ユンヒへのレビュー・感想・評価
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時代によって引き裂かれた2人の心の一部を埋める”再会”を静かに描く!!
今作は同性愛を扱ったものではあるが、時代によって引き裂かれた2人の再会を描いた、静かな物語だ。
ドラマや映画という媒体を使って、メッセージを発信していても、どこかフィクションとして観ていて、一般的には、まだまだ自然なものと受け入れる気配は感じられない。
特に宗教上の問題や、国の方針によって、何世紀にも渡って、同性愛はタブーだと受け継がれてきたことか背景としてある国は、多様性だとリベラルが訴えたところで、受け入れる余地もない状態だったりする。
韓国における同性愛の歴史というのは、決して理解されていたとは言えないもので、今でこそ『ある詩人の恋』や『メソッド』といった、同性愛を扱った作品も製作されるようにはなったものの、同性愛やトランジェンダーを映すことをタブー視されていたのは、まだ2000年代でも続いていた。
その理由としては、韓国は同性愛を精神疾患として扱ってきた過去をまだ引きずっているからだ。少し前の世代までその概念というのは、引き継がれており、今でも風当たりは強く、まだLGBTQの居場所は映像業界にほとんどないといえるだろう。
今作のユンヒとジュンも、自分たちが同性に対して「愛」を感じたことさえも許されない時代ということもあって、その感情自体が確かなものとしないまま、蓋をしてしまったのだ。その後、ユンヒとジュンの心に穴が開き続けていた、自分の一部をずっと無くしたままのような状態が続いていたといえるだろう。
再会したふたりが交わす会話も「ひさしぶり」と、少しの言葉でしかないが、この少しの会話の中で、互いに欠けていたものが埋まった瞬間を確認できる。決して再び恋が燃え上がるような劇的な展開をむかえるわけではないし、この再会は心の穴を埋めるのと同時に、正面から伝えられた、何かよくわからない感情のままの別れではなく、明確に愛に対しての「別れ」でもあるのだ。
今作は全体的にセリフも少なく、多くを語る作品ではないが、ユンヒとジュン、そしてユンヒの娘、ジュンの叔母という3世代のキャラクターに、時代によって日々アップデートされていく価値観や概念の変化を体現させることで、明確なセリフなどからではなく、観ている側に自然に感じさせる全体的な演出と画作りは見事な作品だ。
“ノン・バイナリー”を受け入れられなかった世代とそれを受け入れる世代
韓国、小樽を舞台に、初恋の記憶を手繰り寄せるーー。二人の女性の静謐なラブストーリー。韓国から小樽へ、小樽に降り積もる雪のように静かに優しく想いが募る。
韓国ではこれまでにも女性同士の恋愛について真正面から描かれることはなかったという。物語からもユンヒはジュンとの関係が許されなかったと語られていた。時には「精神科へ行け」などと言われたり、同性愛者への理解がない当時の韓国社会からの抑圧が伝わってくる。
またユンヒは大学に進学できなかったり(ユンヒの兄は大学へ進学)兄の紹介ですぐに結婚しているなど、男尊女卑が強い国 韓国の様子をよく表しているが、日本はさらに韓国よりも酷い。2021年の「ジェンダー・ギャップ指数ランキング」では日本は120位の史上ワースト2位、韓国は102位と日本よりは高いものの、世界的に見ても両国の「男尊女卑」度合いの高さがわかる。
物語のキーパーソンの娘のセボムが抜群の存在感を発揮しているが、セボムの反応や対応からも20数年経ちようやく同性愛やLGBTQなどにも理解が示されるように。18歳のセボムはZ世代と呼ばれる世代で、この世代はLGBTQなどにも理解がある。ユンヒの学生時代と20年以上経った娘の世代の対比も面白い。
結局のところ、本作の手柄は叔母のマサコと娘のセボムですね。
ちょっとはに噛みながらもお互いを慈しむマサコとジュンのハグをするシーンにはもらい泣きしてしまった。
ユンヒが元夫の再婚を喜ぶシーンには共感、なんていうか…情として本気で幸せになって欲しいっていう(本当に愛する人への感情とはちょっと違う感じすごくわかる)。夫の涙にまたジーンときて、、。
押し黙って見てしまうような静寂な美しい小樽の街と雪景色。
あぁ、私の好きな作品だわ。見てよかった。
【通い始める心】
韓国では19年に公開されていたが、日本ではコロナ禍で公開がずいぶん延期になっていた作品だ。
やっと上映にこぎつけられたとのことで、中村優子さんが感慨深さからか涙していた。
アジア映画には、(身体の性が)”女性”のノン・バイナリーを描いたものは少ないと言われている。
欧米とは異なり、”女性”が性欲をもつことを未だタブー視する傾向が高いことも大きな理由らしい。
偏見が欧米以上に多いのだと思う。
この作品は、登場人物の心の変化がきめ細かく描かれていて、単純な言い方だが、とても好感の持てる作品だと思った。
最近観た某国内作品とは違って、安易に”ユリ”だとか”BL”とか矮小化するような言葉は出てこない。
ノン・バイナリーが当たり前のようになるまでの間、矮小化された言葉を使ってノン・バイナリーを取り上げることがコミックや小説が流行のテーマになってしまうのは、ある意味、やむを得ないのかもしれないと思う反面、作品によっては、それをノン・バイナリーの人たちが読んだりしたら、どんな風に思うのかとか、KYが過ぎるんじゃないのかなど考えてしまうことがある。
この作品はドラマチックな変化はないものの、心の変化をきめ細やかに示唆的に描いていて、2人がノン・バイナリーであることにどう向き合わなくてはならなかったのか、それぞれの悲しさや辛さ、葛藤、そして、その後の人生が良く分かるように綴っているように思う。
(以下ネタバレ)
ミックスであるため、両親の離婚を機に、日本人の父親を選んで小樽に移住したジュン。
意に反して、男性と結婚し、セボムをもうけたユンヒ。
ジュンに好意を寄せるリョウコに対し、隠してきたことは隠し通しなさいと言わなくてはならなかった気持ちはどんなだろうか。
ユンヒと離婚したものの、ユンヒを思い続けるセボムの父親インホの気持ちもどこか切なく、別れを告げられた男性の気持ちとして共感できるものもあった。
小樽でジュンを受け入れ一緒に過ごすマサコの存在。
純真無垢なセボムの明るさは、悲しさや切なさに対して、どこか温かく前向きな希望を与える。
この作品はセボムなしでは成り立たなかっただろう。
この作品は、どんな形であれ、一歩踏み出すことは出来るのだと言っているような気がする。
若い時代の恋愛に距離や時間が残酷であることは否定できない。
しかし、時の経過に従って価値観は変化するし、過去の空白を少しでも埋めることは出来るのではないのか。
冬の寒々しい小樽を再会の場としつつも、とても、示唆的であたたかい良い作品だと思う。
フィルムカメラと紙巻たばこ
中村優子と瀧内公美が二人で道を歩くシーンがあるんだけど「二人は惹かれ合ってるんだ」って分かるのね。直接的な台詞はないんだけど。それで自然なの。「クィアの恋だ」って感じじゃなくて、「ジュンとリョウコは互いに好きなんだ。うまくいくといいな」って感じる。(しかし『分かってるけど何も言わないで』と遠回しにジュンが言い、二人の恋は発展しない。このシーンもすごい。)
心象描写を台詞以外でやるのがすごいんだよね。クライマックスの『ユンヒ?』も長い間をつかって、みつめあって涙を流すだけっていう。すごい。
小樽から戻って写真を整理すると『笑ってる写真が一枚もない』って娘に言われるんだけど、本当のラストに、食堂の仕事に応募するときは笑顔。色々と抱えていたものがおろされて、人生が始まるんだと思ったよ。
旦那さんが再婚を報告するシーンもいい。厳しい対応をしていたユンヒが『良かった。本当に良かった』と安堵して、旦那さんは『お前も幸せになってくれ』と言って泣く。観るほうが色々と解釈できるシーンで良かった。
煙草を吸うユンヒがかっこいいんだよね。カッコよさの表現に煙草を使うのは久しぶりに観た。それと娘が写真を撮るのもフィルムカメラ。
なんでフィルムカメラと紙巻たばこを使うのか分からないけど、ユンヒとジュンの高校時代の恋愛に戻るから、舞台装置としてその頃のものを出してるのかな。
最後のユンヒからジュンへの手紙で、ユンヒの辛い人生が語られるのね。周囲の無理解(しかし、時代背景を考えるとそう言い放つのも厳しい面はある)によって、多くの人が不幸になる。別れた旦那さんもかなり辛いね。
でもそれは、クィアの恋だからじゃないね。
ヘテロ同士の恋だろうがなんだろうが、周囲が認めずに強引に二人を引き裂くと誰かの幸せを奪うことがある。このケースでは、周囲が認めない理由がたまたまクィアの恋だったという風に観てて思った。
クィアの恋を扱いながら、そこを目立たせず、自然に描いてきたのが、監督の力量がすごいと思ったよ。
"セボム、ナイス!"な映画
主人公ユンヒ役の女優さんは、なかなかの名演でした。
秘めた思いを、胸の中のずっと奥に落とし込み、人生に疲れ果て、無意味に生きている様が、スクリーンを通してまざまざと伝わって来ました。一切笑わない、物憂げとも悲しげとも違う、正に魂の抜けたような顔貌(表情)…美人が美人に見えない…。
女性同士の同性愛を扱っていますが、報われない愛情とそれに絶望した人間の悲しさという、普遍的な愛についての物語だと思いました。
*男性目線から言うと、別れた旦那がユンヒに再婚を報告に行きますが、その時の男泣きは、かなり胸にグッと来ましたね。
*台詞がところどころ不自然というか、「あぁ、韓流だなぁ…」と、なんだか物語の深みを損なってしまっているなぁと、ちょっと残念でした。
変に"オシャレ"にする必要はないんですよねぇ…個人的な見解ですけども(笑)
例えば、「雪はいつ止むんだろうね」…でしたかね?(笑)北海道・小樽で、その言葉はあまりにも不自然というか…格好良すぎる台詞は、気恥ずかしさしかありませんでした(笑)
*パンフレットはもう要らないかなと思ったんですが、800円の割に意外に紙数が多かったので、思わず買ってしまった(笑)
観ている者の共感を呼ぶ韓国映画
様々な韓国映画やドラマを観ることのできる環境にあって、こういった親子や友人関係を描いた人間ドラマとか、ヒューマンと分類される作品では、日本人も共感するようなそんな描写が、とても多いと思う 小樽を舞台にし、またキャリアのある日本人女優が起用されていることも、そういった思いを感じさせる 是枝監督の作品にも出たぺ・ドゥナが主演の8年前公開の「私の少女」では、ぺ・ドゥナ演じる女性警察官が、虐待を受けていた少女を自宅に匿ったことで、同性の幼女への猥褻行為が疑われ、処分を受けるというストーリーがあった 同性に対する愛情を厳しく非難するという思想が、韓国には根深いことが感じられる それでも抑えきれない感情を手紙という媒体を用いて訴えようとするジュンの気持ちはよくわかるし、岩井監督の作品とは大きく異なるとはいえ、今の時代書かなくなった手紙に備わっている不思議な力を意識する物でした 手紙が人の心を動かすことを信じたくなる話でした
脇を固める木野花さん、「そしてバトンは渡された」では少ないセリフでしたが、なんと存在感のある方でしょう 瀧内公美さんも険しい表情ではなく、屈託のない可愛い笑顔を見せてくれるも、いい配役でした 隣国との関係は緊張を増していますが、人々の思いはしっかりと通じています
(1月13日 京都シネマにて鑑賞)
詩人の恋 と対をなす傑作
ヤン・イクチェンが演じた 優しいオトナを
キム・ヒエと中村優子が演じている。
周りを演じる俳優も全て、この不思議で切ない物語を見事に仕上げている。
お話しも映像も何もかも美しく そしてドキドキさせられた。
こんな感覚 ディーヴァを観て以来
2019年に 中村優子が この役を演じられた奇跡に心から祝福したい。
メチャクチャ良かった!
何が良いかってユンヒの娘のセボムがとっても可愛い(笑)
そして終わってみれば彼女が主役だった印象。
韓国のユンヒが小樽にいるジュンと再会するストーリー。
二人の関係が良く解らなかったけど、ストーリーが進むにつれ解って行く展開。
直接二人の関係を表す場面は無く、セリフなどからその関係を伝える感じがジワジワ来る。
ユンヒがセボムと小樽に旅行に行くんだけど、セボムが全てを段取りして再会させるストーリー。
セボムのラブストーリーが平行して進む胸キュンシーンも良かった。
列車の車窓から見える雪景色の海岸が美しい。
小樽の町並みも雪にまみれて綺麗。
小樽の観光スポットを敢えて映さないのも良かったです( ´∀`)
一般指定(G指定)であることも相まって理解は困難。オフィシャルページ事前学習必須
今年11本目(合計286本目/今月11本目)。
※ ここだけでなく、「オフィシャルページのストーリー紹介」等に書いてあることはネタバレ扱いしません。
この映画はG指定です。つまり、誰でも見ることができる映画です。
映画のストーリー自体は他の方も書かれているので細かくはカットします。韓国に住んでいる方があるきっかけで小樽市に行って…そこで知ったこととは…といった内容です。
そして一般指定(G指定)ということもあり、何を伝えたいのか「予習なし」ではかなり厳しいです。女性が大半を占めること(男性も出ます)、恋愛がどうのという話から、いわゆる「同性愛をテーマにした内容ではないか」ということはだいたい想定がつきますが、映画内でこのことが明かされるのは最後というような状況です。もちろん一般指定ですから、直接的な表現はなく、一般的な表現になっているので、見方によっては「何がなんだかわからない」という方も出てくるのではないか…という状況です。
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▼オフィシャルページのストーリー紹介から
これまで韓国では正面から描かれることが少なかった中年女性の同性愛と彼女達が経験してきた抑圧を真摯に描き出し、韓国のLGBTQ+コミュニティや女性達から熱狂的な支持を受け、2019年の釜山国際映画祭では…
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要はこうなのであり、いわゆるクィアを扱った内容です(実際、韓国国内ではクィア賞を取っていたりもしています)。このことを「事前に」把握していないと正直ハマりが発生します。こういった事情があること(もちろん一般指定という事情から、深く描写はされない)は最後の5分くらいまでしかわからず、「小樽市に韓国人の方が旅行してうんぬん、寒い小樽市で雪をかきわけながら寒いだの何だのいいつつ宿を取りつつ旅行する…」という展開がずーっと続くので「趣旨が理解しがたい」という方も出てくるんじゃないか…と思います。
最後まで見ればこの問題が提起されていることはわかりますが(何度も言っているように「一般指定」なので、直接的な表現はされていない)、とにかくストーリーの筋がこうした状況から本当にわかりづらく、公式のオフィシャルページ(これを見るのはネタバレでも何でもない)を見ていないと本当に混乱します。
※ 韓国映画は「ストーリーがわかりやすい」「恋愛ものなら恋愛もの、アクションものならアクションものとはっきりわかる」というカテゴリですが、この映画に関してはそうとは言えないでしょう。
ほか、月(moon/地球の衛星)に関する考察などは他の方と同じ見解(月はluna(ルナ)ですが、その形容詞 lunatic には「変わった人」といった意味があります)です。
この「月に関する描写」の見解は同じですが、韓国では月に関する文化は日本と若干でも違うのかな…とは色々調べてみたのですが、特にはなさそうです。
※ なお、「月の満ち欠け」というのも一つのポイントになります(これで何日たったのか、ということが示唆される)。そのため、なぜか妙なところで天文ネタが入っていたりもします(月の満ち欠けは小学6年の範囲)。
このことは事前に予習していないとわからないのではないか…と思います(私も知らなかったのですが、シネマート心斎橋さんでは映画紹介で新聞記事の切り抜き紹介などがポスターと一緒に紹介されていて、なるほど、そういう内容なのね、ということが分かったわけです。ただ、それはミニシアターや韓国映画に力を入れている映画館(要は、結局はシネマートになっちゃう…)でないと無理で、事実上「公式サイト事前予習必須」というところではないか、と思います。
採点は上記のようなこと、および下記を考慮して次のようにしました。
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(減点0.3)結局上記につきるのであり、この映画の「真のテーマ」が上記(公式サイトに書いてある通り)であることは、もう事前に公式ページを見ていないと、まぁもう無理ではないか…と思います(最後の5分まで出ないし、一般指定ということもあって、かなり間接的にしか字幕が出ないというのもある)。
※ お隣韓国は、日本とは当然ある程度は違っても、言論の自由や表現の自由はあるはずですし、日本の映倫に相当するようなものもあると思うのですが、これらがテーマのときに「これらがテーマです」と最初に「映画内で」言っちゃうのはアウト判定を食らうんでしょうか…?
(減点0.1)「鳥肌が立つ」という語は最近は誤用が目立ちますが、「単に感動した」という意味では使わない語です(国語辞典参照)。韓国から来た方が使うならまだしも、日本人(この映画は小樽市がテーマで、日本人役は日本人が演じています)がこの誤りをするのはどうなのかな…と思いました。これもやはり「全体を見渡して考えたとき」の話で、「ストーリーがわかりやすい、一本道ないし二本道くらいで、見て楽しむタイプの韓国アクション映画」なら減点対象でもないですが、本映画はとにかく「わかりにくい」というのはもう避けられず、そこにさらに誤用表現まで出るので、さらに大混乱を招きます。
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何か検閲でもあるのか
と思うくらい、もどかしい。
これは切なさというのかな?
娘はわかっているよ。
おばさんもわかっているよ。
世界は変わるし、自分に嘘ついて自分でないものとして生きるのはしんどすぎる。
韓国にルーツがあることすら隠さなければいけない国だから、かな?
女性同士の過去にあった恋愛
今は韓国と小樽にそれぞれ住む2人の、遠い昔の恋を思い出す物語は、大人の女性の切なさがあった。
盛り上がりはなくシンミリした話だが、なんか良い映画でした。
大人の女性にお薦めです。
度々映る小樽の雪景色は綺麗だった。
秘密は秘密のまま生きるべき?
ネタバレになるのかな?
2人の思い出というか、関係性を最後まで引っ張るけど、そーでしょーね。となった。
梨泰院クラスでもそうだけど、そこは韓国文化ではかなりタブーなのかな?最近の日本では特に珍しくもない。
タバコのシーンも良いですね。
日本映画では無くなったシーンです。
高校生がタバコを吸ってるのが親にバレるとか、昭和のノスタルジーを感じる。
特にびっくりしたのは、「秘密は秘密のままで、、、」といシーン。え?
韓国では今でも秘密のまま生きるべきなんだね。
韓国ドラマや韓国映画を見てきましたが、1番びっくりした。
そういう人が見たらショックだね。理解しようとも思ってないのだ。
え?それで終わるの?
差別されるから秘密にしましょうってこと??
日本の映画としては成り立たないかも。
英語タイトルがMoonlit winter「月明かりの冬」。
ところどころ月が出てきます。三日月だったり半月だったり満月だったり。何か意味があるのだと思ってみてましたが。小樽に何日滞在したのか30日以上かな?いや、45日かな?
もしかしたら、心の幸福度か何かを表してるのかも。
あと、小樽と北海道の良いところがほとんど出てないのも残念。
母娘愛みたいのは良かった。
【"私達は間違ってはいなかった・・。"日韓の女性の20年に亘るお互いへの想いを、静謐で叙情的なトーンで描き出した作品。小樽の雪降る街の夜景の美しさも、作品に趣を与えている作品でもある。】
- 今作品は岩井俊二監督の「Love Letter」に着想を得たとあるが、作品設定及び漂う静謐な気品、哀しき叙情性など、成る程と思わせるシーンが多数ある。ー
◆感想
・遥か昔、韓国で過ごしていたユンヒ(キム・ヒエ)と今は小樽に住むジュン(中村優子)との関係性が徐々に明らかになる過程の描き方の巧さに、魅入られる。
- 敢えて、昔の彼女達の関係を描いていないのも良い。ー
・ジュンが、何度もユンヒに対して書いていた手紙。けれども、投函できない手紙。
ある日、叔母(木野花)は、その手紙を見つけ、雪の降る中、ポストに投函する。
- ジュンが独身を貫いていた理由も、仄かに分かる。-
・ユンヒの娘セボムが別れた夫(ユ・ジョンミ)に聞いた言葉。
”お父さん、何でお母さんと別れたの・・””お母さんと居ると寂しくなるんだよ。・・”
- 自分を愛していない女性との結婚生活は、辛いよなあ。
この夫の健気な姿にも男としてはグッとくる。
そして、後半ずっと元夫に辛く当たっていたユンヒが、彼から他の女性と結婚すると言われ、 静に微笑む姿。-
・セボムが、ジュンの手紙を盗み見したシーン。
- 日々閉塞感を感じながら生きている母親の姿を見て、決断した小樽への旅。
優しき娘であり、優しきセボムのボーイフレンドの姿。-
・ユンヒとジュンは同じ町、小樽に居るのにナカナカ会えない。
嫌、ユンヒは自らの意思で会わない・・。
・動物病院を営むジュンのかかりつけの女性(瀧内公美:個人的に嬉しい。)と、ジュンとの関係性。
- 勝手に、あの女性はジュンの事が好きなんだろうなあ、と思いながら鑑賞。ジュンが彼女に言った言葉。
”隠したいことは、最後まで隠した方が良い。私は、韓国に居た事を隠して生きているから・・。”-
・だが、セボムは迷う母の姿を見て一計を案じる。
- 雪舞う中、ユンヒとジュンが小樽の運河に掛かる橋上での出逢いのシーンは白眉である。
涙を流して、且つて愛した人を見つめる二人。ー
<そして、韓国に戻ったユンヒが、新しき一歩を踏み出す姿。
その姿をセボムとボーイフレンドは優しく見つめる。
面接を受ける料理店の前で、”緊張してる?”と母に聞きながら、セボムが撮影した母の写真。
そこには、小樽では一枚も撮影出来なかった、笑顔の母親の顔が有った・・。
雪降る街をメイン舞台にした二人の女性と、彼女達と関係を持つ人々の姿を叙情性溢れるトーンで作り上げた作品である。>
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20年前、愛し合いながらも別れなければならなかったユンヒとジュン。時を経て再会した二人のせつなさが伝わる。あの頃に想いを馳せ、愛し合い、楽しかったこと悲しかったことが胸に去来する。とまあ、私がいくら色恋にうとくても(ミミズかタコのレベル)、前半寝てしまっていても上記のことぐらいは分かる。
悲しいラブストーリーだけど、なんとか2人を会わせようとするユンヒの娘セボムが空気を和ませるし、ジュンの叔母さんのマサコのまなざしも暖かくて心地よい。あえて二人の過去の思い出のシーンが無いのも良い。
[ 追記.1/8(土) ]ねたばれチェック欄□に ✔️を入れる ✅
[ 追記 1/12(水) 再鑑賞.]
前回少し寝てしまったし、起きててもボンヤリ見てたところも有るのでもう1度見ることにした。冒頭ジュンの叔母マサコが、ジュンが書いた手紙(ユンヒ宛)をジュンに内緒でポストに入れる。ユンヒの娘のセボムは母宛の手紙をこれまた勝手に読んでしまう。こうして当人たちが知らないところで物語が始まる。20年のときを経て二人は再会するが、一生会わなかったのかもしれないと思うと胸が詰まる。再会してからの描写も多くはないけど、運河沿いを二人で歩く場面での会話も 「久しぶりね」 「そうね」 だけなのにもう充分胸がいっぱいになる。
セボムとボーイフレンドのホンワカ・ノホホンとした場面は、暗くなりがちな雰囲気を和らげてくれてホッとする。
星3→4。
前回寝たのはセボムとボーイフレンドがハグしてるのをユンヒに見つかった辺りの3分ぐらいと判明。( 30分ぐらい寝たと思ってた )
2022/1/7(金) city1
. 1/12(水) 晴 city1
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