「切ない物語がなぜか胸に迫らない」君を愛したひとりの僕へ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
切ない物語がなぜか胸に迫らない
クリックして本文を読む
2作のうち、こちらを先に観た。
愛する人を救うためには、その人が自分と知り合わないようにしないといけないという、非常に切ない物語のはずなのだが、なぜか、それほど胸に迫ってくるものがない。
それは、主人公が、幽霊となった彼女やもう1人のパートナーとの人生をまっとうして、歳を取って寿命が尽きる寸前に、それを実行するからだろう。そこに、自己犠牲の哀切や悲壮さが感じられないのである。
さらに、虚質理論が難し過ぎて、幽霊の彼女を定着させる肉体に宿っていたもともとの虚質(魂?)や記憶はどうなってしまうのか?といったことがよく分からず、ストーリーに入り込めなかったのも、素直に感動できなかった理由だろう。
そもそも、主人公の解決策は、歴史を改変して、主人公と愛する人が知り合わない新たな世界を作るといったものではなく、もともとそういう世界があって、しかも、その世界には何の影響も及ぼさないというものである。
だったら、わざわざそんなことをする意味はあったのか?という根本的な疑問も生じてくる。
それとも、それは、幽霊になってしまった彼女の魂を成仏させるためのものだったということなのだろうか?
いずれにしても、感じる前に、色々と考えてしまう映画たった。
コメントする