「人間ドラマが無い」機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 キーヤンさんの映画レビュー(感想・評価)
人間ドラマが無い
美しい海と沈む夕日、緑豊かな自然…
戦争を生き抜く為に必死なアムロ少年は、心が荒んでいて地球の美しさに気づくことができない
ドアンには子供達の為に戦う理由があり、そこには深い苦悩と葛藤がある
親を失った子供達は子供ながらに、戦争の理不尽さを必死で受け止めて、ドアンを頼って生きている
皆が戦争の被害者であり、物語は戦いの連鎖の悲しみに溢れている
ドアンと子供達との出会いを通してアムロ少年が人間的に成長できたからこそ、ドアンが醸し出す戦いの臭い、兵士としての未練を感じとることができた
それがラストでザクを海に棄て、ドアンの兵士としての未練、戦いの連鎖を断ち切るというアムロの行動に繋がるし、それがドアンにとっての救済となる
という、TV版第15話で描かれていた人間ドラマの描写がごっそり抜け落ちている。
そのかわりに何か新たな人間ドラマが挿入されているのかといえば、中途半端なものばかり。
連邦、ジオン双方の上層部のやり取りやサザンクロス隊など。
これは全くの別作品ですよ
というのであれば、それはそれでいいが
ドアンは「大家族の為に戦うお父さん」のような存在であり
アムロは「ガンダムさえあれば僕だって…」というガンダム頼りの存在から脱却しきれないので
ザクを海に棄てるアムロの行動と、それに理解を示すドアン…どちらに対しても納得させる物語が無い。
作品全体のテーマと説得力が弱く
人間ドラマが無い。
たけろくさん
こちらこそコメントありがとうございます。
分かってくれる人がいてよかった!という気持ちです。
それぞれに戦う理由があるからこそ、たけろくさんのおっしゃる通り全てのキャラクターが主人公たりうるわけですし、敵味方問わず、戦っている理由があることを知り、自らに問いかけることがアムロ少年の成長に繋がっていく。
それらが、きちんとセリフとして語られたりして劇中に描かれていましたよね。
今回はそれがなかったのが残念です。
安彦さんのおかげでガンダムという素晴らしい作品がこの世に生まれたので、とても感謝していますけど、「安彦さんは絵を描く人で物語を作る人ではなかったのだな。」というのが正直な感想です。
私も同じく、「お疲れ様でした。」です。
お互い、ガンダムが好きですね笑
キーヤンさんの以下のコメントが印象的でした。
「ドアンには子供達の為に戦う理由があり、そこには深い苦悩と葛藤がある」
これを読んで、ララァの以下の台詞を思い出しました。
「なぜあなたはこうも戦えるの?あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに…」
本作の私の感想は、キーヤンさんのそれと重なります。まぁ、安彦さんの最後の仕事ということで「お疲れさまでした!」というところでしょうか?
追伸…私のレビューへのコメント、ありがとうございました!