エル プラネタのレビュー・感想・評価
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実の母娘が演じる虚飾の生活
アマリア・ウルマンが脚本・主演・プロデュース・衣装デザインを担当した、
長編監督デビュー作。
アマリアと実母アレ・ウルマンが母娘役。演じているのか地なのか…
職のない娘、働いたことがない母の徹底的に貧困から目を背けつづける日常。
近いうちに破綻するのは母娘ともども気づいてはいる。
援助交際で金を稼ごうとするが相場の安さにドン引き…
アプローチを受けてデートして、いい感じになったかと思ったら妻帯者。
金を稼ごうと、結婚して少しでもマトモな生活をと悪足掻きしても報われない。
刑務所に入れば、家賃も食事の心配もなくなる。
そんな事が希望になってる。
未来に希望も見えない現代を刹那的に切り取ったモノクロームの断片たち。
アートと、社会風刺が交じり合った不思議な余韻の残る作品
完全にネタバレですよ。
色々な謎を含んだ妙な話だった。単純にスペインの貧困を描いているのか?
それでいて、スペインの王制復活にプロテストするようやイデオロギーをたらし込む。そして、それを実際の母親に演じさせる。もしそれに何かの意図があるのなら。そこまで、考えてしまう。
『FIN』が脳裏に焼き付いただけに、『画竜点睛を欠く』と結論付けたい。
『食事のうわさは本当?』最後に奇妙な言葉を残して突然終わる。そこまで!!若しくは別の表現をすべきだった。
とつぜんFINが出てきた
《フランシス・ハ》を思い出したの。モノクロ画面で女の人が色々やって、こちらはなんとなくそれを観ているっていう感じが似てたのね。
一夜を共にした男は子持ちだったことが分かり、『Fuck off !』で別れ、海に入っていくシーンは良かったな。「入水か?」って感じも良かった。
母娘の家庭で、だんだん貧乏になってるみたいなんだけど、理由は分かんないのね。月末になるとカードが止められたり、アパートを追い出されたりしそうで、それまでに金品をだまし取っとこうと頑張ってる。「じゃあ、月末が来たらどうなるんだ?」と思って観てたの。
そしたら、お母さんのところに警察が来てね、ここから二転、三転かとおもったら、FINが出てきたの。ビックリしたね。ちょっとウトウトしてたんだけど目が覚めた。
2022年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
実生活では電気代を払えず電気が止められたりと、とても"リア充"とは言えない貧乏生活を送っているにも関わらず、SNS(インスタやFacebook等)上では"リア充"ぶりを発揮するため、衣服購入のため、パパ活や万引き、払うつもりのないカード生活などなどに忙しい母娘の物語。
毎日の食料はビスケットぐらいで、たまにレストランへ招待されたり、どこか(SNS上のファン?)から送られて来た果物なんかで食いつないでいる、ギリギリ生活…。
娘は、突然クリスティーナ・アギレラとの仕事が舞い込んで来るぐらいに、スタイリスト?としての才能があるんですが、運の悪い事に、お金に困って仕事道具?のミシンを売っ払ってしまった後でした…と言っても、そもそもNYへの飛行機代は実費だったので、その仕事を引き受けることは出来なかったのですが…。
さらに、虚構の世界に生きる日々の中で、リアル世界では彼氏がやっと出来たと喜んだのも束の間、一緒に朝を向かえた男の口から出て来たのは、妻子持ちの一言…(母のいない部屋で)一人泣きします。
母親の方は、ギリギリ生活よりも、家付き飯付きの刑務所の方がマシだと言っていたら、最後本当に警察に連れて行かれて、ジ・エンド。そんな時にすら、住んでいる家から一歩外に出るとなると、毛皮のコートを羽織るために警官を待たせたりします。
…そんな作品です(笑)
*映像はスタイリッシュで、ボッーと観ていたら、この母娘は一体何をしているんだろうかと、ちょっと分かりにくいと思います。映画.comに特集記事があるので、多少のネタバレが気にならない方は、事前に目を通しておく方が、より作品世界に浸れると思います。
*スペインにはヒホンという町があるんですね。観光地のようですが、町中に"SE ALQUILA"(貸家)とか"VENDE"(売家)などの看板が目立ち、年寄りも多く、過疎化していることがうかがえます。こういったところも、ボッーと観ていると、見過ごしてしまいそうになります(笑)
*この作品は白黒ですが、本編終了後、カラーのニュース映像?が流れます。要は、政府が貧困対策をしない事への批判?
*フランス映画みたいな、スタイリッシュな映像体験がしたい方は、どうぞ!笑
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