「戦争の一側面」機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の一側面
Dolby-CINEMAで鑑賞。
原典は視聴済み、ノベライズは未読です。
高校からの友人と観ました。
ガンダムシリーズに特段思い入れの無い私(SEEDシリーズを子供の頃に観ていた程度)ですが、ファーストの異色エピソードの映画化と聞き、ふと興味が湧きました。
去年「閃光のハサウェイ」を観に行く際に予習した劇場版三部作からは端折られた回でありながら、ファンの間では語り継がれていると云うことをネットで調べて知りました。
実際に原典(第15話「ククルス・ドアンの島」)をネトフリで視聴し、ジオンの脱走兵ククルス・ドアンの姿を通して戦争の一側面を提示した物語に、とても考えさせられました。
そう云う状態で観た本作、これぞ翻案と云う印象でした。
ストーリーの膨らませ方や、設定の掘り下げ方が絶妙な塩梅で、蛇足的な部分が一切無いのではないかなと思いました。
映画的文法で多くを語らず、観る者に解釈を委ねる手法はテレビシリーズの一エピソードの映画化として適切だな、と…
モビルスーツ戦のシーンの作画の美しさと滑らかな動きに目を見張り、その迫力には思わず手に汗握ってしまいました。
敵同士であっても分かり合える。それが人間の素晴らしい部分のひとつであるはず。現実問題として戦争が起きている今、これ以上無いタイミングで放たれた本作に籠められた想いは、真摯に受け止めねばならないものだと思いました。
[余談1]
ガンダムで敵を踏み殺す描写は必要だったのだろうか?
[余談2]
シャアも出るぞ、と云う前宣伝にどう云う絡ませ方をするのかと期待していたのに、アムロの夢(回想)だけなんて…
これじゃあまるで詐欺じゃない?
[余談3]
島の食料はどうしていたのだろう?
特に、パン。自分たちでつくっていたのか?