貧民街。生きる為に辿り着いたその場所から、今度は抜け出す為に命がけの仕事を請け負う。
人の業というか、運命の皮肉というか、何というか…聖書の第何節とかに載ってそうな話だった。当時の傾向なんて知らないので、こういった脚本が異端なのか先端なのか分からんが、見応えはあって…シェークスピアの戯曲を観てるかのようであった。
恐怖の報酬ってのは、邦題なんだけど、その報酬は、苦難に抗う命の充実感と、死という名の安息であった。
…なんか粛々とした終幕だったなぁ。
迫力半端ない
CG一切なし、迫力半端ない。
爆発のシーンとかすごすぎる。
橋渡るシーンの緊迫感すごい。
CGが当たり前の今の時代では決して描くことができないシーンがいっぱい。
全員悪いやつなのに、感情が移入してしまって、死んじゃう時、泣けてきた。
見てよかった。
本当に公開時期が悪かった
様々なキャラが出てきて色々な言葉を話していたが、前半はイマイチ捉えにくかったものの、4人になり、2手に別れニトロを届けに行くシーンからはかなり作り込まれたキャラクター設定であった。死んでしまうシーンはかなり感情移入できた。また、ホラー映画でもなんでもないのに、かなりの緊張感があった。それは音楽などが自然に溶け込んでいたためだと思う。
鑑賞後の後味の悪さもこの映画の評価するポイントでもあるし、観ててかなり上質な映画であった。
これは1977年にユニバーサルとパラマウントの共同出資のものの、スターウォーズに客を取られたり、大幅なカットなど不遇を受け今回満を期してオリジナル版が日本初公開となった。この作品を多くの人に観てもらいたい。
とてもよかった
カナザワ映画祭での上映で見逃してしまっていたため見ることができてとても嬉しい。
午前十時で見たオリジナル版より登場人物の背景を丹念に描いていたような気がする。ロイ・シャイダーたちの生活ぶりが悪過ぎて、本当にどん詰まりの最底辺な感じがすごかった。その上警官にカツアゲまでされてつらい。
トラックで通るには道が細すぎるし、橋は細すぎるし、天気も悪すぎる。極限状態で反発しながらも友情や信頼が芽生える感じがよかった。
オリジナル版を見た記憶が新しいためかあまり興奮しなかった。もしかしたら92分版の方が面白いのかもしれない。またそのうち見てみよう。
(追記)
カセット館後藤さんが、上越の高田世界館まで遠路はるばる見に行って合計5回くらい見ていると言うので、新潟での上映でまた見た。ところが、またしてもつり橋の場面でウトウトしてしまった。寝不足だったわけでもなく、この映画が持つリズムに催眠効果があるのではないだろうか。しかし1回目より、登場人物を把握できて、より面白かったような気がする。
何度もある爆発がいちいちすごい迫力だった。道路をふさいでいた大木を爆破する仕掛けを自作するところがとてもよかった。
ただわざわざトラックを使う必要があっただろうか。乗用車で一箱ずつ6台で別々に運べばよかったのではないだろうか。なんなら、一人10キロずつ、30人でリレーして徒歩で運んだ方が振動もなく運べたのではないだろうか。
ニトロを積んだ2台のトラックがボロボロの吊り橋を渡るシーンが一番の...
ニトロを積んだ2台のトラックがボロボロの吊り橋を渡るシーンが一番の見所でした。
ユサユサ揺れてるし、いつ爆発してもおかしくないシーンが沢山ありました。
運転中に一瞬の油断で事故った(爆発)ので、皆さんも気をつけましょう!
地獄の道程
まごう事なき地獄の道程。
あんなジャングル、ニトロ積んでなくても絶対に通りたくない。
せめてトラックくらいオンボロじゃなくて強くてしっかりした物を供給してくれよ…
前半は4人の男たちの転落が描かれる。
初期の公開版ではそこがごっそりカットされていたとのこと。
最初は次々とスポットを当てる人物が変わることに戸惑うし、正直長いなと思った。
しかし南米の地で4人が集まった際の高揚感はなかなかのもの。
人となりやその過去と事情を把握しているか否かで断然見え方は違ってくる。
テロ、強盗からの事故、殺し屋、不正融資、そもそも前半からスリル盛り沢山でしかもやたらと爆発が起きる。
その物理的な衝撃が強くて多少長く感じてもアクセントがあるので飽きが来ない。
4人が4人とも追われる立場なのが面白い。あの現場で働く者たち、他にも犯罪者がゴロゴロいそうである。
セラーノのレストランからの猛ダッシュ逃亡が好き。残された奥さんの気持ちよ…。
本題のニトログリセリンの運搬劇はもう手に汗握りっぱなし。
次々と道を阻むものが現れ、それを越えるさまをこれでもかというほど執拗に執拗に描写するので堪らない。
ポスタービジュアルにもなっているボロ橋を渡るシーン、マルティネスが一瞬落ちかけた時は思わず声が出てしまった。
倒れた大木の爆破作戦は流石。
躍起になるドミンゲスを見た直後、工作し始める男たちに「何が始まるんだ?」と不安に思っている中のニトロ設置。あぁそういえば爆薬を運んでいるんだった…
お見事としか言いようのない手際にガッツポーズが出るけれど、初めて見るニトロの爆破力にゾッとする。
そして作戦成功後、気が緩み少しの情が生まれて談笑している所に不意打ちのパンク、爆発。勘弁して。
残された二人に託すしかないのに追い討ちのゲリラ登場。勘弁してって。
人を殺し慣れたニーロの最後が悲しかった。銃に生きて銃に死ぬ人生か。響く高笑いが恐ろしい。
トラックも死亡し、一人遺されてしまったドミンゲスの執念の徒歩運搬でやっと任務完了。
彼にとっても観てる側にとっても後味の悪い遂行である。
そして最後の最後、ダメ押しのバッドエンド。
ドミンゲスはどんな気持ちで踊っていたのか。
腕の良い殺し屋はこんな僻地まで追ってくるのか。
エンドロール直前に一瞬鳴る銃声にやり切れない気持ちになる。
後半のあまりにネチッこい描写はもはや笑えるレベル、非常に緊張感の高い作品で鑑賞後はとても疲れた。
面白く観られた反面、なぜかそれぞれに感情移入することがあまり出来ず傍観者に徹さずを得なかったのが残念。
私の気の持ちようの問題だけど。やはり前半長かったのかな…
彼らの繋がりが分からないまま一人一人のエピソードをぶつ切りの羅列で見せられるのがしんどかった。必要だとは思うんだが。
それにしても撮影のリアルさがものすごい。どう撮ったんだ
強盗に入られる教会の結婚式で花嫁の顔にガッツリ痣があったのが忘れられない。不気味にもほどがある。
4K!
①K 怖いッ!
②K 木が邪魔ッ!
③K 切れそうッ!(ロープが!)
④K キレたッ!!(ロープとか人が!!)
53年版は観たことがあった。ソフトが出てなくて観れなかったフリードキン版をやっと見ることが出来た!という意味でも期待度はかなり高かったが、かなりの満足度でした。
本題(ニトロ運搬)に入るまでがちょっと長い気もするが、こちらが油断していると発砲もしくは爆破が突発的に鳴り響くので緊張感が途切れない。
編集もかなり大胆にスッ飛ばしていていいテンポだった。
運搬が始まると終始息をするのを忘れる程のサスペンス!(大気圏内版ゼログラビティ)
フィルム独特のザラつきも含めていちいち構図が決まってて、額に入れて飾りたいカットに溢れていた。
今年観た映画の中で一番興奮したかもしれない。
削られても・・
映画.COMで、知って橋渡りのポスターに興味を引かれて鑑賞。
確かに橋渡りは圧巻のシーンではあるし、当時でなければ、無理と思えるシーンも、多く(焼死体とか?)村の無秩序ぶりもリアルで、見応えありなのですが、物語の登場人物の描写が弱く感じました。何故、あの四人が、集まったかを冒頭で描いているのですが、主人公だけでよい感じで、他の三人は必要性を感じないくらい話中では脇役な扱い。
(車中での奥さん語りからの爆死へのアッサリ具合(笑))
メインの運搬話までに語られる話が良く言えば丁寧に描かれ、悪く言えば冗長に感じます。
後、各シーンもそこまで長く描く必要あるかな?と思える部分もあり、壮絶な運搬をメインにするなら、確かに削れるシーンもあるかなと。
監督の思い描いている内容が、単なる客とすれ違っただけですが。
フリードキン!この野郎!!傑作じゃねえか!!!
スゲえ!!こういう傑作が埋もれているんだなぁ。
●とにかくド迫力!ポスターの絵が強くて見に行ったけど、正直、昔の映画だしポスターみたいな迫力のある映像なんてないんだろうなぁと思ってた。ところがポスター以上のとんでもない映像にシビレた!!CGもない時代に、いやCGじゃないからこそ出せる迫力に打ちのめされた。超大作だったんだなぁ。公開当時、コケたなんて悲しいぜ。
●サスペンスの盛り上げ方が上手い!!爆破シーンや車の横転なんて珍しくもないはずなのに、心踊る。繰り返すがCGがないので現代みたいにトリッキーなカメラワークや効果など出せない。現象だけみたら大量の爆薬で爆破させているだけに、ハッとさせられるのは監督の演出力なのだ。絶妙に観客の虚を突くシチュエーション、アングル、タイミングなんだ。今の映画は特殊効果ばかり使って、それで客が驚くとタカをくくって心理的な仕掛けをしない。フリードキンを見習おうぜ!
●単純な話だけに丁寧に描写している。ストーリーだけで言えばド直球なのに、人間の深みを感じる。簡潔の中に効果的に人間描写をしているんだ。あれだけセリフが少ないのに、人物の苦悩がはっきりわかる。キャラの強さはセリフにしなくても伝わってくる。さらに、日焼けに汗に、あれってリアルだよな?人間性そのものが臭ってきそうな臨場感だ。
●芸術的な絵。迫力の音響。そう、映画は映像と音の見世物なんだ!まさに映画の教科書だ!!!
●音楽がこれまた迫力!現代の映画音楽がいかにヌルいか認識させられる。
エクソシスト?フレンチ・コネクション?いや、「恐怖の報酬」だ!!!!
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