「先に」君を愛したひとりの僕へ 786さんの映画レビュー(感想・評価)
先に
「僕が〜」を観てちょっと不満だった気持ちがこちらを観てなくなった。こちらの方がよりドラマティックに感じた。
が、やはりラストがよくわからなかった。
あの少年の暦はなんなのか。暦と栞は出会わないはずではなかったのか。結婚とか言ってたし。
しかしあの栞は幽霊っぽかったから、肉体がある現実世界の栞ではないだろうと思った。
あの世界での66年後におばあちゃんになった栞とヨボヨボの暦が実際に出会っていることを、ハッピーなこととして、それは精神世界では暦と栞が結ばれたと同じ、ということでいいじゃないか!ね?ね?という感じに思っておこう。
ファンタジーに頭の悪い現実的な思考を持ち込んでも興醒めなのだが、幽霊的な存在として生き続ける、そして外見は成長しないがそういう存在としておそらく記憶もある栞。そういうことになると、脳って何?って思ってしまう。よく知らないがバカなりに考えると、脳にもその部位ごとに司る機能があったりして、ある部位が損傷することで記憶ができなくなったりする。だから脳は大事だ。
なのに脳とは全然別なところで、それがコンピュータ的な記憶媒体でもないところで、事故現場の横断歩道で意識が生き続けるというところに違和感はある。
が、そんな考えは物語の世界のもっと頭のいい理論で説明がつくのであろう。
というか、幽霊的な存在だから精神的なものと自分は決めつけたが、幽霊であっても栞には身体があり、ということは脳もあるのだろう。あれ? そう思うと、何を自分はバカなことを考えていたのだという気にもなる。
結局は、人間の思いを描いたドラマティックファンタジーなのである。