「訓戒」恐怖の報酬(1977) U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
訓戒
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橋のシーンが圧巻だった。
狂気と執念を感じたカットだった…。
当時はCGなんてものは無いはずなので、あれら全ては「現実」なのだ。
「豪雨の中、強風に煽られ揺れる橋の上で斜めに傾く大型トラック」
これを描くのではなく、どうにかして具現化し出現させていたのだ。畏怖も敬意も抱く所業なのである。
脚本も結構深く…後にトラックを運転する4人をあんなにも丁寧描いていたとは思わなかった。それぞれに何かに追われ、行き着いた貧民街。生きる為に辿り着いたその場所から、今度は抜け出す為に命がけの仕事を請け負う。
人の業というか、運命の皮肉というか、何というか…聖書の第何節とかに載ってそうな話だった。当時の傾向なんて知らないので、こういった脚本が異端なのか先端なのか分からんが、見応えはあって…シェークスピアの戯曲を観てるかのようであった。
恐怖の報酬ってのは、邦題なんだけど、その報酬は、苦難に抗う命の充実感と、死という名の安息であった。
…なんか粛々とした終幕だったなぁ。
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