「ダメではないが、期待したほどではないかな…」劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ダメではないが、期待したほどではないかな…

2022年11月26日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

テレビアニメ「転生したらスライムだった件」の劇場版。完全新作ストーリーということで公開を楽しみにしていた本作。公開初日の夕方とはいえ、いつもは閑散としている馴染みの映画館はかなりの客入りで、しかも年齢層の幅も広く、改めて人気のほどがうかがえました。しかし、鑑賞後の率直な感想としては、テレビアニメのファンならそれなりに楽しめる仕上がりなっていますが、期待したほどはなかったかなという感じです。

ストーリーは、ラージャ国の女王トワに命を助けられたオーガ族のヒイロが、魔物の国テンペストでオーガの仲間のベニマルらと再会し、テンペストの王リムルらの力を借りて、トワのもつ不思議な力をめぐる陰謀を打ち砕くというもの。新キャラのヒイロを中心に展開する物語ですが、ベニマルやトワとの関係性から好感がもてる人物として描かれおり、その魅力が物語の牽引力となっています。

多少の無理くり感はあるものの、劇場版らしくたくさんのキャラに登場の機会を与える脚本は悪くなかったです。陰謀の首謀者がはっきりしていたのも、展開のわかりやすさに寄与していました。また、バトルシーンもテレビアニメとは一味違うクオリティで、なかなか見応えがありました。ラストで、ヒイロがトワのためにわずかに残る自我を奮い立たせるシーンも熱かったです。まあ、その後のトワの行動、さらにヴィオレ登場…と、最初に流した涙を返してくれと言いたくなりましたが、終わりよければすべてよしということにしておきます。

とはいえ、それでも劇場作品としてはやはり物足りなさを感じます。全体的に物静かなトーンで進行するのも悪くないですが、コメディリリーフのゴブタをもう少し活躍させるなど、「転スラ」らしくもっと明るく軽いノリも入れてほしかったです。また、アクションシーンも終盤までは控えめで、やや起伏に欠ける印象だったのは否めません。映像的にも、テレビアニメよりは少しきれいで滑らかかなとは思いますが、昨今のハイクオリティなアニメに目が慣れてしまったため、それらに比べると見劣りしてしまいます。

起伏の少ないストーリー、控えめなアクション、特筆すべき点のない映像と、なんだか辛口批評となってしまいましたが、決してつまらないわけではありません。「転スラ」ファンとしては、劇場版を制作してくれただけでも感謝です。ただ、「転スラ」初心者には、メインストーリーは理解できても、本作だけでは舞台背景が全くつかめないので、おもしろさは半減するでしょう。できれば、事前にテレビアニメ1期ぐらいは視聴しておきたいところです。

キャストは、岡咲美保さん、内田雄馬くん、古川慎くん、豊口めぐみさん、M・A・Oさん、大塚芳忠さんらテレビ版キャスト同様の万全の布陣…といいたいところですが、なぜかトワ役に福本莉子さんを起用。彼女も決して下手ではないのですが、プロ声優をずらりと並べた中での重要な役どころなので、どうしても見劣りしてしまい、ちょっと気の毒でした。

おじゃる
月の弓姫さんのコメント
2022年12月1日

どんだけ考察好きなんだよw好き過ぎだろ

月の弓姫