恐怖の報酬(1977)のレビュー・感想・評価
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映画とはこれだ!
ストーリーはシンプルだが映像と音響に圧倒される。四人の男たちの薄汚い顔。まさに地の果てを思わせる南米の村。地獄としか形容できないジャングル。男たちの焦燥感が手に取るよう。やがて饐えた汗の匂いまで漂ってくる。
頭から離れないのが手負いの野獣のような二台のオンボロトラックの造形。クライマックスの吊り橋では苦痛の唸りを上げている。まるで生きているようだ。生きている?そう、この二台が死ねば男たちの命もない。
タンジェリンドリームの不穏なサントラが耳から離れない。
フリードキンの映画はどれも麻薬的で中毒性あり。地上波短縮版しか知らなかったが、オリジナルはこれほど凄い傑作だったのだな。
クルーゾーの1953年度版は名作だが又別の作品という印象。時代背景が違うとこれほど印象が変わるのか。
ロイ・シャイダー以下四人の男優が素晴らしい。
フィルムに刻み込め!
こういう傑作をフィルムに刻み込んだ人々の満足感に思いを馳せる。
大きなトラックが軋む木造の橋を渡る。断崖絶壁にタイヤ半分はみ出しながらゆっくりと進む。一歩間違えればスタントもカメラも、映画そのもの以上の大惨事に見舞われるだろう。いったいどうやって撮影をしたのだろうか。驚嘆、瞠目の連続。
二人一組でニトロを運ぶ男たちの間には、はじめは信頼関係などないのだが、撮影スタッフたちの間にはそれがないとこの撮影は成り立たないのではないだろうか。
非常に大がかりな、大きな現場仕事をやり遂げた彼らの達成感は想像に難くない。映画の撮影=土木工事のような作品は、今は望むべくもないのだろうが、これぞ「現場」と呼ぶにふさわしい。
大爆発!男の臭い。血、血、血。もしかしたら、映画に必要なのは「ダイナマイトと男」だけなのかも知れない。
子供のころテレビで「ナバロンの要塞」を観たときのハラハラドキドキ感が胸によみがえった。こうした作品を通して、子供には映画の楽しさ、面白さを伝えたい。
犯罪者が活躍する映画は教育に良くない?
多国籍企業の非道に気付くものの見方を教えることこそが教育というものなのだ。
緊張する映像。
素晴らしい!これこそ映画です。
たしかに映像は、古いですが
汗、泥、息づかい、血、が
男たちからほとばしり、観ている
私達にも充分伝わります。
とくに、あの吊り橋。
緊張で、うーと胸が痛くなります。
このニトロの運搬になぜ至ったのか?
何があったのか?これから、どこへ
いくのか?は、言葉でなく、映像で
伝わります。
いやあ、なかなか見がいのある
ごつい映画でした。
オススメですよ。
後半の緊張感
恥ずかしながら初見です。従って、今回の作品が前回よりどこが30分も長いのか分からずに書かせていただきます。
ニトロの搬送までに至るエピソードが少し長く、いつ有名な橋のシーンに行くのだろうと前半は不安で鑑賞していました。
一転、後半のニトロ搬送シーンからは緊張感の連続で、これだけ古い作品でCGもないのに流石だなぁ~と感心して観ていました。
後半1時間はさすが。
この完全版しかみてないからどのシーンがカットされているかわからないけれど、前半1時間は展開が目まぐるしすぎる上に4人の男たちのばらけたはなしだからなんともぶちぎり感が…。
後半は邦題がドンピシャな手に汗握る展開に。特にメインの絵柄の橋渡りのシーン、素晴らしい。
それにしてもデジタルリマスター、映像がきれい。
最高!!!!!!!
全くもって素晴らしい映画だ。「手に汗握る大興奮!」とは、この映画を見たら恐ろしいほどに実感出来るだろう。オリジナル版より遥かにパワーアップし、各登場人物の背景の描き方も、とても面白い。デッドエンドな食い詰め者共が命を賭して、苦界からの脱出に至る過程がとてもシンプルに無理なく語られて、その上で生きるか死ぬかの困難な状況をフィルムに如実に映し撮ったのは、フリードキンの力量であり、只々敬服するばかりである。当時、これだけの映画がコケたとは甚だ残念である。スターウォーズの公開のために日陰に追いやられた形になってしまったとのことらしいが、今となってはこちらの作品に方が素晴らしいと声高に叫んでも鼻白むことはないだろう。私にとっては、今年の最高傑作に値する映画である。
古いけど凄い
とりあえず、面白い! これは、超一流のエンタテインメントだ。
子供の頃おそらくテレビで見たのだろう、記憶があって、中身はうろ覚えながらドキドキ感は覚えている。どうやらそれは、90分の短縮バージョンだったようだが、それでも強烈な印象を受けた。
今回、監督のフリードキンが自らデジタルリマスターして再上映しただけあって完成度が高い。(というか傑作! ) 40年前の映画と思えない。
もちろん、時代なりの古さを感じるシーンやカットは沢山あるのだけど、ドラマやストーリーは全く違和感ない。それどころか、手に汗握る感覚は、CGに慣れた目には余計にリアルを感じさせる。爆発シーンは、本当に爆圧を持って吹き飛んでるし、負傷者は今ならNGに近いくらいの血みどろだ。
画面の違和感はあってもすぐに慣れる。それよりも、中盤から後半にかけての緊迫感のある運搬シーン。ちょっとした衝撃で大爆発のニトロを積み、オンボロトラックで道無き道のジャングルを走る。どだい無理のある道行きなのに、集まったのは癖のありすぎる4人の男たち。その癖のなんたるかは、前半にすべて語られ、伏線があちこちに散りばめられて、物語の厚みを増す。さらに、大いなる自然が行く手を遮る。視界を遮る土砂降りの大雨、濁流の川に風で揺れる吊り橋、片側崖の細道などなど。言葉としてはネタバレだが、映像と演出でハラハラし通しだ。
手に汗握りたければ、是非劇場で。
CGでは真のアクション映画は撮れないとのメッセージだ
なるほどフリードキン監督の作品であった
1952年のクルーゾ監督のオリジナル版とは全く違う
アクション映画として再構成し直されている
フレンチコネクション、エクソシストと来て本作
当たらない訳がない
本人もその出来映えに自信が有ったのは間違いない
40年も経ってリベンジを図るのは、正当な評価を得ていないと余程に納得がいかなかったのだろう
映像の迫力は凄い
崩れかけの吊り橋を豪雨の中、大型トラックで腐った橋板を割りながら渡るシーンはオリジナルに無いシーンで強烈な印象を残す
その映像の迫力と説得力はどうだろう!
最近のCGだらけのペラペラの嘘っぽい映像とは全く違う本物の映像の力が画面から迫ってくるのだ
とはいえ、その他の手に汗握るシーンはあらかたオリジナル由来であり、顛末を知っていると、画は確かに綺麗で迫力もあるのだが・・・となってしまう
もったいない限りだ
ドラマ性は違った形で作ろうとしているが、何故その最果ての地に流れ着いたか、どの様なバックボーンを持つ人間なのかに冒頭に重点を置いているが、何故そこからそんなにも抜け出したいのかの動機付けが安易過ぎて強く感情移入出来ない
さらに2台の大型トラックに分乗する4人のキャラの立ち方、互いの関係性が薄いのだ
そもそもイブ・モンタンに対応するのがロイ・シャダーなのだから配役時点でそこを監督がどの様に考えていたのかは明らかだ
これはアクション映画だからそんなことはどうでも良いのだといのが監督の答えな訳だ
それ故に脱落していく登場人物への感情移入できないから、達成した時のカタルシスがどうにも弱いのだ
オリジナルと全く違うエンディングも同じ虚無感でも似て非なるものになった
何か不純物の混じった虚無感だ
映画としてはやはりオリジナルには決定的に敵わなかったと言わざるを得ない
だが、フリードキン監督が執念を燃やして、40年を経て本作を復活させた情熱が何かは充分に伝わった
な、CGの無い時代に凄い映像を撮っていたんだぜ!CGに頼ってばかりじゃ駄目なんだよ!
これが彼のメッセージだ
CGでは絶対に作ることの出来ない真のアクションシーンの映像がここにある
本作は現代のアクション映画に失われたものは何かを明示して問題提起してくれているのだ
そこに再編集された本作の意義があるのだ
最後に映像とは逆にシンセサイザーによる音楽が妙に良い
何故かとクレジットを見るとタンジェリンドリームとあった
知る人ぞ知るプログレッシブロックの名バンドだ
1980年代のバンゲリスに匹敵しようか
CG無しの映像と電子音楽の取り合わせ
少し皮肉な感じだ
緊迫感あったけどねー
笑いとは緊張と緩和とよくいうけど、リアルでスリルあるトラック走行だったり、この先どうなるんやろ?てドキドキ感は凄いものの、たまに見せる昔独特の演技なんかな?オーバー過ぎる演技とか、カメラワークがちょっと笑ってまいました。(コントっぽいんかな) 殺し屋のキャラが良かったw
まーでも総じて映画としては面白い!最後もいい終わりかたやしね。こーでないと。
私は初回公開版の方がポイントが高いけど
1977年、ウィリアム・フリードキン監督作品、ロイ・シャイダー主演の「恐怖の報酬【オリジナル完全版】」を見てきました。
本作品ですが、1977年3月ロードショーで、新宿ミラノ座で1回、その後3番館、中野名画座で当時見ました。
それから私が20代の頃でしょうか、「恐怖の報酬 ディレクターズカット版」と題してビデオが出てそれを購入しました。
当時のロードショー公開時の上映時間が1時間30分、ディレクターズカットと今回のオリジナル完全版が2時間1分の作品になりますが、ロードショー当時は、この恐怖の報酬が大変に面白く、3番館落ちして見直したモノでしたが、ディレクターズカット版には、少々落胆した覚えがあります。
ですので、当時は、ディレクターズカット版ブームでしたが、公開時の編集に、更に手を加えたモノは、駄作だと「エイリアン2」以外は思っていました。
そして、今年オリジナル完全版と題して、「恐怖の報酬」がリバイバル公開されました。
ま、私としては感想は変わりません、やはり、私的には、初版公開版の方がスッキリして良かったかな、今回見直しても、勿論面白かったですが、しかし、1時間30分バージョンの方が私にはもっと良かったな、公開当時は評判が悪かったなんて知らなかったな、確かにロードショーの時、ガラガラだったかもな、今回は、凄い人でした。
また、映像の方もしっかりリストアされていて、大変に綺麗な映像でした。
元の作品で、イヴ・モンタンの「恐怖の報酬」と比べるとリメイクと言うよりリブートされていて、私的には、別の映画として見る事が出来ます。
ロイ・シャイダーも今はこの世にはいなく、私としては、好きな俳優、好きな監督の作品なので、見直したいと思っていた所での公開は大変に嬉しかったな・・・・
この後、ウィリアム・フリードキン監督ってパッとしませんでしたが、しかし、本作品って、結構臨場感よく出来ていて、日本の監督で言うと深作欣二監督ぽい撮り方に、本作品の匂いが凄く感じられ凄くいい作品だと思います。
PS
今回の完全版の上映にあたり、ポスターが向こうのモノそのままですが、配給会社も馬鹿だね、ポスター売れば結構売れると思うのですが・・・・実は私は1枚持っておきたいと思っています。
マジ凄いです!
昔々にテレビとVHSで見た記憶はあるけれど、スクリーン初鑑賞。CGのない時代の映像ただただ凄い、作り物じゃない画面の圧倒感、余計な説明もなくセリフも少ない、電子音楽が場面を盛り上げる、本物の映画です。初日にシネマート新宿で見たけど、世の中の映画好きが集まってる感じで嬉しくなりました。
70年代の映画は凄いわ!
吊り橋のシーンは圧巻!
この作品。子供の時に劇場で観賞してるんだけどトラックが暴風雨の中、今にも壊れそうな吊り橋を渡るシーンがあまりにも迫力があり記憶に残ってました。
今回もそのシーンは圧巻。
その頃はCGなんて無いから実写で撮影だと思うけど凄いです。
隣の老夫婦は「ひぇ~ぇ」とか「あぁぁぁ~」とか絶叫の連続(笑)
このシーンだけでも観る価値のある作品。自分の中では今まで観た映画のベストシーンかもです!
それにしても作品に登場する建物。車。飛行機。全てがボロすぎ(笑)
レトロ感がハンパ無しです( ´∀`)
トラック野郎ならず者版
原作未読
53年オリジナル版、77年92分版共に未鑑賞。
チリのポルベリーニという町から約300km離れた山の油田がゲリラに襲われ、火災を止める為に、1万ドルの報奨金で集められた脛に傷を持つ4人の男が2台のトラックでニトログリセリンを運ぶ話。
古い作品だしシーンのスキップのさせ方は雑な部分もあるけれど、登場人物の背景から話が始まり、メインストーリーへという展開で、4人の関係性やニトロに衝撃を与えてはいけないという状況の中次々現れる症状トラブルを乗り越えて行く様子がハラハラドキドキ面白かった。
鑑賞後、77年の世界公開版で何をカットしたのか調べたら…言いたいことが変わってしまいそれはないよという衝撃。
更に調べたら53年版の方が更にはっきりとそれを表現するエピソードとのことで、実際に鑑賞した訳ではないけれど、こちらの方が自分の好み。
デジタルリマスター版上映前週に53年版を公開していた劇場があったのに観なかったことをちょっと悔やんだ。
人、死んでない!?
リアルな爆破シーンなど人死にが出ていそうな描写が数々。
何でもない人たちのアップの映像などドキュメンタリーに近いような撮影の大変さがスクリーンから伝わってくるこの時代だからこその為せるワザ!?
アメリカン・ニューシネマが終焉を迎える頃ぶっ飛んで狂った映画を撮ってしまったフリードキン、コッポラ、M・チミノと孤高の三人衆!?
そんな本作「恐怖の報酬」と「地獄の黙示録」と「天国の門」は色々な意味で最狂でしょう。
二台目は吊り橋で思いっ切りドッカーンとイッて欲しかったモンだ!?
久しぶりに映画らしい映画を観ました。
まず、命がけの仕事を請負わざるを得ない、主人公たちの人生崖っぷち感がギラギラしてていいです。二台のオンボロトラックの造形もなにか禍々しい感じで、嵐の中、揺れる吊り橋を傾きながら渡るシーンは構図も魅力的だし凄い盛り上がりかたです。キャラ描写とか分かりにくい所もあるんだけど、全編を貫く緊張感と執念みたいなものに当てられっぱなしでした。
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