THE GUILTY ギルティのレビュー・感想・評価
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「生きる」
日本では火事か救急の場合119番 警察は110番
しかし欧米ではすべてが緊急ダイヤル112(デンマーク)番に集約されるシステム。
オペレーターは、掛かってきた緊急内容によってそれぞれの機関へ代理通報する。
この作品の優れている点は、すべてがオペレーターである主人公のアスガーの視点のみで描かれていることだ。
そのため視聴者もこのアスガーと一緒になって事件状況を想像することになる。
この緊急ダイヤルには様々な通報が来るが、どっちかというと不親切な対応に、市民から頼りにされているというところまでではないように感じた。映画だからか、その規模も東京消防庁の20分の1もない。
アスガーが対応する件も、膝を打ったから救急車を手配しろとか、風俗街で女の強盗に襲われたとか来るものの、その対応のどこかに自業自得だというような適当さが見受けられる。
彼は以前警察官として、19歳の少年の素行の悪さを個人的に断罪、正当防衛と称し射殺した。
彼の行為に警察は組織を挙げて偽証し彼を守ろうとする。翌日予定されている出廷で彼は無罪となる予定だ。
彼のしたことがどんなことかはさておき、その事で妻のパトリシアと離婚したのだと思う。
それは妻が彼を許さなかったのか、それとも彼自身が良心の呵責に苛まれ続けた2次的結果なのかは不明だが、彼自身の心の底に澱のようになっていたのは事実だろう。
無罪になってしまえば、もう事件などなかったも同然だ。
さて、
物語は1件の誘拐事件に始まる。
イーベンは、車内から子供に電話をする素振りで緊急ダイヤルに通報する。
それを受けたアスガーは、何とかしてイーベンを助けようとするが、警察と緊急ダイヤルの仕事の区分と警察管内の違いなどから思ったように進まない。
警察は「白いバンだけじゃわからない」というし、「正確な場所がわからなければ行けない」ともいう。
イライラするアスガーは、席を変えて誰もいない場所で一人この事件と向き合おうとする。
この事件そのものに大どんでん返しが仕掛けられている。
警察官がイーベンの子供がいる自宅へ行くと、血だらけのマチルデと、腹を裂かれて死亡しているオリバーを発見する。
マチルデはママを助けてという。
誰が想像しても犯人は父のミケル
それぞれの通報者は「みな必死」なのだ。
警察署の指令室に電話すると、たまたま宿直だった当時のボスが電話を取り、誘拐事件の依頼をするものの、管轄外を理由に断られ、アスガーのしていることが緊急ダイヤルの仕事ではないと指摘までされてしまう。
アスガーは元相棒のラシードに依頼し、ミケルの自宅を捜索させる。ただならぬアスガーの様子にラシードは渋々依頼を受ける。
やがて、
イーベンとの会話から、オリバーを殺したのがイーベンだとわかる。同時にミケルが何をしていたのかもわかってくる。
イーベンは橋の上に居て、飛び降りるつもりだった。警察のサイレンで電話が切れる。
しかし彼女は無事保護された。
交替時間はとっくに過ぎていた。
明日の法廷 アスガーは真実を語ると決心した。
さて、
エンドロール直前、交替したアスガーはどこかに電話する。
それはおそらく妻のパトリシアではないかと思った。
真実を語ることを決心したことを伝えたかった相手は、パトリシア以外いない。
これによってアスガーは「ギルティ」 つまり有罪となる。
デンマークという国の不誠実さを「緊急ダイヤル」をモチーフにこの作品に託したのだろうか?
ギルティとは、デンマークで働く緊急ダイヤルのオペレーターと警察官すべてに言っているのではないだろうか?
突然のことに慌てふためく通報者たちを、どこか冷めた口調で「住所は? ナンバーは?」と機械的に対応するオペレーター。
その対応に辟易し「もういい」といって電話を切る通報者たちを鼻で笑う。
警察の指令室は「トイレでクソするより暇だ」というボスも、実際起きている誘拐事件にまったく関心がない。
通報者たちは必死で助けを求めている。イーベンのセリフにそれが出ている。
「できない やれない 助けて 殺される」
バンの後ろに閉じ込められているイーベンに対し、交替しないでそのまま彼女を救おうとするアスガーは、仲間から奇異の目で見られている。
何度も警察の指令室に電話し、イーベンを探し出すように求め続ける。元相棒まで使って仕事を依頼。そのすべては緊急ダイヤルの管轄外。
アスガーを本気にさせたのは、誘拐という実際に起きている事件に、警察はのらりくらりだったからだろう。
誰も本気で助けようなどという気がないことに気づいたからだろう。
その中の一人であるボス 彼の言葉「管轄外」
偽証することは本気なのに、事件を本気で追いかけようとしない。
ミケルは言う「オレは助けてくれと何度も、何度も言った。でも、医者も弁護士も警察も、誰も助けてくれなかった。
アスガー自身もその中の一人だったことに気づかされた。
初めて自分が何にも向き合っていなかったことを知った。
妻にさえ、向き合っていなかったのだろう。
黒澤明監督の「生きる」
この派生作品 デンマークの社会システムを痛烈に風刺している。
様々なシチュエーションで未だ生き続けていることを改めて感じた。
NETFLIXの得意分野
引き込まれる引き込まれる、目の前にその状況が浮かんでくる
でも全てじゃない、気持ちは高ぶり焦ってしまう
どうしても声が大きくなってしまう
深呼吸、深呼吸、とにかく落ち着かなきゃ事態を冷静にしっかりと把握しなきゃ
救える命が目の前?にあるのに歯痒い思いばかり
どんどん事実が分かってくる、的がどんどん絞られる
ギルティとは誰になのか、何のことなのか
J・ギレンホールの演技が素晴らしかった。
『THE GUILTY ギルティ』鑑賞。
*主演*
ジェイク・ギレンホール
*感想*
デンマーク版のギルティは映画館で観た事があり、内容はほぼ変わってませんが、ジェイク・ギレンホールの演技力が素晴らしかった。登場人物は、オペレーターと電話の相手だけ。
オペレーターと電話相手の緊迫した会話だけなのに、「事件の映像」が自然に浮かび上がってくるので、なかなか面白かった!
主人公・ジョーが通報相手にぶちギレる所は、デンマーク版でもあったので個人的にはツボってしまったw
総じて、リメイク版のギルティもなかなか面白かったです!
オリジナル版に比べ密室性や主人公の孤独癖が希薄
オリジナルのデンマーク版が面白かったので、ギレンホール主演のこのリメイクも見てみた。こちらも面白いことは面白かったが、同じ設定とストーリーなのに米国とデンマークではスタイルが大きく違うという印象だ。
オリジナルは緊急通報室の中という密室性や、主人公の孤独癖という特徴が濃厚で、だからこそ主役のヤコブ・セーダーグレンの不器用なキャラクターがその男性的な声とともに魅力を発揮していた。
米国版の同じく一つの部屋が舞台なのだが、室内の警官たちとのやり取りが賑やかだし、やたら多い私用電話が彼の境遇を説明過剰なほどに浮き上がらせてしまうので、何だか密室性があまり感じられず、この作品の最大の特徴が削がれている感じがする。だから主人公のキャラクターも浮かび上がってこない。
ストーリー、会話がよく練られている点は共通なので、ともに緊迫感は伝わってくるが、オリジナルが地味な主人公の地味な告白でさわやかさを感じさせるのに対し、米国版はやはり派手なギレンホールのにぎやかな告白で終わる。
好みの問題だが、小生はオリジナルに軍配を挙げたい。
40点
映画評価:40点
元々の方は観てないですが、
ほとんど室内からお送りしてるので
制作費をかけずに面白い作品を作るという点で
ナイスアイディアだなと思いました。
ただリメイクにすると、
B級感が仇となって
薄暗い印象を受けました。
内容自体は面白いし、
どうなるんだ?という
ドキドキ感もあります。
…
…
でもですよ、
主人公を筆頭に
全く共感出来ないんですよね。
仕事仲間は仕事仲間だし、
被害者や加害者、通話者が
ほとんど異常な精神状態で
全体的に会話になってない。
最後、主人公がギルティしますが
そこは良かったです。
タイトル通りの作品でした。
【2023.6.9観賞】
スカッとしません!
個人的には面白かったです。
ただ、映像美や派手さはないので映画館で見る必要はないかなと思います。
よく出来たストーリー、コスパのいい構成で、登場人物達はどうなるんだろうと想像して惹き込まれます。
ただ、同じ映画を2回見る事はないと思います。
デンマーク映画のリメイク
元のデンマーク映画をアントワーン・フークア監督、ジェイク・ジレンホール主演でリメイクした本作。
ストーリーやセリフは、ほぼデンマーク版のままで目新しさはない。
ただ元が良く出来ているサスペンスなので初見の人は楽しめると思う。
細かいセリフが終盤に活きてくる展開が秀逸。
まさかの展開
まるで「フォーン・ブース」のよう。映し出されるのは911で通報を受ける主人公の顔のアップばかり。それでも場面転換がほとんどない中で、ここまでスリリングになるとは。見せ方が実にうまい。助けを求めて911に電話をかけてくる人物に対する思い込みの怖さを思い知らされる。
2022年 19本目
オリジナルは未視聴。
題名のギルティの意味が終盤にわかりが納得。映画館で観たかったと思いました。
電話だけのやり取りで緊迫感をだせる演技はやはり
ジェイクは素晴らしいし、どんなジャンルもこなせる役者さんだなと思いました。
時間も90分ほどで観やすいです
続けてアントワンの作品を観ましたがこっちはオススメです
ジェイク・ギレンホールにはまる作品
昨日デンマークのオリジナルを観たので今日はリメイク版
ストーリーはほぼ同じなので感想もそんなに変わらずです
主演がジェイク・ギレンホールという事で、その演技力がこの主人公役にピッタリだったと思います
オリジナル版を限りなくリスペクトしながらも印象的なドラマをチョイ足ししてエモーショナルに仕上げた野心作
“真理は汝を自由にする“というヨハネによる福音書からの引用が最後にガツンと効いてくる見事な脚本。徹頭徹尾罪を見つめる物語ですが、蛇の存在がタイトル通りの罪の象徴ではないところも福音書から引いてきていることに気付かされてハッとしました。とことん音声でドラマを転がすことに特化したデンマークのオリジナル版に対して映像で補完する描写がある分解りやすいのが若干物足りないですが、その分人間ドラマが微妙に分厚くなっています。イーサン・ホーク、ポール・ダノ、ピーター・サースガードといったエンドロールを見るまで判らない絶妙な配役も素晴らしく、アクション要素が微塵もないドラマでもスリリングな演出を披露してみせたアントワン・フークワの実力に唸りました。本作だけ鑑賞しても全然面白いですがオリジナル版との比較も一興です。ジェイク・ギレンホール主演なので、『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』を観た後だとミステリオの贖罪の物語にも見えてしまいます。
リメイクの良さが出てる。
デンマークのオリジナルは約3年前に見たので、詳細はちょっと記憶が怪しけど。
オリジナルは、小さいオペレーション室で淡々と電話を受ける「静か」な感じが。
今作は、広いオペレーション室&目の前に大画面で事件の様子を移す「忙しい」。
加えて今作はジェイクお得意の「激しい表情の変化」が。
見ている方もハラハラ感が増します。
内容もこちら側の「思い込み」をバッサリ切り去る展開に唖然。
90分ちょっとだけど、濃縮されたサスペンス。
耳から聞こえる、受話器の向こう側の情景。
想像力をフル活動なのが面白い。
どちらも甲乙つけ難いけど。
感情の表現豊かな、今作の方に軍配かな。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「失意の人は同類の人を救う」
極限まで情報量を削ぎ落とし、想像力を掻き立てられる
演出 ★★★☆☆
音楽 ★☆☆☆☆
ストーリー ★★☆☆☆
90分間終始飽きずに鑑賞できた。
ジェイク・ギレンホールのお芝居は気持ちいいモノではなかったけど、良かったと思います。役者以外のカットはほとんどないので、飽きずにみせれたのは演技力とストーリーの良さだと思います。怒声は、観ててかなり辛い…苦手ではありました。
1度目の鑑賞で充分お腹いっぱい、2度目はなし。
《追記》デンマーク版を視聴
アメリカ版は鑑賞者によく伝わる構造になっていて、演出が全体的に説明的だと思う。デンマーク版よりも表現や起承転結がチープで、それがまたアメリカらしい。
演技力でここまで。
よく見ると終始ギレンホールがピンで演技している。
電話の先の出来事が映像化されていないのが後から気付かされるくらい、見る人の頭の中で物語が進んでいくよう。
斬新な手法。すごいと思った。
演技・演出が凄すぎる
「ほぼ一人芝居」「ほぼ同じ場所」という面白くなさそうな設定なのに、思いがけずどんどん引き込まれていった。
その理由は、ジェイク・ギレンホールの迫真の演技と、秀悦なストーリー展開と、巧妙な演出。
観終わった後に、よく出来た映画だと感心するほど。
小さな話が発展しながら、散りばめられたいくつもの小さな話が少しずつ繋がり、次第に大きく全体像を見せてくる。最後には本筋テーマの愛と正義を鮮明に描く。音声や編集も素晴らしい。
無駄なシーンやセリフが一つもなく、全てに意味があり最後に繋がるので、主人公は何故イラついているのか、何故この仕事をしているのか、何故それを言ったのかなど、問とヒントを複数持ちながら次第に解けていく面白さもある。
ラストシーンのジェイク・ギレンホールの演技は圧巻。
他人に対して正義と人間愛を必死で貫いた主人公が、自己に対して正義を貫いていない鏡の向こうの自分に向き合い、罪悪感「ギルティー」に苛まれ、自己を吐き出すかのように嘔吐する。
キャリアを失っても正義を貫く決意をし、それにより娘と会えなくなる絶望。その複雑極まりない心の機微を見事に表現している。
子供への愛や別居離婚など、共感ポイントが少ない人には主人公に対する理解と感情移入が困難であろうから、この映画への評価は低くなってしまうのは想像できる。
わかる人にもっと評価されるべき作品だと思う。
さすがのジェイクの演技に脱帽
ジェイク•ギレンホールの演技に引き込まれていきます。他の俳優だとここまで面白くならないのでは? 大満足。最後のエンドロールにイーサンホークの名前もあります。
全39件中、1~20件目を表示